目次
生後8ヶ月のチワワは成長期を終え、成犬の仲間入りをする時期です。
もちろん成長には個体差があるので、遅い子は生後12ヶ月程度まで成長を続けますが、殆どのチワワがこの時期に成犬らしい風貌へと変化します。
ところがチワワはいくつになってもお調子者のため、この頃から注意しておくべき点が2つあります。
子犬期と比べると容姿が大人っぽくなり、弾丸のように走り回ることも少なくなるので、子犬特有の思いもよらぬ怪我やトラブルが減るのはこの時期です。
しかしその一方で、身体能力の成長や体力の増進により、無鉄砲な行動が増えます。
例えば、ソファやベッドの上から跳び降りたり、自分より大きな犬に挑んだりすることがあるでしょう。
チワワは性格こそ陽気で明るく、勇猛果敢ではありますが、骨格は華奢で気道も狭いので、チワワの気が済むまで好きに行動をさせていると、興奮して泡を吹いたり、無理な運動による怪我や骨折をしたりします。
なのでチワワがはしゃぎ過ぎる前に、飼い主さんが制する必要があります。
筆者のチワワは比較的冷静なチワワですが、筆者が指示を出さずにいると、散歩中に小鳥の鳴き声を聞いたり、ドッグランでお友達のわんちゃんと遊んだりしていると、誰よりも走り回ってはしゃいでいます。
このようなチワワの性格は、しつけによって抑制することができますが、あまり厳しく育てると個性がなくなるので、「お座り」「待て」等の基本的なことができれば十分でしょう。
チワワはとても賢い犬種なので、きちんとトレーニングをすれば最良のパートナーになります。
ただ、小柄な体格ゆえにしつけを怠る飼い主さんもいるので、飼い主を見下しているチワワも少なくありません。
チワワは飼い主を見下していると特に飼い主の指示に従わない犬種なので、チワワが体にダメージを受ける行動を取っても止めることができません。
チワワに限らず、犬は成長と共に過ごした環境によって自分の中のルールを作り上げるので、年齢を重ねた犬ほどしつけが難しくなります。
そのため、生後8ヶ月の子犬と成犬の中間の時期に、正しいトレーニングをする必要があります。
この時期にしておくべき詳しいトレーニングは、別途項目『8ヶ月のチワワに適切なしつけとは?トイレはできる?』にてご紹介しておりますので、そちらをご参考にしてください。
生後8ヶ月のチワワは人間年齢に換算すると、12歳程度といわれています。
人間の12歳は小学生や中学生に当たり、親御さんの世話になりながら大人になっていく少年・少女の時期です。
しかしチワワの世界では大人であり、野生であれば群れから独立をする時期に当たります。
それは、この時期の小型犬には既に繁殖能力があり、身体の成長が終わっていると判断されているためです。
そのため、一般的に小型犬は生後8ヶ月頃に去勢・避妊手術を行います。
もし去勢・避妊手術を行わずにオスとメスをペアで飼育すれば高い確率で子犬が誕生するでしょう。
私たち飼い主は、飼い犬をより身近に感じたり、加齢による病気を未然に防いだりするため、犬の年齢を人間年齢に換算することがあります。
しかし人間年齢の換算はあくまで目安であり、人間と同じ年齢として考えてはいけません。
人間の場合、同じ年に生まれたところで年齢を重ねる程に老いに差が出ます。
チワワはその老いがより早く、顕著に現れるので、「人間年齢に換算すると、まだ12歳だから健康」と判断してはいけません。
高齢期に突入した時に備え、この時期から健康への意識を飼い主さんが持っておくことが大切です。
生後8ヶ月のチワワの平均体重は、1.5~2kgとされています。
ただし、この時期は成長を続けているチワワもいれば、成長が終わりを迎えるチワワもいる時期なので、2kgを超えているからといって肥満ではありません。
そんなチワワの肥満のサインが2点あるのでご紹介します。
1つ目は、上から見た時にくびれが無いことです。
チワワに限らず、標準体重の犬を上から見ると、なだらかなくびれがあります。
生後8ヶ月を過ぎてもこのくびれが無く寸胴な場合は、肥満予備軍のため、食事量や運動量の見直しが必要です。
また、お腹が左右に出ている場合は、肥満の仲間入りを果たしているので、ダイエットが必要です。
チワワは骨が細く、関節も弱いので肥満は大敵です。
そして、2つ目の肥満サインは、身体に触れても肋骨の位置が分からないことです。
生後8ヶ月のチワワは既に成犬とあまり変わらない体型に成長しているため、胴体の両サイドを撫でるとあばら骨に触れる感覚があります。
しかし、肥満体型のチワワは身体に脂肪をたくさん蓄えているため、あばら骨に触れる事ができません。
これほど太ってしまうと、お腹が床に擦れたり、「ブヒブヒ」と呼吸がし難そうな息遣いをしていたりするので、日常生活にも支障が出てしまいます。
また、子犬の時期から太っている子は、大食や運動不足の癖がついてしまい、成犬になっても中々痩せられないので、この時期に平均体重を保つ努力をし、太らせないように注意をしましょう。
平均体重を超えていると、太っていると思われる飼い主さんも多いのですが、冒頭で少しお話したように成長が早い子がいるので、一概に肥満とはいえません。他にも、筋肉質な子や、体格が良い子などがいます。
実際に筆者が飼育している生後9歳のチワワは体重が3.5kgありますが、くびれがあり、肋骨の位置も触れて認識できています。
やはり、他のチワワと比べると筋骨隆々の大柄なチワワですが、チワワの祖先は野生の犬だったため、このような個体がいても決しておかしなことではありません。
チワワは華奢で小柄だからこそ、人気を集めている犬種ですが、筆者が飼育しているチワワのようにサイズが大きくなりそうだからと、食事量や運動量を減らすことは決してしないでください。
繰り返しにはなりますが、チワワには個体差があり、無理矢理子犬のような小さい体型を維持しようとすると、細くて弱い骨がさらに弱くなり、骨折や低血糖などのリスクを高めるので、決して無理はさせないでください。
生後8ヶ月のチワワは子犬と成犬の間にいるので、よく食べます。
とはいえ、欲しがるままに与えていると、先程お話したように肥満体型になってしまうので、飼い主さんは適切な食事量や食事の種類を知っておく必要があります。
以下では、生後8ヶ月前後のチワワを育てる上で意識しておくべきことをご紹介します。
チワワに必要なドッグフードの量は、チワワの年齢や体重によって異なるため、ドッグフードのパッケージに記載されている給餌量を参考に正しく計量し、適量を与えてください。
毎日、同じドッグフードを与えていると目分量でフードを用意してしまうこともあるかと思います。
しかし、これこそが肥満の原因となるため、ドッグフードの計量は必ずしてください。
生後8ヶ月のチワワは、生後3~6ヶ月程のときと違い、急激な成長をすることはないので給餌量については要注意です。
突然ですが、チワワの祖先はメキシコのテチチという地域の野生の小柄な犬です。
チワワは地元で「小さな戦士」という異名を持つほど、小さな体を物ともしない勇敢な性格をしています。
その異名が付いた由来は諸説ありますが、その一つとして、自分より大きな体の動物に対し、群れで襲い掛かり獲物を確保していたことがあげられます。
そのときの食生活が肉食だったので、チワワは特に動物性たんぱく質が多いドッグフードを選んだ方が健康に良いとされています。
また、体内のカルシウム量は生後1歳までにできあがり、以降は補わない限り減っていくといわれています。
華奢で骨が細いチワワにとって、この時期の骨の生成は非常に大切となるため、カルシウムが豊富に配合されているドッグフードやサプリメントを与えると良いでしょう。
日本で販売されているドライフードは、総合栄養食と呼ばれる栄養バランスに優れたドッグフードです。
しかし、4Dミートという品質の悪い肉を加工して作られたミートミールや肉副産物を使用しているドッグフードも多く販売されています。
そのようなドッグフードを生後8ヶ月の幼いチワワが食べ続ければ、体の基礎が丈夫に育ちません。
チワワの健康を長期間保つため、良質なドッグフードを2つご紹介します。
オリジンのドッグフードは地元の農産物を使用し、カナダの自社工場で製造をしています。
食品の安全性は折り紙付きで、人間の食品と同等の安全品質を得た食材のみを使用しています。
ドッグフードは鶏や七面鳥をメインに使用した製品が多い中、オリジンでは魚を主原料としたフードもあるので、好き嫌いをする子でも食べてくれる可能性が高いです。
筆者がこのドッグフードと出会ったのは、うちのチワワが生後5歳を過ぎた時でしたので、生後8ヶ月のときにはあげられませんでした。
しかし、全年齢対象のドッグフードなので、子犬期から与えることができます。
霧島鶏は南九州で育てられた鶏を使用したウェットフードです。
副食のため、これ一つでチワワに必要な栄養を確保することはできませんが、同じドッグフードばかり食べていては飽きてしまう子にトッピングとして与えると喜んで食べてくれますよ。
合成保存料や合成着色料といった体の負担となる添加物を一切使用しておらず、天然の食材を主体に作られているので安心してあげることができます。
チワワはとても利口な犬種なので、人間の言葉を理解し、その指示に従います。
ただ、利口が故に、一度自分より下位と判断した相手には決して従いません。
そのため、この生後8ヶ月前後のしつけが非常に大切となります。
とはいえ、どんなしつけをすれば良いのか分からない人も多いと思うので、最低限しつけておくべきことを3つご紹介します。
チワワに限らず、犬は自分より上位と判断した相手より先に食事をすることはありません。
そのため最初に教えるべきしつけは、「待て」です。
毎回、食事の度に「待て」と言い聞かせ、飼い主の指示が出るまで食事をしてはいけないことを教えてください。
そうすることで、利口なチワワは、「飼い主の指示に従わなければいけない。」と認識できます。
これがマスターできたら、「伏せ」を教えましょう。
犬が体を地面に伏せる行為は、「自分は相手より弱い」「戦意は無い」という意志表示でもあります。
そのため、チワワに伏せをマスターさせることは、犬と飼い主の主従関係をはっきりさせることに直結します。
うちのチワワは伏せをマスターしていますが、「いつか天下を取ってやる!」と思っている様で、筆者に元気が無いときは指示に従いません。
もちろん個体差があり、全てのチワワに該当するわけではありません。
私の育て方が甘かったので、うちのチワワは下克上を成立させるため、このような行動を取っていますが、飼い主の体調に関係なく指示に従うチワワもいます。
トイレについては、チワワに限らず、全ての犬種に該当しますが、トイレは犬にとって排泄とマーキングの2つの意味をもっています。
マーキングは子犬の頃には見られない行動であり、縄張りを意識するようになる生後8ヶ月くらいに開始される行動です。
この時期までにトイレの場所を教えておけば、排泄をすべき場所以外でトイレをした場合、いけないことをしたと犬に認識させることができるので、マーキングを抑制することができます。
ただ、生後8ヶ月を過ぎてもトイレのしつけはできるので、自宅に迎えた時期が生後8ヶ月を過ぎていたとしても、トイレのしつけについて問題はありません。
子犬の時期より覚えるまでに時間と労力は必要となりますが、諦めずに根気よく教えてあげれば覚えられます。
チワワはとても賢く、小狡いところのある犬種なので、しつけには根気がいります。
根負けしてしつけを途中で止めてしまったり、小突いたりする飼い主さんもいますが、これら2つの行動はしつけをする上で、チワワが人間を見下す行動を取る原因になります。
また、生後8ヶ月のチワワは子犬期に比べると身体がしっかりとしてくるので、飼い主さんが慣れを感じ始める時期でもあります。
生後2~3ヶ月の子犬の時期は触るのもはばかられるほど、丁寧に扱っていても、生後8ヶ月頃になると初心の頃の丁寧さは欠けてしまいがちです。
そんな時、しつけが上手くいかずに、思わず叩いたり、払ったりする飼い主さんもいらっしゃいます。
しかしチワワはちょっとした衝撃で脳震とうやてんかんを引き起こしてしまうので、決して手を上げないで下さい。
稀に「うちのチワワは筋肉質だから叩いても大丈夫!」と話す飼い主さんがいますが、愛犬からの信頼を失うので真似してはいけません。
生後8ヶ月のチワワは顔も身体もしっかりしてくるので、大人の仲間入りを果たしたと勘違いされがちですが、心の中は未だに子犬です。
成犬扱いするのも大切ですが、甘えてきたときは目一杯子犬扱いをして可愛がってあげてくださいね。
そんな可愛がられ方を嫌がるようになったら、大人になった証拠なので喜んであげて下さい。