作成日: 更新日:
目次
マンチカンは意外なことに、疾患にかかりにくい丈夫な猫だと言われています。
これはマンチカンが免疫力が高いとされる、雑種猫との交配を認められているからです。
しかし個体の特性によっては、注意しなければならない病気も存在します。
短足なマンチカンは「椎間板ヘルニア」になりやすいと言われていますが、今のところこの説は実証されていません。
同じく短足であるダックスフンドがヘルニアになりやすいので、マンチカンも気をつけるべきだとされているだけです。
ただしマンチカンの短足は「軟骨異形成」という遺伝性疾患によるものなので、関節などの障害には気をつけたいところです。
その他の長毛種と同様、長毛のマンチカンも「毛球症」には注意しなければなりません。
毛球症とはグルーミングで飲み込んだ毛が胃や腸に詰まり、体外に出せなくなる症状のこと。
放置すると毛玉が消化されないまま固まり、腸閉塞などに発展する恐れがあります。
耳が折れたマンチカンは、スコティッシュフォールドとマンチカンの交配によって生まれ、俗にスコマンチと呼ばれています。
垂れた耳と短足が可愛いと人気のスコマンチですが、本来マンチカンとスコティッシュフォールドの交配は認められていません。
マンチカンの短足とスコティッシュフォールドの垂れ耳は、いずれも優性遺伝の「軟骨異形成」という遺伝性疾患によるものだからです。
そもそもスコティッシュフォールド自体、さまざまな疾病のリスクを負っている猫種です。
スコマンチは優性の致死遺伝子を持つ猫種同士の掛け合わせで生まれるため、病気にかかる危険はこれよりさらに高まります。
もうひとつ注意すべきなのは、スコティッシュフォールド×マンチカンの組み合わせは奇形が生まれやすいということです。
見た目に問題がなくとも、内臓など目に見えない部分が実は奇形だったという可能性もあります。
スコマンチに突然死が多いと言われるのは、この隠れた部分の奇形が原因であることがほとんどです。
先述のとおりマンチカンは比較的丈夫な猫種です。
特に短毛で長足なマンチカンに関しては、雑種猫と同様に考えて問題ありません。
猫の死因として多く挙げられる、癌や腎不全に気をつけましょう。
長毛のマンチカンがかかりやすい毛球症は、最悪の場合命に関わります。
またマンチカンは食欲旺盛な傾向があるので、老猫であれば糖尿病にも注意したいところです。
食事量と水分量をコントロールすることは、マンチカンの健康にとって非常に重要です。
食事の管理はヘルニアや関節の障害、糖尿病などのリスクを下げるために必要です。
特に運動量の落ちる老猫は、シニア向きの餌に変更するなど工夫しましょう。
水分摂取量の少ない猫は、腎臓に負担をかけないため、ウェットフードなどで調整してあげてください。
毛球症を防ぐためにはブラッシング・コーミングが効果的です。
愛猫が長毛なら最低でも1日1回、できれば複数回のケアが理想です。
すこしでも様子がおかしいと感じたら、まずは獣医に相談しましょう。
「大したことがなかったら恥ずかしい」なんて考えて経過観察しているうちに、手遅れになってしまったら元も子もありません。
例えば食欲不振やえづき(吐こうとするが吐けない)、便秘や下痢などの症状があらわれたら毛球症かもしれません。
また以前より大人しくなった、あまり動きたがらないという場合は、関節に問題が起こっている可能性があります。
猫は我慢強く弱みを見せない生き物です。
ある病気で獣医にかかったら、実は何年も前から別の病気も患っていたことがわかった、というケースも少なくありません。
小さくとも愛猫のサインを見逃さないよう注意しましょう。
ドメスティックキャットとの交配を認められているマンチカン。
被毛や足の長さなどが多種多様であるゆえに、気をつけるべき病気や症状もさまざまです。
愛猫が末永く健康でいられるよう、個体の特性を理解し、しっかり病気から守ってあげたいですね。