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犬のしつけの開始時期の目安ですが、結論から言うと「犬を迎えたその日から」開始して問題ありません。子犬を迎える平均的な月齢は2~3か月ですが、これを人間に換算すると3歳~5歳に相当します。生後約3か月までの時期は「社会化期」と呼ばれ、社会に順応していくためのルールを学ぶのに最適な時期です。それより早い月齢でも簡単な指示は理解できるので、早いうちからしつけをスタートさせてあげることが大切です。
犬のしつけというと「おすわり」「お手」などを思い浮かべる方が多いと思いますが、これらを覚えさせる前にしなければならない重要なことがいくつかあります。これから紹介する最も基本的なしつけをしっかり行うことが、犬との信頼関係を築くうえで必要不可欠です。
犬へのしつけを開始する前に、犬と一緒に暮らす家族間でしつけに関する共通のルールを話し合いましょう。お父さんの前でソファーに上がっても何も言われなかったのに、お母さんの前で同じことをすると叱られた…そんなことになったら犬は混乱し、何が正しいのか分からなくなってしまいます。リーダーを必要とし従いたい習性を持つ犬にとって、一貫したルールがあることはストレスの軽減にもつながります。どの部屋は入ってよいか、何は触って良いかなどまずは家族間でしつけの共通認識を話し合うことから始めましょう。
犬と遊ぶときや呼びかけるときには、アイコンタクトをたくさんしてあげるようにしましょう。様々なしつけを覚えさせるためには、まず飼い主の言うことに注目し、聞く姿勢を作らせなければなりません。遊ぶときや名前を呼ぶときなどにアイコンタクトを必ず行うことで、飼い主に注意を向ける癖をつけることがしつけ成功への第一歩です。
犬が自分の名前を覚えることは、しつけやコミュニケーションをとる上で欠かせません。最初は近くで名前を呼んで、振り向いたり反応をしたらご褒美(おやつやおもちゃなど)を与え、褒めてあげましょう。 慣れてきたら徐々に距離を離し、名前を呼んで飼い主の元へ来たら褒めてあげます。これを繰り返すことで、犬は自分の名前を認識できるようになります。
ここで覚えておきたいことは、「名前を呼んで叱らない」ことです。犬を叱るときにはついつい名前を呼んでしまいがちですが、犬が「名前を呼ばれる=叱られる」と認識してしまうと、名前を呼んでも飼い主に注目しなくなり、結果しつけが上手くいかなくなってしまいます。犬の名前を呼ぶときは、遊ぶときや褒めるとき、指示出しをするときなど「楽しいとき」にしてあげましょう。
特に子犬の時期は、歯の生え変わりの時期で歯茎がむず痒いこと、そして好奇心などから人の手や家具などをなんでも噛んでしまいます。可愛いから、痛くないからといって甘噛みを許してしまうと、成犬になってから人を傷つけてしまうなどのトラブルにつながる可能性があります。噛んでもいいおもちゃを豊富に用意したり、甘噛みをしたら遊びを中止するなど、子犬のうちから甘噛みは「してはいけないこと」としてしつけるトレーニングをしましょう。
子犬のうちから、体を触られることに慣れさせることも大切です。爪切りやトリミングを行う際に足先や口周りなどに触られることに抵抗感を持たないよう、たくさんスキンシップをとることを心掛けましょう。
トイレトレーニングには根気が必要です。トイレの場所をあらかじめ決めておき、犬が排泄をするそぶりを見せたら素早く移動させます。上手にトイレの上で排泄が出来たらたくさん褒めてあげましょう。初めのうちは何度も失敗してしまいますが、この時決して叱ってはいけません。「排泄行為=叱られる」と認識すると、飼い主に隠れて排泄したり、排泄自体を我慢するようになってしまいます。
犬は主人に褒められることが大好きな生き物です。早いうちからしっかりしつけを行い、上手にできたときはたくさん褒めてあげましょう。やんちゃな子犬の時期はしつけに苦労するときもありますが、愛情をもって接してあげれば、犬はきっとあなたの期待に応えてくれるはずです。