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ダックスフンドは、オーバーコートと呼ばれる固くて艶のある皮膚を保護する役割のある外側の毛と、アンダーコートと呼ばれる柔らかく密度の濃い保温と保湿の役割を持つ内側の毛の二種類の毛を持つダブルコートの犬です。
ダブルコートの犬は春と秋の年2回、換毛期(かんもうき)という体温調節のために毛が多く抜け変わる人でいう衣替えのような時期があり、換毛期には思っているよりも大量にアンダーコートが抜けます。
そのためダックスフンドを飼うには、ブラッシングなどのお手入れ方法や部屋のお掃除のコツなど、きちんと理解しておく必要があります。
ダックスフンドには、さまざまな体の大きさ、毛質、毛色の種類があります。
よく聞くミニチュアダックスフンドは、小型犬に分類されるおよそ3kg~5kgの体重。
それより小さいカニンヘンダックスフンドは、3.5kg以下の超小型犬。
そして、1番大きいスタンダードダックスフンドの体重は、9kgほどあり中型犬に分類されます。
毛質は、3種類あります。
まずは、スムースヘアード。短毛で艶やかに輝いて見え原種のダックスフンドに近いです。抜け毛も短くソファーなどの繊維に毛が刺さってしまっていたりと、毛は短いですが掃除がしにくかったりもします。
そして、よく見かけるのがロングヘアード。耳や胸、しっぽなどフサフサで柔らかな長毛でとても優雅な雰囲気があります。
性格も1番明るく、人懐っこい種類になります。抜け毛は毛が長いので多く感じます。
そして、あまり見かけないかもしれませんがワイヤーヘアード。独特の固い毛質で長い眉毛や顎ヒゲのあるタイプです。
本場のドイツでは最も一般的なのがワイヤーヘアードのダックスフンドになります。
抜け毛が多く感じるのは毛が長いこともありロングヘアードの犬でしょうが、実際のところの本数は、全ての種類でさほど違いはありません。
毛色は、とても多様。単色のレッドやクリーム。2色のブラック・タンやチョコ・タン。まだら模様のダップルなど、本当にたくさんの種類があります。
暗い色の方が抜け毛が目立つことはあるかもしれませんが、毛色では抜け毛に違いはありません。
ダックスフンドなどのダブルコートの犬には春と秋の年に2回、1ヶ月ほどかけて毛が生え変わる換毛期があります。
3月頃、これから暑くなる季節に合わせ去年の秋頃生えた冬の毛から涼しい密度を少なくした夏の毛に。
10月頃、寒くなる季節に合わせ夏の毛から密度を多く保温性のある冬の毛に生え変わるのです。
この時に、想像以上に毛が抜けますのでブラッシングや掃除のコツをしっかりと勉強し備えておきましょう。
しかし、近年は完全室内飼いの子が多く、気温が一定に保たれているため気温の変化を感じられず、体内時計がずれ周期的に換毛期が来ない犬も増えてきています。
夏に冬毛のままだと、皮膚が蒸れトラブルを起こすこともあります。日照時間や気温差などを日常生活のなかでしっかり感じさせてあげるようにしましょう。
困ってしまう抜け毛への対策としては主に、ブラッシングが重要になります。抜け落ちてソファーなどの家具、衣服が毛まみれにならないように定期的にブラッシングを行いましょう。
普段から行うブラッシングは不要な毛を取ったり、毛玉の原因にもなる毛についてしまったホコリやゴミなどを取り除いたり、病気のチェック、愛犬とのスキンシップにもとても大切なものとなります。
抜ける前にブラッシングで抜いてあげることで、愛犬も人間も気分よくスッキリすることができます。
抜け毛専用のブラシなども発売されています。
とても効率よく抜け毛を取ることができるのでおすすめです。
抜けてしまった毛は静電気などが原因でなかなか簡単にとることができません。
ペットショップなどで購入できる抜け毛掃除専用の商品が抜け毛を集めやすく便利です。
抜け毛は掃除機などではなかなか吸い取れないので、コロコロを使うなど工夫も必要になります。
部屋中に舞ってしまっている毛には、空気清浄機が大活躍します。
シャンプーをすることで不要な毛を抜く方法もありますが、排水溝が何度も詰まるほどたくさん抜けますので気をつけましょう。
そして、ドライヤーの際にも大量の毛が舞うおそれがありますので、シャンプーはプロのトリマーさんに頼むのが良いかもしれません。
ダックスフンドは、お手入れの方法もそれぞれの毛質によって変わってきます。
スムースヘアードの子は、とても扱いやすく普段のお手入れは一週間に1回ほど獣毛ブラシなど肌に負担にならないブラシでといてあげます。
臭いが気になる時なども、ペット用のウエットシートでサッと拭くだけで簡単に清潔を保つことができます。
ロングヘアードの子は、毛が絡まりやすいので少なくとも一日に1回はスリッカーブラシでといてあげるようにしましょう。
滑ると腰にも足にも負担をかけてしまうので足の裏やお尻の周りの毛などのお手入れ用に小さいバリカンなどを購入しておくと便利です。
ワイヤーヘアードの子も、毛が長いのでスリッカーブラシが便利です。ロングヘアードの子ほど毛が絡まったりはしませんが、三日に1回ほどはブラッシングしてあげましょう。
ダックスフンドは、大きい垂れ耳も特徴的ですが、垂れ耳は通気性が悪く不潔になりやすいので、一週間に1度は耳の中を掃除してあげると良いでしょう。
その際、耳用のウエットティッシュや綿棒などよりも耳の中に液を入れるタイプのお手入れグッズが耳も傷つけず簡単で一番清潔に保つことができおすすめです。
そして、シャンプーは月に1~2回ほどしてあげると良いでしょう。
気がつけば 服やカーペットに付いている犬の毛。愛犬はとても可愛いんだけど、けっこう困っているのが本音です。そこで、おすすめの抜け毛対策グッズを紹介します。
カーペットやソファーをこの一毛打尽で撫でるように掃除すると、なかなか取れないペットの毛を、スイスイ集めることができます。あとは掴んでゴミ箱にポイっとすれば完了です。
スリッカーブラシや獣毛ブラシでは取り切れない抜け毛が、特殊な形の構造のブラシ部分で気持ち良いくらいガバっと取れちゃいます。
偽物も出回っていますので、正規店での購入をオススメします。
エチケットブラシをコロコロの形にした商品です。カーペットなどについている毛をコロコロと同じ要領で簡単に取ることができ、毛は本体に集まるのでつまんでポイっと捨てるだけです。
手袋の手のひら部分にラバーの突起をつけた商品です。
ブラッシングに抵抗のある子でも嫌がらずに撫でてあげる感覚で抜け毛を取ることができます。
ペットの毛が取れにくい原因の静電気の発生を抑え、繰り返し洗うことでコーティングをし、毛が付きにくくなるという便利な商品です。
ダックスフンドは一年中抜け毛がありますが、正常ならば抜けたとしても毛が薄くなり皮膚が見えてしまうようなことはありません。
しかし、ダックスフンドに多い病気でパターン脱毛症という遺伝が関係している病気があります。
この病気は、痒みや炎症が起こって毛が抜けるわけではありません。気づけばいつの間にか地肌が見えている状態になっているのです。
幸い犬自体は、痛くも痒くもないので辛い思いはしていません。
パターン脱毛症は、一気に抜けるわけではなく徐々に毛が抜けていくという特徴があります。
一般的に脱毛の多い箇所は、鼻の上、耳、首、眉毛、内もも、肛門の周辺などです。
脱毛症は、他にもいくつかあります。
マラセチアや疥癬(かいせん)、毛包虫など寄生虫によるものなどもあります。
ダックスフンドに多い脱毛症は、パターン脱毛症、アレルギーによる皮膚炎、膿皮症です。
最近、かなり多くなってきているのがアレルギー症状による脱毛です。
他にも、手先だけに毛がない場合などは心因性のストレスにより自分で噛んだり舐めたりして毛がない場合などもあります。
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症などの内科的な部分からの脱毛など、脱毛といっても理由は様々なのでかかりつけの獣医さんにしっかりと説明し解明していく必要があります。
ダックスフンドが気づけば急に脱毛していてビックリして病院へ行くという飼い主は以外に多いものです。ダックスフンドに多い脱毛の種類、症状や対処法などをご紹介します。
残念ながら、パターン脱毛症には予防法や対処法はありません。愛犬はそれほど苦痛には思っていませんので、サプリメントや食事などで気長に様子を見ていく治療となります。
ノミやダニが原因の場合や食事によるアレルギーの場合。アトピー性皮膚炎などもあります。
痒みが強く、体をブルブル震わせたり常にどこかを掻きむしるような様子が見られます。
ノミやダニが原因の場合は、獣医師よりフロントラインなどの駆除薬を出してもらいましょう。食事によるアレルギーの場合は、原因を除去した食事をつづけていくことで徐々に症状は収まっていくことでしょう。
ブドウ球菌などによる細菌の感染により起こります。
普段、体力があれば感染しませんが栄養不足や不衛生な環境にいると体調不良などにより細菌に負けてしまい発病します。
主な症状は、発赤やただれ、脱毛、患部の腫れなどがあります。
飼育環境は清潔にし食事や栄養に気を配り、毎日体の様子をチェックをしてあげましょう。
健康な犬の毛は、毛艶がよくとても輝き美しく保たれています。
抜け毛の様子と同時に、犬の毛の状態や皮膚の状態などブラッシングのときに見てあげる習慣をつけておくと良いですね。
脱毛症の原因を作らないように、清潔な環境で健康的な生活とストレスのない楽しい日々を愛犬と一緒に過ごしましょう。