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わがままな猫ちゃんでも、犬のように「待て」を躾けることは可能です。
ですが、その道は決して簡単ではありません。いわば、猫ちゃんと飼い主さんとの根競べこそ、「待て」の真髄とも言えます。
「うちの子は年を取っているから今更躾けてもきっと覚えないだろうな……」と諦めるのは早いです!
猫も人間も年を取ってからでも新しいことを学ぶことはできます。
ただ、それができるまでの時間が長いか遅いかというだけの話です。
今回は、ご飯を欲しがるわがまま猫ちゃんにどうすれば「待て」を躾けられるのかを、3つのポイントに分けて解説したいと思います。
猫ちゃんにまず「待て」をしつける第一歩は、「待て」という行動がどういうものかを覚えさせるかです。
人間の言葉で、「待てというのはその場でじっとしていることだよ」と教えられたら一番なのですが、現実はなかなかそう上手くはいきません。
まず、猫ちゃんはご飯を貰うために何らかの催促をしてくるはずです。大きな声で何度も鳴いたり、飼い主さんの足元に近づいてきてすりすりしたり、猫ちゃんによってその行動パターンは微妙に変わってきますが、基本的には飼い主さんの注意を引き付けるためのアピールをすることがほとんどです。
わがままな猫ちゃんは、そういった行動をとれば飼い主さんがご飯をくれると分かっているのです。
ですので、まずは「鳴くだけで・すりすりするだけでご飯が貰える」という思考そのものを変えさせなくてはいけません。
そのためには心を鬼にして、ねだってもすぐにご飯を与えないようにする必要があります。
すぐにご飯が貰えないと、猫ちゃんはあの手この手でご飯を貰おうと次の作戦に出るはずです。
木の柱を爪で研いだり、更に大きな声で鳴いたりとしてくるはずです。してはいけない箇所で爪研ぎをするなど被害がある場合は叱らなくてはいけませんが、人や物に対しての実質的な被害がないおねだりは、基本的にスルーしましょう。
そして、じっとご飯入れの近くで動かないようにして下さい。
時間はかかるかもしれませんが、そのうち静かになりその場で動かなくなるはずです。
猫ちゃんは優れた観察力を持っており、飼い主さんの行動と似た行動を取ろうとします。
この習性を利用し、「ご主人もじっとしているし、僕(私)もとりあえずその場でじっとしてみるか」と、猫ちゃんに思わせることで、待つことをまずは体で覚えさせます。
肝心なのは無理やり押さえつけてじっとさせるのではなく、猫ちゃんが自主的に待つまで我慢強くこちらも待つことが大切です。
静かになってその場で待ったなら、報酬として猫ちゃんにご飯をあげるようにして下さい。
最初に待つ時間の目安は3秒~10秒程度です。数十秒以上になると、猫ちゃんは「長いこと待っていてもご飯を貰えない」と認識してしまい、別の行動をとって飼い主さんの注意を引こうとします。
ですので、「待てばちゃんとご飯が貰える」というルールを飼い主さんも守るようにしてあげて下さい。
もし、飼い主さんが猫ちゃんとの「待て」のルールの基準を毎回変えてしまうと、逆に猫ちゃんが混乱してしまうので注意して下さい。
次にまた同じように猫ちゃんが待つまで待つというのは、同じぐらいかそれ以上の時間がかかる場合があります。
今までおねだりをすればご飯が貰えると覚えていたわがままちゃんの思考を変えさせるのは少し骨がかかりますが、根気強く飼い主さんも待ってあげれば、必ず待つまでの行動の時間は縮まってきます。
待つことに慣れ始めたなら、少し秒数を長くして待つことにもチャレンジできるはずです。