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犬を飼育する際にはしつけを行う必要性があります。
犬のしつけは、犬種や個体によって覚えてくれるスピードは違いますが、やり方さえ間違わなければしっかりと覚えてくれます。
犬のしつけは芸を教える事ではありません。犬のしつけとは人間との共同生活をスムーズにするためのルールを教えていく事です。
人間とは飼い主や家族だけではなく、散歩などで外出すれば、多くの人に触れ合います。また、外には車やバイクなど犬にとって危険なものがあります。
愛犬が外で出会う人に迷惑をかけないようにしたり、車やバイクなどと事故に遭わないようにルールを教えていく事が重要です。
犬のしつけには大きく分けて2つあり、それぞれの犬の特徴などに合わせて使い分けるようにします。
しつけをするべき犬の行動の1つとしては問題行動があります。
これは、無駄吠えや飛びつき、噛み癖など飼い主や家族として好ましくない行動の事です。
問題行動は全ての犬に共通するわけではなく、それぞれの犬によって変わってきます。
課題行動とは、飼い主や家族として愛犬に覚えてもらいたい行動の事です。オスワリやマテ、アイコンタクトなどがこれにあたります。
課題行動は問題行動と違って、全ての犬種に共通して教えていくものです。
犬のしつけは、子犬から始めるのが理想といわれます。
それは子犬は変な癖がついていないので、基本的に問題行動はなく、ほとんどが課題行動を教えていく事です。
では、成犬ではしつけはできないのかというと、そうではありません。成犬だと変な癖がついている可能性があり、課題行動と共に問題行動に対する矯正をしていく必要もあるので、時間がかかります。
ただ、犬は賢い動物なので、時間をかけてゆっくりと教えて行けばしっかりと覚えてくれます。
子犬はそれまで生活していた環境から新しい環境に連れて来られると大きなストレスを感じてしまう事があります。
なので、新しい環境に慣れるまでは2~3日はしつけをせずに環境に慣らしてあげてからしつけを行っていきます。
トイレのしつけの方法としては、サークルで一定の区域に動ける範囲を限定し、その中に新聞紙やペットシーツを敷きます。
これによってどこでトイレをしても失敗がなくなり、トイレをする=成功体験を経験する事になります。
これによってトイレはペットシーツや新聞紙の上で行う事と学習すれば、少しずつ範囲を少なくしていき、最終的にはペットシーツや新聞紙1枚になるまで少なくしていきます。
オスワリのしつけを行う際にはおやつやおもちゃなど、その犬が好きなものをご褒美として用意します。
おやつが好きなのであれば、おやつを鼻先に持っていき、おやつを認識させ、少しずつ上に持っていきます。
上の方を犬が向くように仕向けて行き、犬は上を向くのがきつくなると徐々に腰を下ろしていきます。腰を下ろしてお座りの状態になったら過剰なほど褒めてあげます。
これを繰り返していき、オスワリの言葉だけでオスワリができるようになったら成功です。
ご褒美を持ち、犬をオスワリの状態にして2秒待たせて褒めてから食べさせるようにします。2秒待つ事ができるようなったら、徐々に待つ時間を長くしていきます。
マテはすぐにはできない場合もありますが、1週間をめどにゆっくりと慣らしていくようにします。
おやつを犬の鼻先に持っていき、犬の注目がおやつに集まったら徐々に下に下げていきます。
下にもっていくと、犬も顔を下げていき、窮屈な体勢になるので窮屈さから徐々にフセの状態になっていきます。
お腹がついた瞬間に褒めてご褒美を与えます。これを繰り返して、最終的にはフセの言葉だけでフセの状態になるまでにしていきます。
甘噛みは子犬の頃によく見られる行為で、血が出るほど噛む事はほとんどありませんが、中には血が出るほど噛む事もあります。
また、甘噛みを放置していると徐々に強く噛んでいき、噛み癖として定着してしまいます。
それを防ぐために、甘噛みの段階で噛む事はいけない事だというしつけを行う事が大切です。
甘噛みのしつけとしては、無視が有効です。噛んだ瞬間から犬がいない事として過ごして10分ほど無視をしてから、再び接するようにします。
これを繰り返して、噛んではいけない事を学習させていきます。
また、噛んだ瞬間に叱る事も有効です。
犬にとって無駄吠えと呼ばれるものはないですが、飼い主や家族にとっては吠えられては困る場面で吠える事を無駄吠えといいます。
無駄吠えには天罰法が有効です。天罰法は、空き缶にビー玉などを入れて大きな音が鳴るようにして、犬から見えないようにして床などに落として大きな音で吠える事を止めさせる方法です。
吠えた瞬間に行い、やめる、また吠える、音を鳴らす事を繰り返して吠えなくなるまで行います。
しつけは子犬の頃から行う事が有効ですが、成犬でもしつけをする事はできます。ただ、子犬のしつけを行うよりも手間も時間もかかります。
やり方自体は子犬にしつけを行う方法との違いはありません。犬との信頼関係を築き、犬のリーダーとなり、良い事をすればしっかりと褒め、悪い事をすれば叱るようにしながら、ゆっくりと時間をかけながらしつけを行っていきます。
愛犬が家具やスリッパなどを噛んで困ってしまう事があります。そんな場合にはビターアップルが有効です。
ビターアップルは犬が舐めても大丈夫ですが、舐めると苦いので嫌がって噛まなくするというしつけのグッズです。
これは人の手や足にも吹きかけても大丈夫なので、噛み癖のしつけに使用する事もできます。ただ、一度舐めると効果が薄れるので、舐めたらもう一度吹きかけるようにしましょう。
犬のしつけは、良い事をすれば褒め、悪い事をすれば叱る又は無視をするようにして、犬にいい事がなにであるのかを理解させていく事が大切です。
いけない事をすれば叱る事は必要ですが、叩いたり蹴ったりなどの虐待行為はしないようにしましょう。