犬にトマトを与えるのはダメ?その理由と対処法紹介!

犬にトマトをあげても大丈夫?

私たち人間が普段サラダとしてだけでなくスープなど様々な形でなんとなく食べている野菜である「トマト」ですが、実は犬に与えても特に問題は無いとされています。

トマトはもともと中南米が原産のナス科の野菜で、品種が非所に多く、世界中に何千種類物トマトが存在しています。また、トマトは「βカロテン」「リコピン」「ビタミンC」「ミネラル」などの栄養素も豊富な我々人間にとってはメリットのある成分を多く含んだ野菜です。

しかし、犬に与えて良いとされるトマトは「完熟している赤いトマト」に限ります。

その理由はなぜなのでしょうか。

なぜ、犬にトマトを与えてはいけないの?

犬に与えるトマトは「完熟している赤いトマト」に限る理由については、未熟なトマトに含まれる「トマチン」という成分に注意が必要だからです。

この未熟な緑のトマトに含まれる「トマチン」は、アルカロイドという有機化合物の一種で、ジャガイモの芽に含まれるソラニンにも同様の成分が含まれています。このトマチンには毒性があり、犬にとって相性が悪いとされているので、未熟な緑のトマトは犬に与えない方が良いということです。

また、このトマチンは未熟なトマトの実だけでなく、トマトの花や葉、茎にも含まれています。植物はこのような毒性を持つことで虫から身を守っているのです。

このことから、犬に与えても良いとされるトマトは完熟している赤いトマトだけで、その他の未熟な緑のトマトや花や葉や茎部分などは中毒症状を引き起こす引き金になりかねないので与えないようにしてください。

犬がトマトを食べるとどんな症状がでる?

栄養もあり、犬も食べることが出来るトマトですが、稀にアレルギー症状を起こす犬もいるようです。

特に、ブタクサやスギなどのアレルギーを持っている犬は、トマトに交差反応を起こしてしまう場合があるのでそこは注意点となります。

交差反応アレルゲンとは?

ある種の動物たんぱく質に反応を示す場合、主の近い動植物のたんぱく質にもアレルギー反応を示すことをいいます。たとえば、ブタクサのアトピーを持つ犬に対して交差性のあるアレルギーはリンゴやバナナ、メロンやトマトです。ブタクサのアトピーを持つ犬がリンゴを食べたからと言って必ずしもアレルギー症状を起こすわけではないのですが、アレルゲンレベルを上げてしまうことになります。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 震え
  • 体のかゆみや腫れ
  • など

もし、上記のような症状が見られたらトマトを与えるのはやめて、しばらく様子を見ても様子がおかしいままの場合は即刻かかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。

また、ヒトがトマチン中毒を発症した場合、赤血球が破壊され、「頭痛」、「嘔吐」、「下痢」などの症状を発症することがあります。そもそも、犬が緑のトマトを好んで食べることがまず少ないのですが、念のために緑のトマトを与えることは避け、完熟した赤いトマトを食べさせてあげるようにしましょう。

犬がトマトを食べてしまった!危険な量とは?

緑の未熟なトマトに含まれるとトマチンの毒性については、マウスの腹腔内に投与した時の半致死量(LD50)が32㎎/kgであり、これを単純に50㎏のヒトに換算すると、半致死量は1600㎎(1.6g)になります。(※マウスとヒトで効果が同じかは明確に出ていません。)

この量の完熟果実では4000kg(4トン)、熟した青い果実では33kg、未熟果実では3.4kgに相当します。中ぐらいのサイズのトマトは約100gなので、未熟果実でも34個を一挙に食べないと半致死量には達することはありません。通常そのような場合はまず考えられないようです。

また、通常の赤いトマトの場合の犬に与えても良い適正量は、1日の食事の10%ほどの量までだとされています。これはドッグフード以外のプラスする食材全て合わせた分量です。そのため、1日にの食事量が150gであれば、トマトの適正量は15gになりますが、ほかにレタスを10g加えるとするならばレタス10gでトマト5gという配分になります。

犬がトマトを食べてしまった時の対処方法!

もし誤って愛犬がトマトを食べて体調を崩してしまった場合、前述したトマチンなどの有害な成分の摂取か、アレルギー、初めて食したなど、様々な原因が考えられます。そのため、動物病院へ連絡し、「何を」、「どの程度」、「いつ食べたのか」をきちんと説明しましょう。

食べてからの時間にもよりますが、病院ではまず吐かせる処置を行います。胃洗浄を行うこともあるかもしれませんが、毒素を吸着させるための吸着単を与えたり、失ってしまった分の水分補給(点滴)をします。

もしすぐに受診ができない環境の場合、自宅で吐かせる手段として、「オキシドール」を使います。

市販されているものは大体3%溶液のオキシドールだと思いますが、念のため確認をしましょう。

また、自発的には飲み込んでくれないので、犬の体重1㎏あたり1~2mlのオキシドールを口の端からスポイトやシリンジで注ぎ、口先をつかんで上を向かせる方法で飲み込ませます。

オキシドールを飲んですぐ吐くこともありますが「、10~15分ほど経つとよだれが出てきて吐くようなしぐさをしますが、それでも誤飲したものが出てこなければ、再度オキシドールを飲ませます。

これを2~3回繰り返しても吐かない時は、処置を中断して病院へ連れて行きましょう。

いかがでしたでしょうか。

赤い熟したトマトについては特に問題なく犬に与えても良さそうではありますが、緑の未熟なトマトについては与えるのは控えた方が良いでしょう。

栄養価もあるため、与えて損をするということはありませんが、犬の健康的な食事については市販のドッグフードを与えることで普段の生活や成長に必要な栄養は十分であったりします。

なので、必要な食べ物では無いということを念頭に置いて、あくまでたまに適量を犬の身体に無理のなく健康を維持できる量を与える程度にしておくと良いでしょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演