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飼い猫が何らかの理由で体に傷ができて、その傷口を舐めないようにエリカラ(エリザベスカラー)を付けられた時にだけわかることがあります。そう、毛が汚れてくるのです。グルーミングを毛皮のメンテナンスと呼ぶ人がいますが、確かにその通り。グルーミングはいろいろな役割を果たしていますが、その一つとして、抜け毛や毛に付いたゴミを取り除いて清潔に保つということがあります。だから、猫の場合は基本的にはシャンプーはほとんどと言っていいほど必要ないのです。(ただし長毛の猫を除く)
猫に舐められると被毛のない人間は痛く感じますよね。猫の舌は小さな突起が喉の方向に向かって生えているので、とてもざらざらしています。この突起のおかげで水を上手に飲んだり、お皿をきれいに舐めたりできるのですが、グルーミングの時には舌がブラシの代わりにもなっているのです。そのために、自分の被毛も一緒に飲み込んでしまうのは仕方がないこと。そして、多くの猫は飲み込んでしまった毛を毛玉として吐き出しますが、時々、うまく吐き出せなくて苦しそうにすることがあります。苦しそうにしている姿は、つらいですよね。そうならないために、お勧めできるフードを探してみました。
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猫はグルーミングで飲み込んだ毛を胃袋でためて丸くして吐く、と思い込んでいる人もいますが、そうではありません。短毛種の猫はほとんど吐くことはなく、便と一緒に体の外に排出します。吐かないからと言って病気ということではありません。気になるようでしたら、排出された便をほぐしてみればわかります。
また、吐くからと言って具合が悪いわけでもありません。猫にとって毛玉を吐くことは人が考えるほど苦ではなく、自然なことなのです。
しかし、元気も食欲もなく、水も飲みたがらず、便秘もしていて、吐きたいのに吐けないという様子がみられたり、おなかを触られるのを嫌がるようなら、すぐに動物病院で診てもらってください。毛球症の可能性があります。早期なら適切な薬を処方されて回復することができますが、ひどくなれば開腹手術が必要になります。
もともと吐きやすいと言われている猫ですが、無理に吐かせようとしないで、消化管の働きをよくする毛玉ケアなどの機能性フードを与えるのも良いでしょう。特に高齢猫などは吐く力も衰えてくるので、毛玉ケアのサポートは必要になってきます。
表立って毛玉ケアと書かれていなくても、食物繊維がたくさん含まれているフードなら、食物繊維の量が増えるだけでも消化管の動きをよくするので、被毛を吐くことなく便と一緒に排出することができます。
ドライフードも小さい丸い粒の方が胃腸の中を進みやすいようですし、水分を多く含むウェットフードも便の排出を促すので、両方を合わせてあげるのも良いでしょう。また、猫草やフードにオリーブオイルや無塩のバターを少量加えるのもお勧めです。
被毛の飲み込みは猫特有のことなので、ピュリナワンの「インドアキャット」や「避妊去勢した猫の体重ケア」のように、パッケージに毛玉ケアと表記していなくても多くメーカーが対応しています。
それでも、毛玉ケアのフードとして特記されているものとしては、ロイヤルカナンの「ヘアボールケア」やサイエンスダイエットの「ヘアボールコントロール」、ビューティプロの「毛玉対応」、ニュートロの「毛玉ケア」などがあります。また、舐めるだけの毛玉用ジェルや毛玉を除去する薬やサプリメントもあるので、一度動物病院で相談してみるといいでしょう。
長毛種の猫は言うまでもなく、短毛種の猫でも毎日ブラッシングをしてあげるのが一番です。短毛種の場合、スリッカーブラシでもなくても、猫用のコーム(くし)でも十分です。換毛期は特に抜け毛が多くなるので、できれば一日に2回ブラッシングしてあげたいですね。手で撫でてあげるだけでも抜け毛が浮いてきますし、濡れた手やゴム手袋など使うとさらに取りやすくなりますので、ある程度飼い主が取ってあげるようにすれば、毛玉を吐く回数は減ります。
それと、ストレスが多いとグルーミングの回数が増えます。いわゆる「舐め禿げ」が出来ているような時は、いつも以上に被毛を飲み込んでいるので要注意です。また、飼い主の毛を舐めたり、細い紐を噛んだりする癖のある猫は、被毛を飲み込んだ時と同じ症状になるので注意してあげてください。
加齢や内臓の不調で吐き出し不足になっている高齢猫の場合は、毛球除去剤やサプリメントもうまく利用しましょう。
フードの量を減らして回数を多くして与えるようにするのも、吐かないようにする効果があるようです。
それでもおなかの中でため込んでしまうことがあるようですが、なんとか薬で対応できるくらいまでに留めておきたいですよね。
猫の毛のお手入れは、猫とのスキンシップにもなりますので、どうぞ普段からしっかりとしてあげてくださいね。