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猫もしつけが出来るの?これを読んでいる皆さんの中には、もしかしたらこう考える人もいるかもしれません。猫は犬と違って勝手気まま、ワガママな生き物。そう思っている方も多いでしょう。しかし、猫には猫に合ったしつけ方があります。もちろん犬とは違いますよ。ここでは猫の習性や考え方を知って、猫に上手にルールを覚えてもらいましょう。大事なのは猫の目線になることです。
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自由気ままなと思われがちな猫ですが、実は繊細なハートの持ち主でもあります。しかも結構頑固です。猫には猫の確固たるルールが存在しています。まずは飼い主側がそのルールを理解しないといけません。
汚いは論外ですが、うるさい場所も嫌いなのです。落ち着けない、汚いトイレは使わないし、心が落ち着かず、ストレスが溜まった猫は嫌がらせに家具をガリガリ・・・なんて可能性も大いにあります。
さこれが猫が自由気ままだと言われる所以ですね。さっきまで見向きもしなかったくせに急に甘えてきたり、かと思えば噛み付いてきたり・・大切なのは、とにかく猫から出されるお触りサインを見逃さないこと!構われすぎるのも、構われないのも猫は嫌なんです。
これらが繊細な猫の心を満たす大切なポイントです。満たされない猫のストレスはたまり続け、問題行動に発展します。
「猫はしつけがいらない。」と思っている方も多いようです。確かに、猫も犬もいる生活をしている経験からいっても、犬に比べると「しつけらしいこと」はしていません。トイレも勝手に覚えていたし、爪とぎを置いておけばきちんとそこで爪を研いでました。ただし、全く何もしていないわけではありません。人間と猫、異なる種族が一緒に生活する以上、「やってはダメなこと」が存在します。それを猫に覚えてもらうことが、猫に対するしつけですね。もちろん逆もあります。「猫ルールを人間がきちんと理解する。」これも猫との同棲生活には欠かせません。この2つのバランスを保つことが、快適なニャンニャンライフを送るため基本ではないでしょうか?
「なんでこんなこともわからないの!?」猫と一緒に暮らすと、そう思う場面が多々出てくるかもしれません。迷惑だからと何度叱ってもなかなか覚えてくれない。このままじゃ手を上げるしかないのか…。いいえ違います。猫は犬に負けず劣らず知能の高い生き物ですが、そもそもは単独で暮らしていました。そのため、「誰かに合わせて行動する」という概念がないのです。これは人間や犬と猫の大きな違いです。なので、叱っても叩いても、怖がるだけで肝心なことは学んでくれません。なので、必要なことは猫の価値観に合わせて対処しましょう。
猫が噛んで痛い!こんな時、まずは噛まれた瞬間に大声を出しましょう。これは痛いから嫌なことだよ、と動物にわかる形で伝えるのです。実は猫の間でも、噛まれて痛い場合はギャーッ!と大声を出します。これは「やめて!」という合図。猫にもある概念なので、きっと伝わるでしょう。
それで駄目なら鼻先を指ではじく等、驚かせてみましょう。猫の鼻先はとても敏感なので、噛んだら嫌なことが起きた!と状況を学習します。どのしつけにも通じますが、叱るではなく、猫に通じる「嫌な事」をする。これで猫の頭に働きかけていくのが大事です。
ちなみに、幼少期に手をひらひらさせてあやすと、それを「噛んでいいもの」と誤認するので注意して下さい。
次に爪とぎ。家具や壁をぼろぼろにされたくないですよね。この場合、猫に爪とぎはどうしても必要なものなので、別の場所にしてもらえるよう、代替品を用意してそちらに誘導しましょう。まずはどこが好きか。そしてどんなスタイルで爪をとぐのが好きなのか。よく観察して、猫が気に入りそうな爪とぎを用意してあげましょう。縦置きが好きだったり地面に向かってするのが好きだったり、好む素材もまちまちなのでよく見極めてあげて下さい。
そして、爪とぎをされたくない場所にはしつけ用スプレーなどで対処を。嫌な臭いで穏便に猫を遠ざけてあげましょう。
猫はとかくワガママな生き物です。そこが可愛いのですけど…。最後は可愛くてつい抗えない、おねだり攻撃についてです。
猫は人間と違い、我慢という概念がないので快楽を追及したがる生き物です。美味しい餌やおやつをもらったら何度でも欲しがるし、かまってもらって心地よければそれまた何度もねだります。しかし可愛いからと言って、なんでも言うことを聞いてはいけません。カロリーの摂りすぎは不健康に繋がりますし、いつも猫の要求を聞いているとワガママが加速してしまいます。大事なのは、ほどよく言うことを聞いてあげること。おやつや遊びは時間と回数を決め、それ以外は断固拒否の姿勢を取りましょう。
猫には「要求鳴き」というものがあります。可愛く、あるいは何度も鳴いて人間をコントロールしようとしますが、不必要ならば完全無視をすることで学習してもらいましょう。
いかがでしたか。猫の目線、価値観がわかってきたでしょうか。猫に体罰は通じません。代わりに、濡れるのを嫌がる習性を生かして水をスプレーで吹きかけたり、しつけスプレーを使ったり、色々工夫してあげましょう。また、何かあった時後から叱るのは効果がありません。何に怒られているかわからないからです。してはいけないことをした時は、直後にやめさせましょう。
もちろんなかなかわかってくれない猫に、腹が立つこともあるかもしれません。しかし、怒りに任せて尻尾を強く引っ張ったりするのはやめましょう。猫の尻尾は神経がたくさん通っているだけでなく、内臓と一直線に繋がっている猫の急所です。これを傷つけられると神経系に支障をきたしたり、身体を悪くする恐れがあるので注意です。
猫は怒ったところで、犬以上に無意味です。「また怒鳴ってる・・・この人うるさい。怖い。嫌い。」そう思われるのが関の山です。大切なことは、やってほしくない行動を防ぐために、事前策を講じておくことです。
家具で爪を研ぐのなら、猫が嫌がる匂いのスプレーを家具に吹きかける、またたびの匂いたっぷりの爪とぎを用意しておく。
トイレを失敗するのなら、トイレの場所や砂を変えてみる。失敗する場所にはスプレーをかける。
はいられたくない場所があるのならば、そこには絶対は入れないようドアを常に閉める、バリケードを作る。
猫に「教える」ということはなかなか難しいようです。そんなことをするよりも、出来ない・しないような環境を徐々に作り上げていくほうがはるかに楽です。「なぜかわからないけど怒ってる。」と思っている猫にとっても、ありがたいのではないでしょうか。さらに付け加えると、自分の事前策がドンピシャではまった時の快感は、何とも言えないものがありますよ。