2025年3月開業!新横浜病院プロジェクト⑦ 医療機器のご紹介「歯科用レントゲン装置」

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皆様こんにちは。

アニホック動物医療センター新横浜病院の工事もいよいよ仕上げの段階に入りつつあります。現在、診察室の床材や壁の仕上げ作業が進められ、院内の雰囲気がより具体的に見えてきました。あと1か月ほどで開院を迎えると思うと、とても楽しみです。この時期はノロウイルスなどの感染症が流行しますが、ペットの感染症にも注意が必要です。特にワンちゃん同士の接触が多い場合は、ワクチン接種をしっかり確認し、感染予防を心がけましょう。また、手洗いや消毒を徹底し、衛生管理をしっかり行うことも大切です。

さて、今回は歯科用レントゲンのお話です。

動物病院で使用するレントゲン機器にはいくつかの種類があります。その中でも「歯科用レントゲン」は特殊な役割を果たしています。歯科用レントゲンがなぜ必要であり、どのように活用されているのかを詳しく解説します。

歯科用レントゲンとは?

通常のレントゲン機器は、動物の体全体や特定の部位を撮影するのに適しています。しかし、歯科の場合は少し事情が異なります。一般的なレントゲンで歯を撮影しようとすると、動物を横たえた状態で撮影するため、左右の歯が重なって映ってしまうことがあります。このような画像では、歯と歯の間の細かい状態や骨の変化を正確に把握するのが難しい場合があります。

そこで活躍するのが歯科用レントゲンです。この機器では、口腔内に専用の小型フィルムを挿入し、部分的な撮影が可能です。例えば、右上の奥歯や左下の前歯といった特定のエリアを鮮明に映し出すことができます。これにより、歯と歯茎、周囲の骨の状態を詳細に確認することができ、より正確な診断と治療が可能になります。

歯科用レントゲンの有用性

歯科用レントゲンの有用性は、動物の健康維持において非常に高いものがあります。その理由をいくつか挙げてみましょう。

1. 歯の病気を早期発見できる

歯石や歯肉炎など、動物の口腔内トラブルは見た目ではわかりにくいものです。特に歯周病は進行すると、歯茎の下の骨が溶けてしまうことがありますが、これらは肉眼で確認することができません。歯科用レントゲンを使用することで、骨の状態や隠れた病変を早期に発見でき、適切な処置を行うことが可能になります。

2. 全身の健康管理に役立つ

口腔内の細菌は、単に歯の問題にとどまらず、全身の健康に影響を与える可能性があります。歯周病菌が血流を介して体内に広がると、心臓病や肝臓障害、腎臓病などの全身性疾患を引き起こすリスクが高まります。特に高齢の犬や猫ではこれらの問題が顕著になるため、歯科用レントゲンを活用した早期診断と治療が重要です。

3. 高齢化に伴うニーズの増加

ペットの高齢化が進む中、口腔内のトラブルはますます増加しています。歯が抜けてしまうだけでなく、歯茎や骨の問題も頻発するようになります。これらの変化を正確に把握するためにも、歯科用レントゲンは欠かせないツールとなっています。

新横浜動物病院での歯科用レントゲンの導入

歯科用レントゲンを導入している動物病院はまだ少ないのが現状です。その理由として、一般的なレントゲンでもある程度の撮影は可能であることが挙げられます。しかし、新横浜動物病院では「質の高い診療を提供する」というコンセプトを掲げ、開業当初から歯科用レントゲンを導入しています。これにより、飼い主さまにより正確な診断と治療を提供できるよう努めています。

小動物への活用

歯科用レントゲンは、犬や猫だけでなく、ハムスターなどの小動物にも活用されています。通常のレントゲン機器でも撮影は可能ですが、歯科用レントゲンの小型フィルムを使うことで、より鮮明な画像を得ることができます。小さな体の構造を詳細に確認することで、適切な治療が可能となり、飼い主さまに安心を提供することができます。

歯科用レントゲンがもたらす未来

歯科用レントゲンの導入は、動物医療の質を大きく向上させるものです。これにより、口腔内の問題を未然に防ぐだけでなく、全身の健康管理にもつながります。また、飼い主さまへの説明にも役立ちます。鮮明な画像を見ながら、具体的な治療方針を説明できるため、より納得のいく診療を提供できるのです。

ペットの健康を守るためには、日々のデンタルケアも欠かせません。しかし、それだけでは見つけられない問題もあります。歯科用レントゲンを活用することで、隠れた病気を早期に発見し、適切な治療を行うことが可能です。当院では、これからも最新の技術を取り入れ、ペットと飼い主さまの健康を支える診療を目指してまいります。

最後に

もしペットの口臭が気になる、食事をするのを嫌がる、歯がぐらついているといった症状がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。歯科用レントゲンを活用した詳細な診断で、ペットの健康をサポートいたします。どんな些細なことでもお気軽にご相談いただければ幸いです。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演