イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの病気・ケガ・性格を解説

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの特徴

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの歴史

スパニエルと呼ばれる犬種や猟犬の中でも、特に古い歴史を持つのがイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルです。その起源は14世紀頃にスペインからイギリスにわたり、16世紀には陸地で猟犬として働いていたランドスパニエルが原型であるといわれています。

鳥猟を得意とし、走るスピードが速く、隠れている鳥を飛び立たせたり、撃ち落とされた鳥を回収したりと、優れた能力を発揮していました。スパニエル種としては大型であるため、鷹などの大型の鳥をも勇敢に追い込み、回収することができたことら、ハンターの間では重宝されていました。

19世紀に入ると、猟を好む貴族などの間で、この犬種の改良が始まりました。中でも、イギリス貴族のノーフォーク公爵はこの犬種の育種と拭き優に力を注ぎ、多大な影響を与えました。それ以降、本種は「ノーフォーク・スパニエル」と呼ばれるようになり、更に19世紀後半になると、それまで一つの種であったイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルと分けられることになります。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルとイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは同じ血統をしており、19世紀後半まで明確な区別がされていませんでしたが、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの方はサイズが小さく、スプリンガーとは大きさで分けられ、それぞれのサイズで固定されるようになり、20世紀に入る頃には「スプリンガー・スパニエル」という名称が与えられ、1902年にKCがこの2犬種を別の犬種として認定した後、アメリカやカナダへ渡ることになりました。

「スプリンガー」は、バネのように弾むという意味と、驚かせるという意味があり、この犬の弾むように走る姿や、獲物を驚かせて追い出すときの仕草などから採られた名前とされています。

現在でも現役の猟犬として使われており、またドッグショーの華やかな舞台でも人気の犬種として、世界中で愛されている犬種です。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの大きさ・見た目

大きな垂れ耳と、すっと伸びた首にしっかりとした頭部が特徴的で、歩く姿は優雅で手足を伸ばして大股で歩きます。

中型で、体高より体長がやや長く、がっちりした筋肉質の体で、アーモンド形の目は濃いヘーゼル色で、薄い色は好ましくないとされています。

艶のある綺麗な被毛は長くウェーブしていて、上毛と下毛からなるダブルコートで、上毛は程よい長さで少しウェーブしていますが、たまにストレートの毛の個体もいます。

下毛は柔らかく、短い毛質で、体中にびっしりと密集して生えていますが、下毛があるお陰で風や雨・雷、草木のトゲなどから体を守ることができています。

毛色はレバー&ホワイト、またはブラック&ホワイト、タンマークで、白い部分にスポットが散らばったり、タンのマーキングが入ることもあります。

体高は46~56cm、体重18~25㎏、平均寿命は12歳~14歳ほどです。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの性格

明るく活発で、注意力と辛抱強さがあり、賢い性格です。

服従心も強く、呑み込みが早いので、トレーニングも比較的しやすい犬種といえます。

しかし、好奇心が旺盛で、なにかに熱中しすぎて周りが見えなくなることがあるので注意が必要となります。食器やいたずらされて困るものはイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの手が届く範囲に放置しないようにしましょう。

猟犬の気質も残っているため、危機を察知して飼い主に知らせる注意力と、我慢強く留守番できる忍耐力も持ち合わせていますが、警戒心の強さから、初めて会う人や犬と仲良くなるには少し時間がかかります。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルを飼うときの注意点

活発で運動量が必要な犬種で、ストレスが強まると攻撃的になることがありますので、できれば1日1~2時間以上、散歩や運動をさせるようにしましょう。

好奇心が強く、頭の良い犬種でもありますので、頭を使う運動が一番効果的です。例えば、「宝探しゲーム」や「もってこい遊び」など、運動の仕方もくふうしてあげることが理想的です。

ブラッシングは毎日、トリミングは2ヵ月に1回を目安に行いましょう。ダブルコートの被毛は抜け毛が多く、垂れ耳は蒸れやすいため、外耳炎などの耳の病気にかかりやすい傾向にあります。

ブラッシングだけでなく、耳はイヤーローションを使ってこまめに掃除してあげるのも忘れずにしてください。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは賢く、しつけやすい犬種ですが、中型犬ながらとても力が強いため、しつけを怠ると猛犬に育つ可能性もあります。

一貫性を持ったしつけをしないと、飼い主のいうことを聞かなくなります。

大切なのは「上下関係をはっきりさせること」で、少し強い態度でトレーニングをしてもスキンシップやおやつなどのご褒美をあげて緩和することでうまくいきやすいです。

散歩中やおもちゃで遊んでいるときにゲームのように遊ばせながらしつけるとよく覚えてくれる傾向にあります。

時に厳しく、ときには楽しく、メリハリをつけたしつけ方法が向いている犬種です。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演