犬や猫が鳴く理由と対策

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人の赤ちゃんの場合でも、 お母さんにだけは泣いている理由がわかるように 飼い主も、犬や猫の気持ちを理解できたら最高ですよね。 ますます絆が深くなるきっかけにもなりそうです。

そこで、今回は犬と猫について どんな理由で鳴いているのか、その理由と対策について一緒に考えていきましょう。

犬編

犬はコミュニケーション能力が非常に発達しており、よく鳴く動物でもあります。

一緒に暮らしていると、色々なパターンの鳴き声を聞くことができます。 鳴き方だけでなく、表情をはじめ、耳や尾の様子などもよく見てあげてください。

ますます犬の気持ちが分かってきますよ。

鳴く理由

「ワン!」「ワンワン!」

犬:「嬉しい!」「楽しい!」「頂戴!(興味)」

  • 飼い主が帰宅したときや、散歩中に友達の犬に出会ったとき
  • おもちゃなどで飼い主を遊んでいるとき
  • 食事やオヤツを見たとき

「ワンワンワンワン!!」

犬:「何だ!?(警戒心)」「近づいたら怒るぞ!(警告)」

  • 家のチャイムが鳴ったとき
  • 他の犬が近づいたとき

「キャン!」「キャイ~ン!」(動物病院でも時に聞こえるあの鳴き声・・・)

犬:「嫌だ!」「痛い!」「止めて!」「ひえ~~」

  • 嫌なことや痛いことをされる(ような気がする)とき
  • (麻酔から覚めるときなど)意識が朦朧としているとき

「クーン」「キューン」

犬:「何だか不安」「寂しい」「甘えたい」「こっち見て!」

  • 病気やケガでどこかに痛みがあるとき
  • 飼い主に遊んでほしいとき、気が付いてほしいとき
  • 雷が怖いとき

「ヴ~」

犬:「本気で怒ってます(威嚇・攻撃・警告)」「思わず出ちゃった(興奮)」

  • 大好きなおもちゃを取り上げようとしたとき
  • おもちゃで遊んでいるとき

対策が必要な鳴き方

犬の鳴き方によって、気持ちを表すことが解りました。

しかし、鳴き方やその理由によっては単なる無駄吠えとなり、 その際はマナーとしても対策が必要です。 まずは理由を突き止めて、犬の気持ちを理解した上で、 適切なトレーニングを行っていきましょう。

(以下、ご相談で多いものを記載します。)

チャイムが鳴ると吠える

犬の気持ち的には、怖がっていたり、「誰かが来た!」と教えてくれている当たり前の行動なのかもしれません。

または、チャイムが鳴ったら吠える、というイベントのようなものになっていたり、飼い主が慌てて玄関に行く行動自体が鳴くという行動を誘発をしている可能性もあります。

しかし、チャイムが鳴るたびに吠えていてはご近所迷惑にもなりかねません。

まずは飼い主も落ち着くことが大切ですが、 吠えることよりも魅力的なオヤツを使ってトレーニングを行っていくと効果的です。

    例)

  • チャイムが鳴ったらオヤツを与えて気を引く
  • ハウスに誘導する
  • そのままハウスの扉を閉めて落ち着かせる(以上を繰り返す)
  • 犬:「チャイムが鳴ってハウスに入るといいことがある」と覚えてくれる

欲求吠えをする

ご飯が欲しいとき、散歩に行きたいとき、ハウスから出してほしいときなどの鳴きに対して、 「どうした?」とついつい声をかけてしまいがちですよね。

しかし、欲求に対して鳴いた場合にそのまま応じると 「吠えたら願いがかなった!」「構ってもらえた!」と学習してしまうのです。

このままエスカレートしてしまうと、今度は願いが叶うまで鳴き続けてしまうことも考えられるので、鳴いたときには反応せず、あきらめることを覚えてもらいましょう。

これは留守番時やクレートに入れて外出する際のしつけとしても有効です。

    例)

  • ハウスに入れる
  • 鳴いたら布をかける(犬にとって嫌なこと)
  • 鳴かなくなったら布を外す(それを繰り返す)
  • 犬:「吠えなかったら布が外してもらえる」と覚えてくれる

猫編

今まで沢山の猫と出会ってきましたが、 沢山鳴く猫と、ほとんど鳴かない猫と、本当に千差万別です。 (そんな点が猫の最大の魅力かもしれませんね。)

元々単独行動の動物のため、本来必要以上に鳴く必要がないとも言われる猫ですが、 そんな猫が鳴くときはどんなメッセージがあるのでしょうか?

犬と同様、表情などもよく見て、気持ちを察してあげましょう。

鳴く理由

「にゃー!にゃー!」

猫:「ちょうだーい!」「ちょっとどうにかしてよー!」(欲求)

  • ご飯をもらう、欲しいとき
  • トイレが汚いとき
  • 遊んでほしいとき

「にゃ」「にゃーん」

猫:「はーい」「何?」「おーい!」

  • 飼い主が名前を呼んだとき
  • 飼い主を呼びたいとき

「にゃにゃにゃ」「ふにゃにゃにゃ」「にゃおにゃお」

猫:「自覚ないけど出ちゃった(興奮)」

  • おもちゃで遊んでいるとき
  • 子猫がミルクを飲んでいるとき

「シャー」「ヴー」(これも動物病院でしばしば耳にします・・・)

猫:「怒ってます」「近づくな」「攻撃するぞ」

  • 嫌なことをされたとき(爪切りなど)

(低い声で)「ニャオーン」

猫:「発情中です」

「ウニャア!」(または、普段よりよく鳴く、普段と違う鳴き方をする)

猫:「ストレスだ!」「体調が変なんです」

  • 新入りさんが来たとき
  • 病気やケガのとき

対策が必要な鳴き方(病気やケガによるものを除いてお話します)

さて、猫ちゃんにも鳴く理由があることが分かりましたが、 欲求に対する鳴き方であれば、ほとんどの場合、それに対応してあげれば収まることがほとんどだと思います。 一方で、飼い主が眠れないほどの鳴き方もあるようで、そこは何とかしたいもの。

犬よりしつけが難しいと言われている猫ですが、ちょっとした工夫をしてみましょう。

メリハリをつける

子猫のときから、遊ぶときには思いきり遊んであげ、寝るときには放っておくなど、 メリハリをつけると鳴き癖がつきにくいと考えられます。

鳴いているときには欲求を通さない

猫も学習する生き物です。欲求に毎回応じてしまえば、それを覚えてしまいます。 例えばご飯が欲しくて鳴く子に対しても、 鳴いているときではなく静かになってから与えるなどして、すぐには欲求を満たさないようにしましょう。

不満を感じない工夫

夜遊びたくて仕方がない子には、ひとりでも遊べるように工夫をしたり 夜お腹が空いてしまう子には寝る前に追加で少しごはんを与えるなども対策も一つです。

おもちゃやアプリなどの利用

近年は便利なおもちゃやアプリが沢山あり、 中には猫が夢中になって遊ぶようなものもあるようです。 ちょっと対応してあげられないときには、 そういった文明の利器を使うのも一つですね。

※犬と同様、発情中の鳴きには避妊・去勢の手術を検討しましょう。

要注意な鳴き方

私たちが泣いたり笑ったり、おしゃべりをするように 犬や猫も、気持ちの表れとして鳴いてくれます。 嬉しい、楽しい、もしくは怒りといった鳴き方もありますが、 中には、私たちへのSOSであることも多く、 そういったメッセージを見落とししてはいけません。

鳴き方でその子の状態を一番理解できるのは、 飼い主だけかもしれません。

そのためにも、普段から鳴き方をよく観察して、 動物の気持ちを少しでも理解していきたいですね。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演