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猫は犬や人間と比べて腎臓病になりやすい動物です。発症すると、腎臓の機能が低下することで尿を正常に作れなくなったり、吐き気や下痢を引き起こしたりなど、体に様々な影響を与えてしまいます。今回は猫の腎臓病について、症状や治療法、予防法などを詳しく解説していきます。
目次
猫が発症することの多い腎臓病としては、「慢性腎不全」と「急性腎不全」が挙げられます。慢性腎不全は高齢の猫で発症が多く、徐々に進行していきます。急性腎不全は年齢に関係なく発症のリスクがあります。
腎臓病を発症すると、それぞれ次のような症状が現れることがあります。
慢性腎不全
急性腎不全
腎臓病は様々な原因で発症します。特に多い原因としては下記のようなものが挙げられます。
慢性腎不全
急性腎不全
腎臓病の治療法としては、以下のものが一般的です。
点滴
慢性腎不全と急性腎不全のいずれにおいてもよく行われます。脱水の改善や腎臓の血流確保を目的として実施します。短時間で終わる皮下点滴と長時間点滴を流し続ける静脈点滴があります。
透析
重度の腎機能障害が生じると、透析が必要になることがあります。透析には腹膜透析と血液透析があります。腹膜透析は特別な機器を必要とせず、比較的実施しやすい方法ですが、透析の効率では血液透析に劣ります。血液透析は透析効率が良いですが、実施できる施設が限られます。
薬物療法
症状に合わせて、利尿剤や降圧剤、造血剤、下痢止めや吐き気止めなどを使用することがあります。
食事療法
慢性腎不全では食事療法が推奨されます。一般的にはリンやナトリウムの量を調整した食事が用いられます。
慢性腎不全の効果的な予防法は残念ながらありません。そのため、早期発見・早期治療が大切です。急性腎不全の場合は、尿路結石ができないようにするなどの予防策があります。
日頃から尿の状態を確認し、量やにおい、見た目などに少しでも異常を感じたら早めに動物病院を受診することが大切です。
慢性腎不全の場合、初期には症状が現れず、症状に気づいた時には進行していることがほとんどです。そのため、定期的な健康診断で血液検査を行い、腎臓の数値を確認しておくのもいいでしょう。