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人間にとってりんごは「りんご1日1個が医者を遠ざける」と言われるほど栄養価の高い果物です。
人間には良い要素ばかりのりんごですが、犬に与えた場合、人間と同じように良い成分ばかりなのでしょうか。チワワにとって悪い要素は無いでしょうか。そこで、まずりんごの成分を見ていきましょう。
りんご100g(皮付き)
りんご100gだと1/4個の量で、61kcalしかないので、小腹が空いたときはお菓子よりりんごを食べたほうが人間にとってはカロリーも低く、おやつの代わりになります。
カリウムも豊富で体内の余分な塩分を排出してくれます。塩分の多いものを食べた後にデザートとしていただくのが良いと思います。また、ナトリウムのバランスも調整してくれるので、血圧を下げる効果もあります。
食物繊維も豊富です。「ペクチン」という栄養素が水溶性食物繊維で、昆布やわかめといった海藻にある粘り気のある成分で、水分を含みやすく、小腸での栄養吸収を抑えます。
また不溶性食物繊維の「セルロース」は水分を含む成分なので、腸内で水分を含み、腸の収縮・拡張運動を活発にし、便秘が解消される役目をします。
他にビタミンC、りんごポリフェノールで抗酸化作用、美白効果等たくさんの良い成分があります。
それは全部犬にとって良い成分か、与えて良いか、特にチワワのような超小型犬でも大丈夫なのでしょうか?獣医に聞くと結論は「りんごは与えて良い」そうです。
ただし、人間が食べるのと同じように丸ごと切らずにあげたり、量を考えず与えたりすると、逆にチワワの身体に弊害が及ぶそうです。
りんごを超小型のチワワに与える場合、注意するべきことがあります。注意して与えないと、せっかくチワワに美味しい、身体に良いものを与えていると思っても、逆に毒になりかねません。
チワワがりんごを食べることに対して、私達は様々なことに気を付けながら適切に与えていきたいですね。
成犬の1日あたりの必要カロリーは以下の通りです。
成犬のカロリー表(去勢・避妊をしていない場合)
表の通り、チワワの体重は人間に比べてもちろん低く1/30~40で1.5~3kgです。1日に摂取するカロリーは150~300kcalと一見低そうに見えます。
チワワの体重が3.0kgで、1日の総カロリーが約300kcalだとした場合、 りんご1/4個、100g(61kcal)を人間は小腹が空いたときのおやつにしても、チワワにとっては高カロリーになります。
もし、チワワにおやつとしてあげたい場合は、りんごを約20g(12kcal)の量を決めて与え、その分主食量の調節をしましょう。
りんごは細かく切るか、すりおろしましょう。元々犬は咀嚼すると消化酵素がでてくることはないので、ずっと咀嚼する必要もないですし、丸のみすることも多いです。人間のように奥歯ですりつぶすことはほぼしません。
大きな塊でチワワにあげると喉につまったりしますし、顎関節症のように顎がガクガクしたりするような子だとさらに悪化させてしまうので、チワワが簡単に食べることができる大きさに切って与えましょう。
チワワにりんごを与えるメリットはたくさんあります。たくさんの栄養素を含んでおり、以下の効果があります。
チワワはただでさえ小さいので、夏の散歩後、高温の室内にいた時の熱中症予防にすりおろしりんごは最適です。水分・カロリーを一気にとることができます。
また老犬になって、食欲が低下したときも少量で栄養を摂ることができます。
食欲が低下した時、病気の時の便秘防止に水溶性・不溶性食物繊維が役立ちます。また、整腸作用もあるためおなかの調子が悪いときには与えるのも良いでしょう。
犬だって生活習慣病はあります。運動不足、肥満、ストレスにより容易に心臓や肝腎にも負担がかかります。特に肥満はコレステロールや血圧上昇の要素となります。特にチワワは超小型犬なので肥満により細い骨に負担がかかります。
ご褒美におやつと言ってお菓子や、高カロリーのものばかりあげていることはありませんか?お菓子が習慣化していると、あげないと拗ねたりねだられたりしてしまうこともあると思います。
その時にりんごを少しあげると、りんごポリフェノールという成分がコレステロール値や血圧をさげてくれます。
りんごポリフェノールにはたくさんの効果があり、抗アレルギー作用もあるので、アレルギーがあるチワワには最適です。また、細胞の老化防止作用もあるので、チワワがいつまでも若々しくいられるためにも効果的です。
また、抗がん作用や糖尿病防止になるとも言われています。
その他、アップルフェロンという成分は虫歯予防に効くと言われています。犬は歯周病になりやすいですし、歯石も溜まります。
チワワは特に「乳歯遺残」と言って、乳歯が残って抜けない子も少なくありません。口腔ケアの一環として食べさせるのも良いですね。
チワワにとっても良い成分がいっぱい入っているりんごですが、体調によっては逆の効果になることもあります。りんごの成分や量を理解してから与えましょう。
人間にとってりんごはカロリー少なめでも、チワワは小型なので1日の総カロリー量は少ない犬です。食べたい分をあげると、太ります。主食との調整を行い、与えましょう。
水溶性・不溶性食物繊維が豊富なので、おなかの緩い子や下痢が続く子、老犬で消化機能が衰えている時には注意して与える、または与えないようにしましょう。
カリウムが豊富なので、ナトリウムとのバランス保持に役立ち、利尿効果でおしっこを良く出し、血圧を下げてくれます。
その反面、心疾患があり利尿薬を使用している子は相乗効果になりおしっこが出過ぎて脱水になる場合があります。脱水になるとふらついたり動かなくなったり血圧低下、痙攣等が起きるので注意しましょう。
りんごの種と芯には「青酸配糖体」と呼ばれる成分があり、腸内細菌によって「シアン化物」というものに変換されます。このシアン化物は人間でさえ死に至る効果があります。
人間ではりんご1個の種で気持ち悪くなるくらいですが、人間の1/50位の体重しかないチワワが食べてしまうと中毒症状から死に至る可能性が高くなります。与えるときは種と芯をきちんと取り除いてからあげましょう。
また、桃や杏、ビワの種にも含まれているのですが、種が大きいため食べることは無いと思います。ただしサクランボの種は間違って食べてしまう大きさなので注意しましょう。
りんごの皮にはりんごポリフェノールという成分が含まれており、抗アレルギー作用、細胞の老化防止、抗がん作用、糖尿病予防作用など身体に良い成分があります。
皮を取り除いてあげるのはもったいないのでつけたままあげたいところです。しかし、農薬をたくさん使用しているりんごでは皮に農薬がつき、人間ではそこまで害が無くても、小さいチワワには高濃度の農薬になります。
アメリカの研究で、りんごの皮についた農薬を取るためには重曹水に12~15分漬けると良いという結果がありました。
しかし重曹水に長く浸すとビタミンが無くなるとも言われているため、有機栽培のりんごでなければ、皮をむいてあげるのが無難だと思います。
人間にとって美味しい果物でも、犬にとっては害になるものもあります。
いちご、バナナ、柿、梨、パイナップル、メロン、オレンジ類、スイカ
ブドウ、イチジク、ドライフルーツ、レモン、グレープフルーツ、プルーン
与えていい果物は、栄養・水分・ビタミン補給や、キウイだと肉の分解酵素があるので消化を助けたりする作用があります。
与えてはいけない果物は、腎不全や下痢等の中毒症状を引き起こすことで有名なブドウを筆頭に犬が食べると中毒を起こす可能性が高くなっています。
チワワの頭の形を「アップルヘッド」と呼ぶことがあります。チワワ特有の頭の形でりんごのように丸い頭なのでこのように名付けられました。
アップルヘッドでかわいいとばかり言っていられません。アップルヘッドであるがために注意しなければいけない点や特有の疾患もたくさんあります。
遺伝によってかかるチワワがいます。脳に水が貯まり、脳の圧が上昇し、意識が悪くなったり、まっすぐ歩けなくなったりします。
水を抜く手術が必要ですが、簡単にできる手術ではなく、麻酔等も使用するので、小さい体に負担がかかります。薬物療法といった内科的治療がメインになりますが、まずはかかりつけ医と早期に相談しましょう。
人間も同様、チワワも産まれた時は大泉門が開いています。頭のてっぺんを触るとペコペコするのは大泉門が開いている証拠です。
普通であれば、年月の経過とともに骨と骨が癒合し、開いている部分が無くなりますが、丸い形のアップルヘッドなために閉まりにくくなることもあります。
頭の開存部に刺激や物が落ちたり、他の犬に乗られたり、かまれたりすると脳のダメージになります。チワワの頭上は常に注意し、ドッグランで他の犬と遊ぶ時も、チワワの頭の上に乗られる事が無いように気をつけましょう。