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救急車のサイレンの音がすると、突然窓に向かって遠吠えを始めたり、救急車には反応しないけど、夕方のチャイム音に反応して遠吠えをはじめるトイプードルなどサイレンの音に反応して遠吠えが始まることが多くあります。
一方でサイレンの音には反応しないけれど楽器や音楽に反応して、歌いだすように遠吠えをするトイプードルをテレビや動画で観たことがある人も多いと思います。
救急車のサイレンに反応して遠吠えを始めたように見えて、実は近所から聞こえてくる他の犬の遠吠えに反応している場合もあります。
ではどうしてサイレンの音に反応してしまうのでしょうか?
遠吠えの周波数は、救急車やパトカーのサイレン音の周波数に、非常に似ているので反応していると言われていてます。犬は仲間に危険を知らせ、群れを守れという連絡方法の1つとして遠吠えを始めます。
犬の聴覚は人の4~10倍で音の強弱については16倍もあり、人が聞こえない音も犬の周波数に合う音なら聞き取ることができます。
また飼い主に危険知らせるために遠吠えを始めるとも言われていますので、遠吠えはトイプードルが本能的に反応してしまった結果ではないでしょうか。
犬を飼っている家が多い地域で遠吠えの大合唱を聞いたことがありませんか?犬は遠吠えに連鎖反応する性質があります。
これは犬の先祖であるオオカミが、仲間を呼ぶために遠吠えすることでも確認されていますので、遠い昔オオカミだった頃の名残でしょう。
ペットとして改良が進んだ犬種になるほど遠吠えをしない、オオカミに近い犬種は遠吠えをするという傾向もここに理由があるのかもしれません。
そもそも群れで生活していた犬はひとりぼっちになる留守番が得意ではありません。
飼い主さんの帰りを待つ留守番は、甘えん坊なトイプードルにとって寂しくて不安でいっぱいになります。この不安な気持ちを遠吠えをすることで解消している場合があります。
不安を紛らわすための遠吠えですので、30分程度で遠吠えが収まるようなら問題はありませんが、留守番の間ずっと遠吠えしているトイプードルは分離不安症というという病気の可能性もあります。
分離不安症かもしれないと思ったら日頃の接し方を振り返ってみましょう。飼い主さんがトイプードルとの接し方を変えるだけでよくなる場合もあります。トイプードルの擬人化を止めることも重要です。
分離不安症は治療が必要な病気なので、しつけで治る問題ではありません。まずはかかりつけの獣医師に相談しましょう。
人間と同じように高齢化が進んできたことにより、トイプードルの世界でも高齢が原因で起こる遠吠えがあります。これはいわゆる「認知症」による遠吠えです。この遠吠えも獣医師に相談してください。
どの位の時間遠吠えをしているのか、ビデオ録画やWEBカメラを設置することで簡単に確認することができますので心配になったら1度試してみましょう。
不安を取り除くことが重要ですので、飼い主さんが一緒に不安になってしまうことのないように、心に余裕を持って接してあげてください。不安は愛犬に伝わってしまいます。
不安になる気持ちが伝わると、愛犬の状態が悪くなることはあっても、良くなることはありません。「まあ、なんとかなる」くらいのラクな気分で接してあげてくださいね。
朝の遠吠えをするトイプードルで最初に見直して欲しいのが朝ご飯の時間です。お腹がとても空いているのではないでしょうか?
前日の夜から時間が開きすぎてお腹が空いてしまった、量が少なかったことはありませんか?
この場合はフードの量と朝ごはんの時間を変えることで遠吠えを防止することができます。
一度フードの適切な量を確認してみましょう。
でも食べ過ぎにならないように注意してください。
夜は飼い主さんも家族と団らんや趣味の時間、TVや映画を観たりと自分の時間を過ごすことが多くなり、トイプードルには退屈な時間帯になります。
暇だからかまって欲しい、もっと遊んで欲しい時、トイプードルは遠吠えをして飼い主の気を引こうとします。
遠吠えをすることで飼い主の気を引くことができ、かまってもらえる事がわかると、この体験を学習してしまい、今度は気を引くために遠吠えを繰り返すことになってしまうのです。
この場合の遠吠えは止めさせるのは「無視をする」ことが一番です。遠吠えをしてもかまってもらえないことを再度覚えさせましょう。
人間もトイプードルも「自分にとって快い」はすぐ学習できますが、逆に「不快」に思うことはなかなか覚えられないものです。
ですから焦らずに、遠吠えをしても飼い主はかまってくれないことを理解させます。遠吠えを無視をしたあとは、遠吠えをしないときに十分褒めてあげてください。
楽しくてテンションが上がってしまい遠吠えをしてしまうトイプードルがいます。よく聞いてみるといつのも遠吠えと声の調子が違って明るい声に聞こえるかもしれません。
長い留守番から飼い主さんが帰って来た時などに、このような遠吠えが始まります。飼い主さんもなんとなく自分を待っていてくれたことに嬉しくなって「いい子だったね」「お留守番できてえらいね」と言って褒めていませんか?
でも、この場面では褒めることは逆効果です。飼い主が帰ってくるたびに遠吠えするトイプードルになってしまいますので注意してください。
遠吠えをすることで楽しくなり、ますますテンションが上がって遠吠えをしてしまう犬もいますし、遠吠えをするとスッキリしてストレス解消になるのでクセになってしまっている犬もいます。
ストレスが原因で遠吠えをしているトイプードルの場合も、原因を取り除かない限り遠吠えは治りません。日頃から愛犬の状態を観察、把握しておきましょう。
室内飼育で体が小さいトイプードルでも、遠吠えの声はご近所さんには騒音として聞こえているかもしれません。これは飼い主さんにとっては非常に頭の痛い問題です。
トイプードルの遠吠えを止めさせる何かいい方法はあるのでしょうか?
結論からいうと、遠吠えを完全に止めさせることは基本的にできません。特に救急車のサイレンの音など本能から出る遠吠えは難しいかもしれません。
サイレンの音には反応するトイプードルとそうでない仔もいますので、愛犬の状態をよく観察して、どのサイレンの音に反応をするのか探ってみましょう。
遠吠えを止めさせるしつけの1つとしてに、遠吠えを始めたらそっと側によって撫でてあげたり、何か話し掛けてあげることで気をそらせる。これで意外と簡単におさまってしまうことがありますので試してみてください。
トイプードルが遠吠えをを始めたらオモチャを与えたりして気をそらすような何かをしてみるのもよいでしょう。
現代社会の住宅環境では、犬の遠吠えは他の人への迷惑になることがあります。しかし本能からくるものを制御させるとなると大きなストレスになり、人も犬も互いにしんどくなってしまいます。
まずは愛犬がどうして遠吠えしているのかを探り当て、その原因が解消できることであれば、飼い主さんがしっかりと対処してあげましょう。
また、普段からご近所さんと友好な関係を築いておくことも大切です。