犬・猫がいつものご飯を食べなくなった時の対応方法

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突然普段より食べなくなったら、とても心配になりますよね。

病気なのか、それともただのわがままなのか、気まぐれなのか?

今すぐ病院に行くべきなのか、そのまま様子を見てもよいのか?

その見極めはとても難しいと思います。

相手は生き物なので、 このパターンなら絶対にこれ!という答えはなく、 その子の状態を慎重にみて、出来る限りの判断をしていくしかありませんが、 今回は少しでもヒントになるようなお話が出来ればと思います。

ご飯を食べない主な理由

以下のような理由が考えられます。特徴を把握しておきましょう。

病気

「食欲がないなあ」「痛いから食べたくないなあ」→(食べたくても)食べられない

この場合、元気がなかったり、嘔吐や下痢、便秘といった何かしらの症状を伴うことも多いです。

わがまま、好み

「このご飯嫌い!」「食べなかったら他の食べ物をくれるかな」→(食べられるけど)食べたくない

普段と変わりなく元気もあり、オヤツは好んで食べるけど主食だけ食べない、といったケースで多いのがこれ。フードの切り替え時や、以前食べなかったときに違うものが出てきた、なんていう経験をした子も多いでしょう。

ストレス

「早くおうちに帰りたい」「落ち着かないなあ」「何だか嫌な気持ちだ」→食べたくない、食べられない

例として、ペットホテルや病院など、いつもと違う環境になった場合、ストレスを感じ食べなくなるケースがあります。

また、その他には飼い主とのコミュニケーション不足や運動不足なども原因になり得ます。

年齢的なもの

「昔のようには欲しくないんだよね」「そんなに食べられないよ」→食べたくない、食べられない

高齢になるにつれ、筋力や代謝機能、消化機能が低下するので、どうしても欲求する食事量は減っていきます。また、味覚や嗅覚も以前に比べると衰える子が多く、それが食欲の低下を招くこともあります。

通院するべきかどうか見極めのポイント

ご飯を食べないとき、一番心配なのは病気によるものです。

緊急性の高い病気の可能性もありますので、以下のような場合や、 特にパピイやシニアの動物、闘病中の動物などは様子見せず、なるべく早めに受診しましょう。

他の症状はないか?→ある場合は受診

  • 口の状態(赤みや腫れ、出血などはないか?)
  • 便や尿の状態(下痢や便秘、尿の状態や頻度に変化がないか?)
  • 嘔吐の有無
  • 元気の有無

何かいつもと違うことはないのか、出来る限り気がついてあげましょう。

何日経過しているのか?→経過によって受診

経過が長いときは受診しましょう。

以下おおよその受診目安を記しますが、個体差があり、そのときの状態にもよって大きく異なりますので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

  • 成猫:24時間以上食べていないとき
  • 成犬:3日以上食べていないとき

※それ以外の動物は基本的に様子見をしない方が安心です。

食欲がない場合の工夫

人も何となく食欲がない日があるのと同様、 病的な理由でないなら、飼い主も急がなくてすみます。

時間が解決してくれることもありますが、 以下のようなちょっとした工夫をして、食欲アップを狙ってみましょう。

温める

動物にとって一番おいしいと感じるのが体温程度に温まったもの。

食欲がないときは、少し温めてあげて、匂いも出やすくしてあげましょう。

トッピングをしたり、ゆで汁などを使う

好きなものをふりかけのようにしてまぶしたり、肉や魚のゆで汁をかけると食べてくれる場合があります。

胃腸を動かす

食べない時間が長くなると胃腸の動きが悪くなり、ますます食欲がわかなくなってしまいます。

逆に胃腸の動きが悪くなることで、便秘になり、食欲不振につながる場合もあります。

日頃から常に水分はしっかりとれるようにし、適度な運動を行いましょう。 (どうしても病気などが原因で自分では食べられないときは、強制的に食べさせて(強制給仕)胃腸を動かし、自分から食べられるように促すこともあります。)

おやつは我慢

おやつは嗜好性が高いので我慢。

また、わがままで主食を食べない場合は、「あなたが食べるものはこれしかないんだよ」と教えてあげましょう。 時間がかかる場合もあり根気比べですが、空腹に負けて食べてくれることもあります。(人がウルウルの目に負けてしまわないように・・・)

常にご飯を置いているような場合は、ある程度時間が経ったら下げてしまうのも効果があるでしょう。

最後に

動物にとって本来食事は生きるためにはなくてはならないものです。

一方で近年の動物たちは、恵まれている子が多く、その分自然界にはないような原因から、 食べなくなる時があります。 一番重要なのは、本当のSOSである際に、いかに気がついてあげられるか。

飼い主だからこそ出来ること、わかることも多いはずです。

大切なわが子が食べている様子は、飼い主にとっても最高の喜びでもあります。

末永く続くよう、これからも注意深く見守っていきましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演