生後8ヶ月のトイプードルは反抗期?ご飯やトイレのしつけ方法は?

生後8ヶ月のトイプードルの年齢は?

犬は人間と比べて幼齢期の成長スピードが早いです。1歳で人間の15歳、2歳では24歳に相当すると言われており、その後はおよそ4年ずつ年を重ねていきます。

現在、トイプードルを始めとする小型犬の平均寿命は15~16歳と言われており、人間の平均寿命を80年と考えると、小型犬は人間の平均寿命と大差ない計算になります。

トイプードルは平均7~8ヶ月、早い犬では6ヶ月で性成熟を迎えます。このことから、生後8ヶ月のトイプードルは性成熟を迎える月齢に当たり、人の年齢に換算すると10~14歳に該当します。

生後8ヶ月のトイプードルのトイレのしつけ方法とは?

生後8ヶ月のトイプードルがトイレを所定の位置でできない場合、以下の2つの原因が考えられます。

トイレができない理由1.トイレまたは周辺の環境に不満がある

飼い犬がトイレ自体やその周りの環境に不快感を抱いていると、トイレを失敗することがあります。

この場合の一般的な理由は、リビングや廊下等の賑やかな場所にトイレがあるために落ち着いて排泄ができなかったり、トイレが汚れていたりして使いたくないことが挙げられます。

このような場合は特別なしつけをするよりも、トイレを静かなところへ移動したり清潔に掃除をしたりする等の対処を取る方が有効です。

またトイレではない場所にいつも粗相をする場合、犬がその場所をトイレと決めている場合があるため、トイレトレーやトイレシート等を設置すると、所定の位置で排泄ができるようになる場合があります。

トイレができない理由2.反抗期

これまではきちんとトイレで排泄ができていた犬が突然粗相をする場合、反抗期が考えられます。

トイプードルの反抗期は生後6ヶ月以降から始まり、通常1歳までに落ち着くことが多いです。しかし長い場合は2歳程度まで続くことがあります。

反抗期にはトイレの失敗以外にも、無駄吠えをしたり飼い主に噛みついたりする等の問題行動を起こす特徴があるため、他にも反抗期と思われる行動をしていないか、よく観察して下さい。

もし反抗期の可能性があれば、その行動は一時的な問題行動のため、それ程気に掛ける必要はありません。

但し、この時期の飼い犬の行動は反抗期特有の飼い主さんへの反抗心より、「飼い主さんの愛情を確かめたい」「構って欲しい」という心情から行動しているケースがあります。

飼い犬が粗相をした際、飼い主さんが慌てたり飼い犬を構ったりすると、飼い犬は粗相をすると構ってもらえると学習してしまいます。飼い犬に誤解をさせないため、飼い犬が粗相をした時は冷静に対応をし、無視をして下さい。

次第に飼い犬は粗相をしたら構ってもらえないことを学習します。反抗期は一時的なものですが、飼い主さんの行動次第で長引くこともあるため、正しい対応で接しましょう。

生後8ヶ月のトイプードルが吠えないためのしつけ方法とは?

生後8ヶ月のトイプードルが吠える場合、まず原因を知る必要があります。

突然吠えるようになった場合は、反抗期による行動であることが考えられます。この場合は前述同様、執拗に構うと犬を喜ばせてしまうため、吠えている間の対応は無視をすることが適切です。

また吠える以外に、噛んだり引っ掻いたり等の問題行動が見られる場合は一喝して下さい。この時期の子犬に時間を掛けて叱ると「構ってもらって嬉しい」と思わせてしまうため、時間をかけて叱ってはいけません。

そして、吠える以外の問題行動が見られない場合は、吠えなくなってからは普段通りの接し方で問題ありません。

無視という行動は、吠えても構ってもらえないことを飼い犬に学習させるために行うしつけの一環です。普段から飼い犬に冷たく当たってしまうと、飼い主さんからの愛情を感じられなくなり、逆効果になります。

また、無駄吠えは発情期が原因の場合があります。これは避妊や去勢を行っていない犬に見られる行動です。

発情期は性成熟と共に始まり、その時期は生後7~8ヶ月が一般的です。発情期も反抗期同様、一時的な期間のため、2週間程度で落ち着きます。しかし発情に伴うストレスを軽減させたい場合は、不妊手術を検討して下さい。

その一方で最も問題視すべきパターンは、吠えるという行動が幼い時から続いている場合です。この場合、飼い犬は吠えると構ってもらえることを既に学習しています。

一般的に犬のしつけは、生後6ヶ月以内が最適とされており、この時期に吠えないためのしつけをすると時間と手間をあまり掛けずに済みます。とはいえ、生後8ヶ月はまだ望みがある時期のため、根気良くしつけましょう。

また飼い犬が吠えたら、無視を徹底して下さい。群れで生活する習性がある犬にとって、リーダーや仲間に値する飼い主さんや家族に無視されることはとても悲しく、辛い仕打ちです。

特にこの時期の犬は子供っぽさが残っているため、親代わりとなる飼い主さんに無視されることを嫌がり、執拗に甘えてきます。その時の甘え姿はとても愛くるしいですが、良好な関係を築くために飼い主さんは辛抱して下さい。

生後8ヶ月のトイプードルの反抗期とは?

トイプードルは人間同様、反抗期が見られる場合があります。しかし反抗期は個体差が如実に現れるため、時期や回数等に違いがあり、見られる特徴やその程度も一様ではありません。

但し、初めての反抗期は社会化期が落ち着く生後6ヶ月以降に訪れることが一般的です。社会化期とは、警戒心や恐怖心よりも好奇心が大きく、例えるならば心の扉が開かれているような時期です。

その社会化期が落ち着くと自我が芽生え、警戒心や恐怖心が徐々に大きくなると共に、飼い主や親犬の指示に従うことに抵抗を始めます。自然界であれば、大人になれば群れから出ていく必要があるため、必要な時期です。

しかし人間と共存する場合は、最低限のルールを守って同じ家で生活するため、問題行動を起こした際は前項でご紹介したしつけが必要となります。

生後8ヶ月のトイプードルは反抗期に当たるため、今まで以上に心してしつけをする必要があります。とはいえ、初めて犬の反抗期を目の当たりにした場合、どの様な行動が反抗期であるか判断が付かないでしょう。

そこで、トイプードルの反抗期の特徴をご紹介します。以下の5つの行動を参考に、飼い犬の問題行動をチェックして下さい。

  • 警戒によって吠える
  • 飼い主を無視するまたは、呼んでも来ない
  • 気に入らないことがあると怒る
  • ご飯を食べない
  • トイレ以外の場所で排泄をする

これらの行動が見られた際、飼い主さんは飼い犬に動揺を見せず、毅然とした態度を取りましょう。また、飼い犬がご飯を気に入らない等の理由で怒っている時は従わず、無視をしましょう。

反抗期に飼い主さんが飼い犬の態度に従うと反抗期が長引いてしまい、その後は自分勝手で協調性のない犬になりがちです。

但し、ここで注意して頂きたいことが2点あります。対応を間違えるとトイプードルに身体的な負担を与えてしまうので、必ず読み進めて下さい。

反抗期中のトイプードルへの対応の注意点1.無視と放置を誤認しない

筆者がトイプードルの反抗期について相談を受けた際、反抗期特有の問題行動が見られた時は無視をするように説明をします。しかし飼い主さんによっては、無視と放置を誤認されることがあります。

トイプードルに無視をする場合は、犬の行動に問題があった時に無視をし、その行動が落ち着いたら普段通りの対応を取って下さい。

一方の放置とは、問題行動を取ったことにより、その行動が落ち着いても無視をし続けることです。飼い主さんがこの行動を取ると、飼い犬は精神的なダメージを受け、構って欲しさに更なる問題行動を引き起こします。

また、ご飯が気に入らないために食事を摂っていないと飼い主さんが判断し、甘やかさないためにいつもと同じドッグフードだけを与え続けた結果、丸5以上、フードに口を付けていない状態が続いた犬がいます。

さすがに異変を感じた飼い主さんはウェットフードを与えたところ、食事を摂り始めました。その犬は椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)による体の痛みから、ドライフードのような硬い物が食べられませんでした。

椎間板ヘルニアは足を引き摺ったり、浮かせたりする様子が見られるため、普段から犬の様子を観察していれば異変に気付きやすい病気です。

無視は簡単そうなしつけですが、その合間には飼い犬の様子を観察しなければいけない難しい対応です。放置にも似た態度を飼い犬に取り、体調の変化を見逃さないように注意して下さい。

反抗期中のトイプードルへの対応の注意点2.叱らずに無視をしましょう

飼い犬が吠えたり粗相をしたりした際、決して怒ってはいけません。飼い主さんは冷静に、飼い犬に何が悪かったのか教えてあげましょう。

犬は行動を起こした直後に叱られると、その行動に対して飼い主さんが指示をしていると理解できます。しかし、飼い主さんが飼い犬を叱るタイミングは、その行動に飼い主さんが気付いた時です。

そのタイミングで叱られたとしても、飼い犬は何に対して叱られているのか理解することができません。

理解できていない状態で飼い主さんが叱ると飼い犬に恐怖心を与えてしまい、トラウマになることもあります。一度生まれたトラウマが無くなることは珍しく、臆病な性格になることもあります。

飼い犬が問題行動を起した場合は、現場を押さえた時を除き、叱ることは控えて無視をしましょう。小型犬は大型犬に比べて反抗期が早く始まりますが、終わるペースも早い傾向があります。

犬のしつけの最終試験と思い、正しく対処をしましょう。

生後8ヶ月のトイプードルがご飯を食べない?

生後8ヶ月のトイプードルがご飯を食べない場合も、まずは反抗期が考えられます。

しかしお気に入りのご飯やおやつをすぐに与えたら改善は見込めないでしょう。むしろ飼い犬は気に入らないものを食べなければ好きなご飯が出てくると学習し、反抗期が長引きワガママな性格になります。

前項でご紹介した反抗期特有の問題行動が見られる場合は、直ぐにお気に入りのご飯やおやつ等は与えず、様子を見て下さい。反抗期中もお腹は空くため、ご飯が気に入らない場合は2日目から食べることが多いです。

それ以上食べない場合は、既存のドッグフードに少量のお湯を入れて匂いを引き立たせたり、ウェットフードをトッピングしたりする等、工夫を加えると食べることがあります。また、運動量を増やすことも効果的です。

しかし、ご飯が気に入らないという理由以外にも、ご飯を食べない場合があります。

犬がご飯を食べない場合、体調が悪いことも大いに考えられます。飼い犬にいつもより元気が無かったりうんちが緩かったりする等、異変を観察して、問題があれば獣医師に診せても良いでしょう。

飼い犬がご飯を食べない時はいつも通り元気はあるか、反抗期の行動が他にも見られないか等をよく観察し、原因を見極めて対処をしましょう。

生後8ヶ月のトイプードルの適切な体重は?肥満の基準はどれくらい?

生後8ヶ月のトイプードルの適正体重は、およそ3,300~3,400gが一般的です。この体重は基準であり、多少誤差があっても適正でないとは言い切れません。

同じトイプードルでも大きい個体と小さい個体がいます。同じ生後8ヶ月のトイプードルであっても、2kg後半の犬もいれば3kg後半の犬もおり、体重にはかなりの幅があります。

しかし体重が重いからといって肥満とは一概に言えません。大切なのは適正体重よりも飼い犬の体格を知り、痩せ過ぎもしくは太り過ぎていないかを見極めることです。

以下では飼い犬の肥満度をチェックするため、ボディ・コンディション・スコア(BCS)という評価方法についてご説明します。

ボディ・コンディション・スコア(BCS)とは?

BCSは犬の肥満度を評価するための目安として用いられています。BCSは5段階で評価し、飼い犬のグレードを確認することで食事や体重の管理をします。

一般的にBCS3が理想体型、1に行くに連れて痩せ、5に行くに連れて肥満となります。飼い犬がBCS3以外の場合、食事の量を調節することによりBCS3に近付けることが理想です。

BCSの評価方法と値

BCSの評価方法は、まず飼い犬を全体的に触り、肋骨が触れるか否かを確認します。

さらに上からおよび横から観察し、上から見て肋骨後方の腰にくびれがあるか否か、横から見てお腹から足にかけてお腹が吊り上がっているか否かを確認します。

そしてBCSの具体的な値は、以下の特徴で分類されます。

BCS1 痩せ型

肋骨や背骨が目で見て分かる程、浮き出ています。くびれ、吊り上げが顕著であり、見て分かる程に痩せています。今すぐ食事管理が必要な状態です。

BCS2 やや痩せ型

肋骨が容易に触れます。くびれ、吊り上げが明瞭であり、飼い主さんによっては筋肉質と勘違いする場合があります。見た目は美しいのですが、食事管理をする必要があります。

BCS3 標準体型

余分な脂肪が無く、肋骨が触れます。くびれ、吊り上げが確認でき、最も健康的な体型です。現状維持を目標に日頃のケアを続けましょう。

BCS4 やや肥満型

脂肪がやや多いが、肋骨が触れます。くびれ、吊り上げはややあるが明瞭ではありません。見た目は可愛らしいのですが、ぽっちゃりしているので食事制限が必要です。

BCS5 肥満型

脂肪が多く、肋骨を容易には触れません。くびれ、吊り上げはほとんど見られないまたは、無い状態です。お腹は垂れ下がっていることもあり、危険な状態です。今すぐ食事制限と適度な運動が必要です。

市販のドッグフードのパッケージに従って食事を与えても、太り気味や痩せ気味になる犬がいます。ご自宅のトイプードルの肥満の程度を知り、現在の食事量を正しく調節して与えましょう。

生後8ヶ月のトイプードルの適切な運動量とは?

トイプードルは室内犬のイメージが強いものの、本来は運動量が多い犬種です。理想的な散歩の目安は1日1時間とされています。そのため、悪天候や多忙により散歩へ連れて行かれない日は多めに遊んであげましょう。

また小型犬は骨が弱い犬種が多く、トイプードルも例外ではありません。運動不足が続くと骨や筋肉が弱くなり、結果として運動機能が低下し、病気になるリスクが高くなります。

そのため、生後8ヶ月という若い月齢から十分な散歩や室内で遊ぶことが大切です。

トイプードルの生後8ヶ月は反抗期や発情期を迎えるため、飼い主さんにとって大変な時期です。さらに問題行動の背景には病気が隠れていることもあります。そのため、飼い犬の行動に変化が見られたら、よく観察しましょう。

また生後8ヶ月は食べ盛りでもあります。肥満や運動不足は将来的に病気の原因にもなり得るため、まだ若いから大丈夫と油断せず、日頃から飼い犬の健康管理を徹底しましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演