作成日: 更新日:
犬と一緒に暮らす上で大事なのはしつけだと思います。人間と一緒に暮らすのであれば噛み癖があっては困りますし、部屋のあちこちで排泄をされてしまうのも困ります。深夜など時間に関係なく吠えてしまうのも自分のみならず、近隣の方の迷惑にもなって嶋しますよね。そういうしつけを行うのは一緒に生活をする上で大切です。
犬にしつけをする際にどうしつければいいのか検索などして最適な方法を学ぶ方は多いと思います。ただ、それと同じくらい大事なものがあるんです。それは「叱りかた」です。しつけの方法では、「失敗しても怒ってはいけません」と書かれていることが多いです。確かにしつけでは覚えさせることが目的ですから、はじめから上手くできる犬のほうが少ないです。はじめから上手くできないからといって叱るのは私も良くないとは思います。しかし、犬は上手くできるようになってからも問題行動を起こすことがありますし、犬の命に関わるようなことをわからずにしてしまうこともあります。そういった際にキチンとした叱りかたをすることもしつけと同じくらい重要になります。
まず、叱り方のポイントとしては以下のようなものがございます。
・同じコマンドを使う
・声のトーンを抑える
・名前は出さない
・しかる理由に一貫性を持つ
・しかるときはその場でしかる
『同じコマンドを使う』
こちらは、しかるときの言葉を統一しましょう。特に家族で犬と暮らしている家庭では人ぞれぞれでしかる言葉が違ってしまうことが多いですので、家族で統一するように事前に決めておくといいですね。
『声のトーンを抑える』
いたずらをされたりすると、つい興奮して大きな声で叫ぶように「だめ」などといってしまいがちですが、そこはぐっとこらえましょう。上ずった声でしかっても犬はしかられているとは思わず、急に声を上げられてびっくりしてしまっているだけです。下手をすると喜んで遊んでくれると思ってしまう犬もいます。犬の怒っているとき唸り声を考えてみてください。低い音ですよね。犬は低い音のほうが怒っていると感じます。ぐっとこらえて低いトーンでしかるようにしましょう。
『名前は出さない』
犬をしかるときこちらもしてしまいがちですが、名前を呼ぶこともよくありません。語気を強く呼ぶと怒っているなと人ですと思いますが、犬が同じように感じてくれるとは限りません。また、名前を呼ばれる=怒られるなどと覚えてしまうと名前を呼ぶだけで逃げてしまうようになる犬もいます。
『しかる理由に一貫性を持つ』
私たち飼い主の気分によってしかるしからないはやめましょう。例えばお友達やお客様がいるから、普段は叱らないことを今回はしかる。そんなTPOにあわせた叱りの基準は犬には判断がつかないです。お友達やお客様がいる際にやめてほしい行動であれば普段からしないようにしつけておきましょう。
『しかるときはその場でしかる』
外出から帰宅したらいたずらされた形跡をみて思わずしかってしまうなんてことも良くしがちですが、犬にとっては何分や何時間前の行動です。急にしかられても結びつきません。いたずら行動をしたという原因としかられたという結果を結び付けられないのであればあとからしかるということはやめましょう。
犬の問題行動は困ってしまうことがありますよね。矯正するためのしつけも時間がかかってすぐには直らなくてつい手が出てしまった。そんな経験はありますでしょうか?むしろ悪いことをしたらたたく、それがしつけだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。今回はしつけでたたくをしている方に、叩くことの弊害をお伝えしたいと思います。
たたくしつけをしている方に多いのが悪いことをしたらしかるのは当然だと考えている方が多いですが、「悪いこと」と思っているのは犬にはその意識がないことが多いです。トイレの場所以外で排泄をした、こんな場合、人間は悪いことと考えてしまいますが、犬にとっては自分の縄張りとしてマーキングしているだけの普通の行動になります。悪いこと=人間にとって、人と暮らす上で不都合なこととまず認識を変えましょう。犬にとってはごく普通の生活をしているのに叩かれる。こんな理不尽なことはありませんよね。そんなことを繰り返していたらどうなるでしょうか?
私は何も悪いことをしていないのにいきなり叩かれるなんてことを繰り返されていたらその人を信頼できなくなってしまいます。犬も同じです。せっかく縁あって一緒に暮らすのであれば信頼関係をもった間柄になりましょう。
犬に叩くしつけをしている人は強くは叩いていない、おしりだからそんなに痛くないとおっしゃる方もいますが、それは自分の感覚であって、犬が実際にどれくらいの痛みを感じているかはわかりませんよね。そもそも犬は私たち人間よりも痛点が多い特徴がありますので、人間より痛みを感じやすいといわれています。実際、私も犬を抱き上げたとき急に痛がられてびっくりした経験がありますが、私たちが何気なく触れた強さでも犬にとっては痛いと感じることもあります。そんな犬に叱るつもりで振り下ろした手はどれほどの痛みでしょうか。頭を叩かれ脳に重大なダメージを受けたなんてひどい例もありますし、叩かれたことに驚いたりして高いところから落ちたり、逃げようとしてぶつけたりなど二次被害の可能性もございます。しつけのつもりで叩いていた、愛情をもっての叩きだった。そうだとしても犬が怪我をしたり下手をすれば重大な後遺症を招いてしまうような行為はやめましょう。
先述したとおり犬にとっては問題行動と認識していないのに叩かれている犬はやはり信頼してはくれません。それどころか叩く相手を敵だと認識してしまうこともございます。そうすると、叩いていないときでも近づくだけで唸られたり、吠えられたりして威嚇され、近づくことすら出来なくなってしまいます。それどころか犬のほうから攻撃をしてくる可能性もあります。犬は敵と認識しての攻撃となりますので、怪我をすることもありますし、噛まれる場所によっては大怪我につながることもございます。また、叩いている人を敵と認識するだけでなく、『人』自体を信頼できず、だれかれかまわず攻撃をするような犬になってしまうこともございます。家族や友人、貴方の大切な人を自分の愛犬が怪我をさせてしまう、そんなことにもつながりません。
叩くこと、本当に必要なのかもう一度考えていただきたいと思います。