2025年3月開業!新横浜病院プロジェクト④ 医療機器のご紹介「自動血球計算機」

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1月に入り、冷え込みが一層厳しくなりました。寒さが苦手なワンちゃんやネコちゃんも多いため、室内の温度管理や防寒対策をしっかりと行いましょう。特に高齢の子や短毛種は体温を維持しにくいため、ペット用の防寒グッズなども活用してください。

さて今回は「自動血球計算機」という、動物病院で使われる特別な機械についてご紹介します。この機械は、動物の血液を詳しく調べることができる装置で、病気の早期発見や治療の助けになります。私たちの病院では、アイデックス社が作った「プロサイトDx」という機械を導入する予定です。この機械は、血液検査を簡単で正確に行えるため、多くの動物病院で活躍しています。

血液検査では、血液中に含まれる「赤血球」「白血球」「血小板」の3つを詳しく調べます。これらの「赤血球」「白血球」「血小板」は、体の中の「骨髄」という場所で作られ、それぞれの細胞の数や形、バランスを調べることができます。これによって、動物の体調や健康状態をより詳しく知ることができるのです。それぞれの役割や検査でわかることについて、順番に説明します。

1. 赤血球の役割と検査

赤血球は、血液の中で酸素を運ぶ大切な細胞です。赤血球が少なくなると「貧血」と呼ばれる状態になり、体がだるくなったり、動物が元気をなくしたりします。貧血にもいろいろな種類があります。例えば、血を作る能力が低下する場合や、大量に血が失われる場合です。この機械を使えば、赤血球の数や大きさ、形などを詳しく調べることができ、どんな種類の貧血が起きているのかを見分けることができます。これによって、必要な治療方法を決めるのに役立つのです。

2. 白血球の役割と検査

次に、白血球についてお話しします。白血球は、体を病気から守る細胞で、ウイルスや細菌と戦う働きをしています。白血球の数が増えるのは、体が炎症を起こしているサインかもしれません。たとえば、風邪をひいたり、ケガをしてばい菌が入ったりしたとき、白血球が増えて体を守ろうとします。しかし、白血球の数が増える理由はそれだけではありません。一部の血液のがん(白血病)などでも白血球が増えることがあります。

また、白血球にはいくつかの種類があります。この機械では、それぞれの種類を調べることもできます。これにより、病気の原因が細菌によるものかウイルスによるものか、感染してからどれくらい経っているのかがわかります。これらの情報を他の血液の数値と合わせて判断することで、動物の体の中で何が起きているのかを詳しく知ることができるのです。

3. 血小板の役割と検査

最後に血小板について説明します。血小板は、血を固めて出血を止める重要な役割を持っています。ケガをして出血したときに、血が固まらなければずっと出血が続いてしまいます。血小板が足りないと、血が止まりにくくなる状態になります。この機械では、血小板の数が正常かどうかを確認し、何か異常があれば病気の手がかりを探すことができます。

4. この器械を選んだ理由

私たちの病院では、血液の「生化学検査」を行う機械もアイデックス社のものを使っています。この機械と組み合わせて使うことで、血液の成分をさらに詳しく調べられるため、診察にとても役立ちます。また、同じメーカーの機械を使うことで、結果の信頼性が高まり、動物の状態をより正確に知ることができます。

この機械でできること

この機械のすごいところは、検査のスピードと正確さです。血液を少し採取するだけで、わずか2分で検査結果が出ます。これにより、飼い主の皆さんが待っている間に検査が完了し、その場で結果をお伝えすることができます。これまでは、外部の検査センターに送る必要がありましたが、この機械があれば病院内ですぐに検査ができるため、治療のスピードも上がります。

また、この機械は動物ごとに適した検査を行うことができます。犬や猫だけでなく、馬などの大きな動物の血液も調べられるため、さまざまな動物に対応しています。

5.血液検査の大切さ

血液検査は、動物が元気そうに見えても体の中で起きている病気を早期に見つけることができる大切な検査です。例えば、動物が疲れやすくなったり、食欲が落ちたりするのは、体の中で何か問題が起きているサインかもしれません。血液検査を行うことで、どのような治療が必要なのか、病気が進行しているのかなどを確認することができます。

最後に

この「自動血球計算機プロサイトDx」は、動物の健康を守るためにとても役立つ機械です。動物病院では、このような最先端の機械を使って、皆さんの大切な家族であるペットの健康をしっかりサポートしています。これからも、飼い主の皆さんが安心して診察を受けられるよう、最新の設備を整えていきます。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演