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犬の条虫症(じょうちゅうしょう)は、条虫と呼ばれる扁平動物が、犬の小腸に寄生することによって生じる症状全般のことです。寄生する条虫は「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)」、「豆状条虫」、「エキノコックス」などがあげられます。
感染してもほとんど無症状であるが、複数の条虫が寄生すると、下痢や軟便、食欲不振、毛づやの悪化などの症状がみられることもあります。また、肛門周辺を壁や地面にこすりつける、肛門周辺を舐める、肛門周辺に白い片節(へんせつ)が見られる、などの現象がみられる。
瓜実条虫の場合は、瓜実条虫症に感染した犬の便についた片節をノミが食べ、そのノミを口にすることで感染します。主にグルーミングの際に生きたノミまたはノミの死骸を口にしてしまうことがある。
豆状条虫の場合は、虫を保有しているうさぎやげっ歯類を捕食することで感染します。
エキノコックスの場合は、腸内に寄生し感染力が強い虫卵を何百も生み出し、水や食物を通して感染します。犬は感染しても無症状であることが多いですが、人間が感染すると致死的な疾患になることがあります。
条虫症の治療方法としては、確実な駆除作用を持つ薬剤の投与が一般的です。また、条虫感染の原因となるノミの駆虫を同時に行うことも重要です。これらは動物病院で処方されています。
条虫症の予防方法としては、ノミの感染を防御することです。具体的には、ノミ駆除薬の投与、部屋をこまめに掃除する、薬用シャンプー、殺虫剤の噴霧などです。