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猫は土や砂に排泄する習性があります。ペット用品メーカーではこの点に着目して猫が興味を示すような猫砂を開発しています。
また猫はスプレーと呼ばれるマーキングを行います。オシッコやウンチをすることで自分の臭いを残していきます。
マーキングは猫が「ここは俺の縄張りだぞ!」と主張する行為ですが、家の中でされたらたまりません。スプレーは雄猫がよく行いますが、雌猫もたまに行うことがあります。
人間もそうですが騒がしい環境では気が散って排泄ができません。動物にとってトイレの時間は食事とともに最も隙の多い瞬間です。おしっこはジャッと一瞬でできますが、ウンチは時間がかかります。
警戒心の強い猫でも安心して排泄できるように静かで落ち着いた環境を用意しましょう。明るい場所よりも少し薄暗い場所のほうが、本能的に安心できます。
ただし湿気があると猫砂が長持ちしませんし、夏場は臭いが篭ると不快ですから風通しを良くする必要があります。
早くトイレを覚えさせるためにはトイレをどこに設置するかが重要です。落ち着いて排泄ができる場所であることも大切ですが、あまりに寝る場所や食事する場所に近いと猫は嫌がってトイレを使いません。
人の出入りが多い部屋の入り口付近は避けましょう。キッチンやリビングは騒がしく四六時中人が出入りするためトイレの場所には適していません。玄関の近くは人の出入りが多く脱走される危険がありNGです。
洗面所は人の出入りが比較的少なく、静かで落ち着いた環境でトイレの設置場所に適しています。掃除がしやすいというメリットもあります。とはいえ家によっては設置場所が確保できない場合もあるでしょう。
寝室は日中の人の出入りが少ないため猫のトイレ場所に適しています。臭い対策をしっかりすれば人間も快適に生活することができます。ただし猫が自由に出入りできる配慮が必要です。
そのほかに猫専用の部屋を設けてそこにトイレを設置する方法もあります。それぞれの住宅事情に合わせて適した設置場所を見つけてください。
猫にはそれぞれ好みがあるため猫砂選びも重要になります。猫砂はシステムトイレ用の固まらない猫砂と、従来型トイレ用の固まる猫砂があります。
さらに材質によって燃えるゴミに出せない鉱物系、シリカゲルの砂と、燃えるゴミに出せる木、紙、おからなどで出来た砂があります。
鉱物系の砂は安価で自然の砂に近いため猫に好まれやすいのがメリットですが、重くて持ち運びが大変で処分に手間がかかるのがデメリットです。
シリカゲルは冷蔵庫の乾燥剤に使われる素材です。強力な脱臭効果がありおしっこがついても素早く乾燥させることができるため、主にシステムトイレ用の猫砂に採用されています。価格が高く重いのがデメリットです。
木の砂のメリットは脱臭・消臭効果が高さで、デメリットとしては長く使うと粉状になってしまうことです。おからの砂は扱いやすいのがメリットですが、おから特有の臭いは好みが分かれます。
紙の砂は軽くて持ち運びしやすく安価なのがメリットですが、猫によって好き嫌いが分かれるタイプであることと、湿気に弱く軽すぎるため飛び散りやすいのがデメリットです。
猫用のトイレグッズにはさまざまなものがありどれを選んだら良いのか迷ってしまいますよね。まず必要なのがトイレ本体ですが、おすすめは掃除が楽なシステムトイレです。
内部がスノコなどで仕切られ二層になっているのが特徴で、下には引き出しがついていて専用シートを敷いて使います。
固まらない猫砂を使いおしっこは砂を通過してシートに吸収され、掃除をするのはウンチをしたときだけで良いので従来型のトイレと比べて掃除の回数を大幅に減らすことができます。
砂は1~2ヶ月に1回全て取り替えます。専用のシートは数日から1週間程度で交換します。
トイレのしつけは子猫でも成猫でも方法は同じです。子猫はトイレをしたくなるとソワソワと周りを見回したり、床に鼻をつけて臭いを嗅いだりします。そのタイミングで優しくトイレに誘導してあげてください。
最初は失敗することもあります。叱ったり、怒ったりしないことが大切です。何度も根気よく教えることで覚えてくれます。
子猫は乳離れするまでは母猫が舌で排泄物を処理します。トイレのしつけは乳離れしてフードを食べるようになったら始めてください。
部屋の中を自由に歩けるようになる生後3ヶ月~6ヶ月頃がトイレをしつけるベストタイミングです。成猫を家に迎える場合はすぐにでもトイレのしつけを行う必要があります。
トイレのしつけは最初が肝心です。「そのうち教えればいいか」とのんきに構えていると部屋の隅などでする癖がついてしまいます。
猫のおしっことウンチの臭いは強烈です。何度もすると臭いが染み付いてしまうためその場所が排泄場所として認識されてしまいます。
猫を家に迎えた当日からしつけを行いましょう。ちゃんとしたトイレ環境を用意して、猫が排泄したくなったらトイレに誘導すればOKです。
「そこでしちゃダメー!」などと飼い主さんが慌てると猫は驚いて逃げてしまうか、落ち着かず排泄することができません。そっと猫の体を後ろから押すか抱き上げてトイレに連れて行ってください。
猫には砂のうえで排泄したいという本能があるため、トイレの中に入れさえすればたいていはしてくれます。もしトイレの外で粗相をしても怒らないように、すぐに掃除をして臭いが残らないようにしてください。
そしてトイレに成功したら「よくできたね」と褒めてあげましょう。一度成功すると次からもそこでしてくれるようになります。
愛猫がトイレに成功したら次は掃除です。綺麗好きな猫は汚いトイレを嫌がります。掃除を怠ると次第にトイレを使いたがらなくなり、他の場所でするようになってしまいます。
最低でも1日に1回、出来れば2~3回掃除を行います。ウンチは臭いが残らないように排泄したら出来るだけ早く、おしっこは砂が固まるまで少し待ってから掃除すると汚れた砂を綺麗に取り除くことができます。
掃除の仕方は汚れた部分にスコップをそっと下から差し込んで掬い上げ、余分な砂をふるいにかけてからビニール袋などに移します。
小さな固まりや散らばったウンチはスコップを斜めに差し込んで、容器を軽く持ち上げて流し込むようにすると上手く掬えます。
スコップを排泄物の上から差し込んでしまうと、砂が崩れたり、排泄物が散らかって掃除が大変ですし、スコップにウンチがつくと洗わなければいけないため手間です。
トイレは単に排泄させるだけでなく愛猫の健康状態を知る手がかりになります。まず愛猫の排泄する頻度と量をチェックしてください。
ウンチを3日以上しない場合は便秘、1日に3回以上ウンチをする場合はお腹を壊している可能性があります。
さらにウンチの形と大きさでだいたいの健康状態を知ることができます。健康な猫のウンチはかりんとうのような形をしていてコロコロとしています。
柔便や下痢をしたときは腸内環境が悪い証拠であり、続くようなら何らかの病気の可能性があります。逆に水分が全くないカチカチ状態で、うさぎの糞のように小さなウンコをするときは便秘気味です。