柴犬の病気・ケガ・性格を解説

柴犬がかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

柴犬の特徴

柴犬の歴史

柴犬は、日本のみならず世界の犬の歴史としてとても古い犬(古代犬種)の一つで、DNA分析によればイヌがハイイロオオカミから分岐し、そのイヌが柴犬や秋田犬などのアジアスピッツ系、およびチャウチャウやシャー・ペイなどの青舌マスティフ系になる系統と、バセンジー、アフガン・ハウンドなどのハウンド系およびシベリアンハスキー、アラスカン・マラミュートなどの北極スピッツ系になる系統とに分岐しました。その後、青舌マスティフ系からシャー・ペイが分岐して別れ、残りが柴犬・チャウチャウ・秋田犬群の系統となり、柴犬はこの時点の系統から最初に分岐して、残りのチャウチャウ・秋田犬群はその後それぞれに分岐をしたとされています。

古代犬種と呼ばれる犬種の一つとされる柴犬の歴史は日本史上では縄文時代早期から出現したとされ、縄文犬と呼ばれた彼らの骨は各地の貝塚から出土しているほか、丁重に埋葬された出土例が多く記録されています。人の埋葬に伴う出土例もあり、猟犬として活躍していた彼らは当時の人々からも大変親しい存在であったと考えらています。

縄文犬は縄文時代早期には体高45cm程度の中型犬で、のちに島嶼化を起こして小型化し、縄文中期・後期には40cm程度になったとされ、多くは柴系であるとされていますが毛色はわかっていません。大部分は額段(がくだん)がごく浅く、大きな歯牙を持ち、ほっそりした筋肉質の体格で、軽快で俊敏な動きと野性的な鋭い警戒心が特徴であったとされています。

昔から本州各地で飼われ、古くからヤマドリやキジなどの鳥やうさぎなどの小動物の狩猟、およびそれに伴う諸作業に用いられ、信州の川上犬、保科犬、戸隠犬、美濃の美濃柴犬、山陰の石州犬や因幡犬など、分布地域によっていくつかのグループに細分されていましたが、第二次世界大戦の食糧難の時代や、1952年に犬ジステンパーが流行したことによって頭数が激減しました。

また、戦後のどさくさと時代的な飼育管理の悪さから、柴犬「もどき」の交雑種が増え、純粋な柴犬はその数を減らしていったとされています。

そこで、残っている純粋な柴犬の中で優れ資質を持つ犬を交配して復活をはかると同時に、地域的に個性のばらつきがあった柴犬をひとつの標準にまとめることになりました。この流れにより、現代の柴犬たちは地域特性をほとんど失っていますが、一方で縄文時代の個性を再現し、できるだけ近づけていこうという方向性を持つ愛好家たちが、日本犬保存会とは別の団体である天然記念物柴犬保存会を設立しました。

日本犬保存会とジャパンケネルクラブ(JKC)はほぼ同じ犬種表人を持つのに対して、天然記念物柴犬保存会は少し異なる標準であり、体型はスリムで個性な顔立ちが特徴です。

近年は海外での評価も高く、特にアメリカでは専門のブリーダーが出てきているほどの人気となっています。

柴犬の大きさ・見た目

体高より体長がやや長く、小さな立ち耳で巻き尾、短毛でダブルコートです。

ぱっと見ただけでは同じように見える尻尾の巻きですが、左巻きや右巻き、さし尾など形態が異なります。

JKCの標準では、体高がオスで39.5cm、メス36.5cm、それぞれ上下各1.5cmまでとなっています。

また、毛色は赤(茶)・胡麻・黒・稀に白などがあり、特に赤は柴犬飼育数の中で8割を占める人気の色です。一方、胡麻毛は色の組み合わせが繊細で、生まれる確率が低いため、飼育数が一番少ないです。

平均寿命は12歳~15歳ほどです。

柴犬の性格

柴犬は愛玩犬ではなく、優秀な猟犬として長く存在してきた犬です。一般的に主人に対しては非常に忠実で、よそ者に対しては馴れ馴れしくせず、賢く勇敢で警戒心も強いため、番犬にも適しています。

古代犬種によくみられるように、大胆で独立心が強く、頑固な面を持ち合わせており、洋犬に慣れた人には訓練が難しい場合もあります。

一般的な性格として、主人と認めた人間に比較的忠実かつ警戒心と攻撃性が強めという傾向があり、メスよりもオスの方が比較的獰猛であるという傾向があります。また、獲物を直接追う猟犬として使われてきた長い歴史から、役割分担に従って多くの品種を派生させた欧州のガンドッグなどと比べ、視界を動くものを追って攻撃し、また捕えようとする捕食本能が極めて強いとされます。

家族に対してもべたべたと甘えることは少なくクールに接し、服従心や忠実さはありますが、テリトリーをむやみに犯す他人や他の犬に対して厳しい態度を見せることもあります。

柴犬を飼うときの注意点

柴犬は古くから室外犬として飼われることが多かったですが、最近は室内飼いも増えてきたこともあり、日常生活の中でのスキンシップに慣れさせる必要があります。理由は、室内で飼い主とのスキンシップがストレスになると、噛みつきなどの事故の原因になるためです。

また、室内飼いの場合はトイレトレーニングも大切となります。室外でしかトイレができないと、我慢から紡機の原因になりやすいので、きちんと教えてあげるようにしましょう。

柴犬は見た目以上の体力があるので、毎日しっかりと1時間以上は散歩をしましょう。散歩から帰った時、落ち着かない様子であれば、まだ足りないというサインであり、散歩が足りないとストレスがたまり、イタズラや無駄吠えといった問題行動を起こすこともあるので十分に運動させてあげましょう。

また、散歩の際に急にピタッと立ち止まり、一歩も動かなくなっていますことがありますが、これは飼い主達の間で「不動柴」と呼ばれ、よく見られる行動です。犬が飽きないよう、新しい散歩コースを探すために知らない場所へ行ったり、寄り道をしてみたり、草の上や水の近くを歩いたりするなど、いつもと少し違うことをするだけで、犬にとって刺激になり、歩くようになったりします。

しかし、あまりに嫌がる、動かないという場合は、体に何らかの不調がある可能性があるため、早めに獣医さんに相談しましょう。

柴犬は上下関係を認識するため、友達や相棒のような接し方ではなく、厳格な飼い主として接することで主従関係をしっかり理解させることが大切です。信頼関係をしっかり作りながらも、上下関係のけじめをつけるなど、甘やかさないようにすることが大切です。特にオスでは、気の強い個体を甘やかしてしまうと用意に王様になってしまうため、十分に気を付けましょう。

柴犬は短毛ですが、抜け毛は多く、特に換毛期は驚くほど抜けます。週に2~3回はブラッシングをしてあげるようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演