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犬の祖先は、オオカミです。オオカミだった時代から、今でも残っている本能や習性がたくさんあります。
その本能を飼い主さんが理解してあげて、満たしてあげることで、犬に出来るだけストレスを与えないように、生活させてあげることができます。
犬は、群れをつくり、リーダーがいて、リーダーがいないの指示を聞き、リーダーに頼るという社会で生きています。
ですから、家族が、犬の群れとなり、いつも家族と一緒に行動したいし、1人でいることが嫌で、一人ぼっちでは生きていけないのです。
②なわばりを守りたい犬は、住んでいる家や庭を自分のなわばりと見なしています。庭や家に知らない人が入って来たら、部外者だと判断し、吠えかかたり、飛びかかったりして、外へ追い返そうとします。
マーキングも、なわばり行動の1つで、自分のテリトリーを主張するための行動です。
犬のおしっこの臭いで、どんな犬か、オスなのかメスなのかなどが、わかると言われています。
③何があるのか探索したい犬は、いろいろな場所のにおいを嗅ぎ、情報収集をしています。
飼い主さんのペースで、早足で散歩をしていては、犬のこの欲求を満たしてあげることが出来ません。
散歩中、のんびりと歩ける場所や公園などでは、じっくりにおいを嗅ぎながら歩かせてあげると、この欲求に関してのストレスはなくなります。その際には、たばこや腐った物が落ちていることもありますので、拾い食いには気をつけてあげましょう。
④獲物を見つけ、狩りをしたいどんな犬種の犬にも、狩りたいという本能が残っています。狩猟犬は特に強く残っています。
犬は、動くものを追いかけるのがとても大好きです。
おもちゃを引っ張り合うのは、獲物を取り合っている行為で、おもちゃを咥えたまま頭を振り回すのは、獲物にとどめを刺す行為と言われています。
毎日の遊びの中で、このような行動をとらせてあげると、犬の欲求を満たしてあげることが出来ます。
できるだけ丈夫で頑丈な、犬の体にあったサイズのおもちゃを用意して、ひっぱりあっこをしてあげてり、投げて持って来させるという遊びをしてあげましょう。
ただし、首や背中を痛めている犬には、おもちゃを振り回す動きは禁物なので、やめておきましょう。
⑤他の群れの仲間とも関わりたい犬は、自分の群れ以外の仲間とも、関わりをもちたいという欲求があります。
散歩で出くわした犬と、挨拶をしたり、警戒したり、吠えあったりと、色々な反応を示しますが、相手の犬から社会的な刺激を受けるために行なっています。
犬同士の挨拶は、お尻のにおいを嗅ぎあったり、鼻のにおいを嗅いだりもします。
強い犬ほど、怯えたりせずに堂々と、においを嗅がせてあげます。
⑥穴を掘りたいオオカミ時代は、洞穴の中で暮らしていました。
穴を掘り、中に食べ物を隠したり、獲物を捕まえたり、自分が隠れたりしていました。
寝る前に、布団やソファなどの寝る場所を掘ることもあります。
犬が穴掘りの行動ばかりしている場合は、ストレスがたまっているかもしれません。
遊びに誘ってあげたり、外で運動をさせたり、たくさんコミュニケーションをとってあげましょう。
⑦遊びたい犬は、遊ぶことが大好きです。犬の遊びは、ただ楽しむことだけが目的というわけではなく、人との付き合い方や、他の犬との付き合い方を学ぶことが出来ます。犬同士で、追いかけっこをしたり、取っ組み合いをすることで、手加減の仕方など学ぶことが出来ます。同居犬や兄弟犬と遊ぶことは、犬にとって、社会性を身につけるとてもいい経験になります。
他のおうちの犬と遊ぶときには、必ず相手の飼い主さんに断ってから、目を離さずに遊ばせてあげましょう。
誰かと一緒に遊ぶことも大切ですが、一人遊びも大切です。一人遊びの出来る犬は、お留守番の時にも一人で遊んでいてくれるので自立心を育むことが出来ます。
犬は、ペットとして飼われてから長年経ちますが、オオカミのころの本能がまだまだ残っています。 吠えることや、においを嗅いだり、マーキングをするなど、完全にやめさせるのは無理なことです。 無理にやめさせようとしていては、犬のストレスがたまっていくだけなので、犬がストレスなく快適に暮らせるように、本能や欲求をよく理解してあげましょう。