犬と人との絆を題材にしたお話(本や映画など)が、沢山出ていますよね。
遠く離れてしまっても再開できた話だとか、
飼い主の身代わりになってしまう話だとか、
飼い主の帰りをずっと待っていた話だとか。
こうやって見ると犬は動物の中でも、特に、人との心の繋がりが深い動物なのかもしれません。
日常でも、散歩のときに嬉しそうにこちらを見てくれたときやひっくりかえってお腹を見せてくれているときなど、飼い犬のちょっとした仕草に、「信じてくれているんだなあ」と感じさせてくれることがあると思います。
犬は、私たちのどういったところに、信頼を置いてくれているのでしょうか。
こんな言葉がありますが、動物種の違う私たちが犬と関係性を築いていくためには、これが最初のスタートです。
まず犬の出生を考えてみましょう。
最初に出会うのは誰でしょうか?間違いなく、母犬です。本能的にも絶対的な安心、安全な存在で最初に信頼した相手、それが母犬です。
次に、犬は本来群れで生きる動物であるということを理解しておきましょう。
色々な意見がありますが、近年は、単に主従関係(上下関係)を築くことが目的ではなく、
協調して信頼関係を築くことこそが、種として生き残るために重要だと思っているから、
と考えられています。
では、具体的にはどのような要素が信頼につながるのでしょうか?
母犬は何をしていますか?
排泄の処理、食事の提供、危険から守る等全ての身の回りの世話をしてくれています。母犬がしていたことを、今度は人がきちんと行いましょう。
当たり前のように感じるかもしれませんが、これが最初の信頼につながるのです。
さらに、母犬のように、温かい目でできる限り気持ちを理解してあげましょう。行動や表情、よく見てあげてください。
「この人ならわかってくれる!」と思ってくれたら、さらに色々なメッセージを送ってくれるはずです。
そして、愛情深く。一緒に遊んであげたり、良いことをしたときは褒めてあげたりして、沢山の愛情を注いであげてください。
皆さんならどんな人に協調できますか?
こんな上司は怪訝されるなんて聞いたこともありますが、犬だって同じです。本来出来る限り無駄な争いは避け、穏やかに、安心して暮らしていくことが一番の希望なのです。
だからこそ、犬の家族、つまり私たちの行動や言動が重要になるのです。
犬と信頼関係を築くことは、お互いに快適に暮らしていくためにしつけ面からも重要視されています。 もちろんとても大切なことなのですが、それだけが目的ではなく、慈しみ、理解を深めて築かれていった絆は血のつながり以上に濃いものにもなり、一生の宝物になり得ると思います。
今一度ご自身の行動も振り返りつつ、ぜひ一番の理解者、安心できる存在で居続けてあげてください。