犬を飼い始めたら、誰でも「お手」や「おすわり」などの芸をしつけたいのではないでしょうか。
今回は、簡単そうに見えて実は難しい部分もある「お手」や「おすわり」などの芸のしつけ方をいくつかご紹介します。
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犬の芸の筆頭に挙げられるもの。それは『お手』ではないでしょうか?大体どの家庭でも教えている代表的な芸ですよね。でもなぜ皆さんお手を教えるのでしょうか?なんとなく教えている、犬といえばお手でしょ!なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、お手を教えることにはメリットもあるんですよ。まずは、犬が比較的覚えやすい芸であること。小さいうちは特に遊びの催促に片足を挙げて誘うことが多いんです。自然とお手をしているんですね。なので覚えやすい。覚えるということは後ほど書きますが、飼い主さんにほめてもらえる。飼い主さんとのコミュニケーションが深まっていくということになります。また、散歩の後に足を拭きたいですとか、爪を切りたいとかそんなときにもお手は有効な手段になることもあります。ぜひ犬に覚えてもらいましょう。
お手に限らず、どのしつけでもいえることですが、一度聞いて完璧に出来るそんな犬はまずいないと思ってください。なので、根気強く繰り返し行う必要があります。また、すぐにはできなくても怒らないようにしてください。しつけの時間は犬にとっても楽しいものでなくてはなりません。せっかく過ごす時間を犬が苦痛と感じていたら覚えることを放棄します。一緒に過ごすことから逃げ回ってしまう可能性もあります。しつけは犬とのコミュニケーションの大事な場。そこで信頼関係を培っていくように犬もしつけの時間を楽しめるようにしてあげましょう。もし、偶然でも出来たのならちゃんとほめてあげてください。犬はほめられることで覚えていきます。こうすると喜んでくれた、こうするとご褒美があった。そうやって少しずつ学んでいきます。最初は偶然出来たものがそのうちに犬の意思で行ってくれるようになります。なので、一度出来て、次のときに出来なくなってもまだ学習の途中だと考えて出来る頻度を増やせるように繰り返し行っていきましょう。
まずは正面に向き合い、犬の右手を優しく持ち上げながらはっきりとした発音で「お手」と言います。このときは犬を座らせて行うのがいいですね。犬の手を5秒くらい持っている事が出来たらほめてあげましょう。はじめはすぐに手を動かしてしまう子もいますが、手に触れられることに慣れてもらっていると思い、何度も行いましょう。そのうち触れられることにも慣れてきますので、そしたらこちらは成功です。次に持つのではなく、飼い主さんの手の平に自分から乗せてもらうようにしましょう。こちらも乗せるとき、乗せないときがあるかと思いますが、乗せたときはちゃんとほめてあげましょう。ただ、犬も何度もしすぎると飽きてしまい行わなくなることもあります。とくに成功が少なくあまりほめてもらえない状態のときは飽きやすくなりますので、そんなときは日を改めるなどして新鮮な気持ちで行えるようにケアしてあげてくださいね。
テレビ番組に出演するような天才犬でなくても我が家の犬はとってもかわいいからいいんです!確かにその通りです。やっぱり自分の家の犬が一番かわいいって思っちゃいますよね。でもだからといって好き勝手にさせておくのは愛情ではありません。家族や周りだけでなく、犬自身にも危険なこともあります。なので天才犬までいかなくても最低限のしつけは教えてあげましょう。しつけ=教育という構図はあっていますが、しつけ=かわいそうという考え方は間違っています。しつけは飼い主さんと犬の信頼関係構築の大事な時間です。かわいそうと思うのはしつけの方法が間違っているからです。飼い主さんも犬も楽しんで出来るしつけ方法お教えします。
おすわりは教えやすいです。犬も覚えやすいので、早い段階からしつけてあげてください。
まずは、おやつを手に持ち犬に見せます。
犬が興味を持ったら手を高く持ち上げます。
犬が手を追って高く見上げると・・・犬は座ります。
その瞬間に『おすわり!』と1回言ってから、座った直後におやつを与えます。
最後にちゃんとほめてあげます。
これを繰り返すことで、犬はおやつがなくてもお座りしてくれるようになります。
もともとの体のつくりから犬は上を見上げると座るようになっていますし、普段から座ることがあるので、教え始めてすぐにマスターできる子が多いです。このときにいっぱいほめてあげることが犬とのコミュニケーションが深まりますので、ぜひやってみてくださいね。
こんなに簡単に教えられる、覚えやすい「おすわり」ですが、そのほかにもいろいろ役に立つことがあります。まず、最大のメリットは犬の突発的な行動を防ぐことが出来ます。犬が急に飛びついてくる、急に走り出してしまう。犬なりの行動理由があるにせよ、それは私たち人にとっても、犬にとっても危険につながる可能性のある行為です。例えば散歩中に他の犬を見てリードをぐいぐい引っ張られているとき、「おすわり」というだけでリードの引っ張り合いをしなくてすみますね。
例えば散歩中の赤信号待ちのとき、「おすわり」をさせておけば、犬が何かに興味を持って走り出してしまうなんてことも防げますよね。そのほかにも犬にじっとしていてもらいたい場面は出てくると思います。そんなときに「おすわり」を覚えてくれているととっても助かりますよ。
「おいで」と声をかければ嬉しそうに駆け寄ってきてくれる。飼い主としてこんな喜ばしいことはないですよね。でも、おいでを教えることは私たち飼い主が喜ぶことだけではないんです。例えば犬が危険な場所に行きそうなときや、目の届かないところに行きそうになったとき、「おいで」と呼び戻すことが出来れば事故を防ぐことも出来るかもしれません。犬が興味津々で何かに向かって言っている際に「おいで」で犬の気持ちを飼い主さんに向けるようにするのは信頼関係がとても大事になってきます。ぜひ早いうちから教えておきたいですね。
犬は飼い主さんが大好き!皆さんの犬ももちろんそうだと思います。でも先述したとおり「おいで」は深い信頼関係が大事です。今まで以上に犬に好かれ、近くにいたいと思ってもらいましょうね。まずは犬とのコミュニケーションを深めてください。引っ張りっこやお散歩など効果的です。「おいで」に限らずしつけを教える上での大事な前提条件になります。犬の習性を変えるようなしつけでも犬と飼い主さんの間に深い信頼関係があるのであれば犬はきちんと覚えてくれます。
はじめはリードをつけて始めましょう。おやつを手に持ち、犬の鼻先につけて、手についてくるように誘導します。そのまま「おいで」といいながら後退していきます。犬もついてきてくれたら成功です。そして、止まります。犬も一緒に止まったところでおやつをあげましょう。これを何回も繰り返してください。このとき出来るだけ犬は飼い主さんの近くまで寄せて止めるようにしましょう。そして慣れてきたら少しずつ距離をとりながら「おいで」を繰り返しましょう。犬は「おいで」で近くに来るといいことがあると覚えてくれます。覚えてきたらリードをはずして行ってみる、いつもと違う環境で行ってみる、おもちゃなどのほかの誘惑があるところで行ってみるなどして、どんな状況でも「おいで」に反応できるようにしてみましょう。
ここで注意点としては、「おいで」で犬を呼んだ後の行動です。「おいで」で呼ばれたら爪きりをされたなど犬が嫌がる行動ばかりですと「おいで」=いやなことをされると思ってしまいます。爪切りなどで呼ぶことがあっても他の時には「おいで」の後にいい事があるようにしましょう。悪いことばかりではないと思ってもらうのが大事です。「おいで」は高度なテクニックですが、覚えてもらえるといざというときに犬の身を守ることにもつながります。ぜひ挑戦してみて下さい。