チンチラ(ペルシャ猫)の体重管理の方法とは?

チンチラ(ペルシャ猫)のオスメス年齢ごとの適正体重をまとめました!

ペルシャ猫の一種、チンチラはとってもゴージャスな毛並みで長毛種の代表的な猫種です。チンチラの名前の由来はネズミの仲間の同じくフワフワの毛並みを持った「チンチラ」から来ていると言われています。

その毛並みの影響で体つきが大きく見えがちなチンチラですが、実はその毛並みの下は筋肉質な身体をしており、猫種の中では中型~大型に分類されるコビータイプの猫種です。

チンチラの全体の平均体重は約3~5.5kgで、主な猫種の一般的な平均体重と大きく変わりありませんが、オスとメスではやはりオスのほうが適正体重は重くなり、オスのチンチラでは約3~5.5kg、メスのチンチラでは約3~5kgと若干の違いがあります。

生後2ヶ月程度で約800g~1kgとなり、半年で約1.5~3kgと少し個体差が出てきますが、基本的に生後1年で成猫になり、適正体重もそこから大きく変わることはありません。

チンチラは胴や脚、尻尾などは全体的に短めでずんぐりとしている個体が多いです。そして性格もおっとりとしていて成猫はあまり動かずに寝ていたりゆっくりしていることが多いので肥満にもなりやすいと言われています。

チンチラが急に痩せた?疑われる病気は何?

チンチラはそのゴージャスな毛並みから太っているように見られがちで、シャンプーなどで体を濡らすとあまりにも体格が細く筋肉質になるので驚かれる方も多いですが、適正体重の範囲内なら大きな問題はありません。

またメスのチンチラなどは特に個体として小さい猫も多く、動物病院の検診等で問題ないと言われているようであれば適正体重を下回っていても大きく問題ないことが多いでしょう。

しかし元々体格が大きかったチンチラが急に痩せてきてしまった時には何かしらの病気が隠れて影響しているときがあります。

チンチラが急に痩せてしまった時に疑われる病気とその予防法をいくつかご紹介します。

毛球症

長毛種のチンチラは、毛球症になる確率が非常に高くなっています。

毛球症は毛づくろいによって飲み込んだ毛がうまく嘔吐や便とともに排出されずに、塊になってしまい胃の中や腸の中に詰まってしまう病気です。

短毛種でも起こる病気ですが、どうしても毛が長い長毛種の方が抜ける毛量も多く、毛づくろいの際に飲み込む量も増えるので長毛種に多く見られる病気です。また毛の生え変わる時期にも抜け毛が多くなるためかかりやすくなります。

毛球症の症状としては嘔吐や食欲不振、下痢や便秘などの消化器症状が主となりますが、症状が進んでしまうと脱水状態になり毛並みも悪くなり痩せてきたり、最悪の場合腸閉塞を引き起こし命を落としてしまうこともあります。

初期の毛球症であれば毛玉除去剤を舐めさせるだけで良い場合も多いですが、詰まっている毛球が大きくなってきてしまうと内視鏡や胃切開など麻酔科での処置が必要になることもありますので、この病気は予防が何より大切です。

予防法としては定期的にブラッシングをして抜け毛をなるべく少なくしてあげることや、食物繊維を多く含むフードを与えることなどになりますので、コミュニケーションを取りながらのお手入れを定期的に行ってあげるようにしましょう。

糖尿病

チンチラが急に痩せてきた時に考えられる病気の中に糖尿病もあります。

糖尿病は生活習慣病とも呼ばれており、遺伝が原因になっていることもあれば、肥満やストレスが原因になってしまうこともある病気です。

主に膵臓から分泌されているインスリンという物質の作用不足により、体の中の血糖値を上手にコントロールすることが出来なくなってしまいます。

糖尿病の主な症状として飲水量が増え尿量が増す多飲多尿という症状とともに、食欲があるのにどんどん体重が落ち痩せてきてしまうということが多く見られます。

そのため、チンチラが急に痩せてきたと感じたら、その他の糖尿病の症状が出ていないかを注意深く見てあげるようにしましょう。

糖尿病に関してはいくつかの原因が考えられており、遺伝が原因の場合は予防法はありませんので、日々注意深く様子を見て早期発見することが大事になりますが、肥満やストレスが原因であれば予防は可能です。

チンチラはもとより神経質な猫種なので小さなことでもストレスを感じ、またストレスから動くことが少なくなり、その結果肥満になってしまったりします。

また普段肥満の猫が糖尿病になると、急に痩せることによって肝リピドーシスという合併症を引き起こしてしまうこともあります。これは命にもかかわる重篤な症状を引き起こします。

チンチラが肥満にならないように気を付け、またストレスを溜めない生活を心がけるようにしましょう。

腎不全

その他に急に痩せてきた原因の一つに考えられるのは、腎機能の低下です。

腎機能の低下には主に尿路結石などによって引き起こされる急性腎不全と、加齢などによって徐々に腎機能が低下する慢性腎不全に分類されますが、体重減少を伴うのは一般的に慢性腎不全です。

慢性腎不全は加齢とともに増えていきますので、8歳以上の高齢期に入った猫に多く見られますが、稀に約2~4歳の若齢期から発症する猫もいます。

しかしこの病気の怖いところは腎臓機能が約3割低下してもほぼ無症状で経過することが多く、症状が出始め飼い主が病気に気付くころには腎機能の約半分が失われた状態だったということもあります。

そのため早期発見・早期治療が何より大事になりますので、少しでも痩せてきたと感じたらすぐに動物病院で診察を受けましょう。

また最近では若齢期からの食餌のケアをし、腎臓に負担をかけないようにすることで腎臓病への予防につながることが分かってきました。

主に塩分が高いフードや高タンパク質のフードは腎臓に負担をかけてしまいます。そのため常日頃から与えるフードには注意をし、腎臓病を予防してあげましょう。

チンチラが肥満かどうか調べる方法を解説!

長毛種のチンチラは肥満になってもフワフワな毛に包まれているため気付きにくいことが多く、気付くのが遅れるとさらに体重が増えていってしまいますので注意が必要です。

チンチラが肥満かどうか調べる方法をいくつかご紹介します。

1歳の時の体重を基準にする

猫は基本的に1歳の時の体重がその個体の理想体重と言われていますので、1歳の時の体重を覚えておき、そこからどのくらい増えたのかを調べることで肥満かどうか調べることが出来ます。

約1kg以内の増加であれば大きな問題はありませんが、1kg以上増加してきている際は肥満体型になってきているため注意が必要です。

例えば1歳の時に4kgだったチンチラが3歳になり5.5kgになった場合は、立派な肥満体型になるでしょう。

1歳の時の体重を記録しておくことで、体重を基準に肥満になっているかどうかを判断することが出来ますので定期検診での体重測定や自宅で体重を測ることを習慣づけることをおすすめします。

肋骨を触り確認する

チンチラの体を直接触り、肋骨が触ることが出来るかどうかで肥満を判断する方法です。

胸の横側を手で直接触り、肋骨の形をしっかり確認できるほど触ることが出来れば肥満ではありませんが、肋骨が明らかに触れなかったり、なんとなくしか分からない場合は肥満体型になっている可能性があります。

体を触られることを嫌がるチンチラも多いですが、触らせてくれる場合はこの方法が常日頃から肥満の確認が出来るためおすすめです。

ブラッシングやマッサージなどを行いながら、定期的に肥満になっていないかどうかを確認してあげましょう。

サマーカットにする

フワフワな毛が特徴のチンチラですが、肥満かどうかを確認するのに一番簡単な方法はサマーカットなど全身毛刈りを行い体の毛を刈ってしまうことです。

毛を刈った状態で上からチンチラを見た時にくびれがしっかりとあれば肥満ではないですが、くびれが確認できない、もしくはヒョウタンのようにお腹が横に出てしまっている場合には肥満になりますので注意が必要です。

肥満を簡単に調べることが出来ますし、暑い夏などはチンチラも涼しく過ごすことが出来るのでサマーカットにする方も増えています。

チンチラを体重管理、ダイエットさせる方法とは?

チンチラが肥満になってしまった際にはダイエットをさせる必要がありますし、また肥満にならないようあらかじめ体重の管理をすることも大事になってきます。

体重管理方法

体重を管理し肥満にならないようにするためには、何よりフードを必要以上に与えないように注意しましょう。

猫は個体差はありますが、与えられたフードは食べられるだけ食べてしまうことが多い動物です。

そのため猫の1日の必要カロリーを計算せずに欲しがるだけ与えてしまうと、知らないうちにカロリーの取り過ぎにつながり肥満になってしまいます。

チンチラの必要カロリーは年齢や環境によって大幅に変わってきますが、一般的な室内飼いの成猫で不妊手術済みの場合は「体重×80キロカロリー」で計算できます。

例を挙げると体重4kgの猫の場合は「4kg×80キロカロリー」で、1日の必要カロリーは320キロカロリーです。

ただこれはほんの一例になりますので、子猫や老猫などはこの限りではありません。その個体に合ったカロリー数を出す際は動物病院に検診に行きしっかりと必要量を計算してもらいましょう。

ダイエット方法

肥満になってしまった場合はダイエットをする必要があります。チンチラは元々激しく運動するタイプの猫種ではないので、主に食事管理でのダイエットが基本です。

食事管理でのダイエットの際はフードをダイエットフードに切り替えます。

食物繊維がたくさん含まれていることで満腹感を得ることができ少量で満腹になるタイプや、フード全体のカロリーを低く抑えているタイプのフードなど様々なタイプのダイエットフードがあります。

チンチラはフードの好き嫌いが多い子もいるので、個々に合ったフードを選んであげましょう。

またなかなかフードだけでは思ったようにダイエットが進まないことも多いので、適度な運動を定期的に取り入れてあげましょう。

部屋を走り回るような運動は好まないチンチラですが、猫じゃらしやキャットタワーなどを使用することで、無理をさせずに上下運動を行うことが出来ます。

しかしチンチラはマイペースな性格なのでしつこくし過ぎるとストレスを感じてしまい逆効果になってしまいます。そのため猫の様子を見ながら楽しく運動をすることを心がけるようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演