飼い猫をしつけることは、飼い主と猫との毎日の生活を潤滑にしてくれるだけではありません。
猫の飼育について、豊富で正しい知識を持った飼い主と生活をすることは、
飼い主から離れている時間にも、猫が病気やけがをすることから身を守るのです。
しかしながら残念なことに、物販を目的とした情報や、猫への愛情が足りていない情報など、
人間本位になってしまった、猫のしつけについての間違った情報がまだまだ溢れているのが現状です。
ここでは、猫と飼い主の信頼関係を大事にした、
猫のしつけの際に最もいい怒り方・叱り方を3つご紹介します。
目次
猫が何か悪いことをしてしまった場合、直後にしかることが最も大事です。
過去の出来事を認識する力が人間とは異なり、
猫は、今このときだけを生きている感覚が強い生き物です。
よく言えば臨機応変、悪く言えば、自分がしたことでも、自分がした行為とは認識ができないのです。
そのため、例えば飼い主が大切にしているぬいぐるみの耳を、猫がかじってしまった場合、
翌日にぬいぐるみを発見したからといって、そのタイミングで猫を叱っても、効果はまったくありません。
次回似たような悪さをする機会を辛抱強く待つ忍耐力が、飼い主には大切です。
しつけは忍耐だといわれるのはこのためです。
いっぽうで、猫が普段はしないような悪さをはたらく場合には、実は、理由があるケースがほとんどなので、このことも認識します。
ここ最近飼い主に1対1で遊んでもらってなかったなどのストレスが悪さの原因になっていないかも、
飼い主側は、猫の悪さとセットで考える習慣を持ちましょう。
猫はたいへん聡明な動物です。
人間の内面に敏感で、人間本人が自覚している以上に、飼い主の心を察知している生き物です。
そのため、飼い主が猫をしつけようとしている瞬間を、タイミングさへ逃さなければ、猫はしっかりと感じとっています。
例えば、飼い主のタオルケットの上など、本来してはいけない場所で排尿をしてしまった場合、猫はそれがいけないことだとはわかっていません。
そこで、猫が悪さをしてしまった場に居合わせたら、猫と目をしっかりと合わせながら、真面目な表情で「だめだよ」と声を掛けます。
このときの表情や声色は、普段、猫を可愛がっている時と、はっきりと区別した、毅然とした態度であることが大事です。
ただし、この際に、猫の名前を呼ぶことは避けます。
叱られることと自分の名前がセットになってしまい、名前を呼ばれたときに、嬉しく感じる気持ちが育ちにくくなるからです。
トイレの場所を覚えない猫にいらいらして、思い余って猫の頭やお尻を強く叩いてしまう飼い主がいます。
また、悪いことをしたことを体の感覚で覚えてもらおうと水鉄砲で水を掛ける飼い主もいます。
これらはいい叱り方ではありません。
トイレの場所を覚えてもらうには、トイレの砂に多目にその猫の排尿のにおいのついた砂を残すようにします。
そして、猫がトイレ以外の場所で粗相をしてしまったら、できるだけ速く本来のトイレに連れて行きます。
これを幾度でも根気強く繰り返してください。
この根気強さは愛情として猫に伝わり、信頼関係を同時に育てます。
猫が本来のトイレで用を足すことが可能になってからしばらくの間は、
心から褒めることも繰り返しましょう。
動物だからと、身体的な感覚で伝えようとすることはやめて、
いつでも心を大切にしたしつけをすることです。
しつけの時間であっても、猫と愛情を交換している時間であることを意識しましょう。