メインクーンの子猫の大きさや性格は?しつけ方は?どう入手するの?

メインクーンってどんな猫?

メインクーンってどんな猫?
メインクーンってどんな猫?

メインクーンは一般家庭で飼育されている血統書のある猫種において、最大と言われている大型の長毛種です。がっちりとした骨格に広い胸幅、立派な飾り毛を持った胴長の体型をしているため、大変ゴージャスな容姿をしています。

また冬の寒さに耐えられるダブルコートの厚い被毛で全身が覆われている点も、メインクーンの特徴の1つです。但し、その毛量の多さ故に他の猫種と比べると抜け毛が多いので、1日1回のブラッシングは必須です。

そして病気については、メインクーンは遺伝的に肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)や股関節異形成症(こかんせついけいせいしょう)等の疾患にかかるリスクが高い品種です。

しかしこれらの疾患は検査により発見することができます。メインクーンの遺伝子異常は発見後、発症し得る確率を確認することが可能なので、ワクチン接種や健康診断の際に獣医師に相談をすると良いでしょう。

さらにメインクーンは体の大きさ故に、他の猫種とは異なるお世話等があります。そのため以下では、メインクーンの大きさや体重、運動等についてご紹介します。

メインクーンの大きさ

メインクーンの子猫の大きさは、他の猫種とあまり違いがありません。しかし長毛種である点や個体によって成長スピードが違う点から、多少成長が早いと感じる場合もあります。

他の猫との違いは成長し続ける期間であり、猫は通常1年程度で成長が止まります。しかしメインクーンの場合は、2~3年を掛けて徐々に成長をし続けます。

その結果、成猫になると鼻先から尻尾まではおよそ1mにもなる個体がいます。

メインクーンの1歳までの体重

メインクーンの子猫は他の猫種と大きさがあまり変わらないとはいえ、生まれたときの体重が他の猫種より若干重いので、それに合わせたスピードで成長をします。

以下では、メインクーンの月齢毎の体重を表記しています。

  • 1ヶ月齢 500g~1kg
  • 2ヶ月齢 1~1.5kg
  • 3ヶ月齢 1.5~2kg
  • 4ヶ月齢 2~3kg
  • 5ヶ月齢 3~3.5kg
  • 6ヶ月齢 3.5~4.5kg
  • 7ヶ月齢 4.5~5kg
  • 8ヶ月齢 4.5~5.5kg
  • 9ヶ月齢 5~6kg
  • 10ヶ月齢 5~6.5kg
  • 11ヶ月齢 5~7kg
  • 12ヶ月齢 5~7.5kg

これはあくまでおおよその基準であり、適正体重というわけではありません。成長スピードには個体差があるため、お腹が地面に付いたり腰の骨が浮き出たりしていなければ、肥満や痩身を気にする必要はありません。

また体の大きさと同様に、体重も1歳以降でも増え続けることがあります。最終的にはオスで6~8kg、メスでは4~6kg程度になります。中には10kgを越えるメインクーンもいるほど大型の猫です。

メインクーンの運動

メインクーンは他の猫と比べて体が大きいため、必要なスペースもその分広くなります。飼い猫が運動不足にならないよう、キャットタワーやキャットウォーク等を利用して、猫が移動できる広さや高さを確保してあげましょう。

1日1回は飼い主さんが一緒に遊べる時間を作る必要がありますが、多忙によりどうしても遊べない時のためにも、上記のような事前の準備が必要です。

メインクーンに適したトイレやキャリーの大きさについて

トイレやキャリーケースも遊び場同様、十分な広さを確保する必要があります。特にトイレは狭過ぎると居心地が悪く感じるため、トイレを我慢して膀胱炎になったり粗相してしまったりする原因にもなり得ます。

子猫の時期でも将来大きくなることを考慮し、十分な大きさのトイレやキャリーケースを揃えておいてあげましょう。

メインクーンの性格は?オスとメスで違う!?

メインクーンは別名ジェントルジャイアント(優しい・穏やかな巨人)と呼ばれるほど、温厚な猫種です。そんなメインクーンのスタンダードな性格には以下の特徴があります。

  • 穏やか
  • 温厚
  • 大人しい
  • 飼い主に忠実
  • 人懐っこい
  • 聞き分けが良い

メインクーンは動くものには機敏に反応する、ハンター気質が強く残っています。これはメインクーンの祖先がネズミを捕まえるワーキングキャットとして飼育されていた歴史があるためと考えられています。

そのためメインクーンに与えるおもちゃは猫じゃらしや動くおもちゃ等、追い掛けることができるものを喜ぶことが多いです。

またメインクーンも他の猫種と同様、性別により性格の違いが多少あります。

オスのメインクーンは、人懐っこい性格がメスより強く出る傾向があります。また甘えん坊でいたずらっ子、喜怒哀楽が分かりやすいことが多く、犬のような性格といわれています。

一方、メスのメインクーンは大変猫らしい性格で、大人しく単独行動を好む傾向があります。繊細で心穏やかな日々を好む個体が多いのも、メインクーンのメスに見られる特徴です。

このようにメインクーンも他の猫種同様、オスとメスで性格に差があるため、これからメインクーンの飼育を検討している場合は性別による性格も併せて考慮してみると良いでしょう。

どんな色のメインクーンがいるの?

メインクーンの毛色は、ブラック、ホワイト、レッド、グレー(「ブルー」と呼ぶこともある)、クリーム等、バラエティーに富んでいます。

またソリッド(単色)やタビー(縞模様)、キャリコ(三毛)等、柄も豊富なため、全部で30種類以上のバリエーションがあります。そしてその中で最も一般的な毛色は、ブラウンタビーと呼ばれる茶色い縞柄です。

ブラウンタビーの毛色を持つメインクーンの子猫は人気が高いため、ペットショップやブリーダーの直営店でも頻繁に取り扱いがされています。そのため入手は難しくありません。

一方、被毛が黒のメインクーンは珍しく大変人気が高いため、黒のメインクーンを専門的に扱っているブリーダーもいます。

メインクーンはどういう風に鳴くの?

メインクーンはとても温厚な性格の猫種であるため、滅多に鳴きません。しかし鳴く時は容姿に反して、甲高く可愛らしい声で鳴きます。これは性別を問いません。

また鳴き方も特徴的で、一般的な猫の鳴き声である「ニャー」という鳴き声に加え、喉を鳴らすような「ゴロ」という鳴き声を合わせた声を出します。

ちなみに、個体によっては甘えたような声で鳴くメインクーンもいます。いつまでも子猫のような仕草が見られる点もメインクーンの魅力の1つです。

メインクーンにも短毛の子はいるの?

メインクーンは長毛種ですが、ブリーダーによっては短毛と長毛の中間程の毛の長さである中毛種のメインクーンを扱っていることがあります。

性格や体格等を気に入り、メインクーンを飼いたいと思ったものの長い被毛を毎日お手入れできない人は、この中毛種のメインクーンを検討してみるのも良いでしょう。

中毛種のメインクーンをペットショップで見掛けることは滅多に無いので、ブリーディングをしている猫舎に見学へ行ったり、ペットショップで問い合わせをしたりすることをおすすめします。

またメインクーンらしいゴージャスな長毛が好ましい人は、キャットショー用に繁殖をしているブリーダーから購入すると良いでしょう。

キャットショーにエントリーするメインクーンは健康状態やパフォーマンスだけでなく、容姿も審査基準となるため、被毛が実に豊かで美しいです。

メインクーンの子猫にどんなしつけをすればいい?

メインクーンは性別を問わず、飼い主に従順で賢い性格の猫種です。そのため他の猫種と比べてしつけがし易いです。これもワーキングキャットとして活躍していたためと考えられています。

トイレや爪研ぎの場所を教えると直ぐに覚えるだけでなく、粗相や、家具での爪研ぎをすることはあまりありません。猫は犬と比べてしつけが難しいものの、メインクーンは初めてでも飼いやすい猫種です。

トイレを中々覚えられない場合は、粗相をする場所に柑橘系の香り付きスプレーを吹き掛けたり、うんちやおしっこを拭いたティッシュ等をトイレに入れておいたりする等の対処をすると、当日に改善できることもあります。

このように、メインクーンは小さなことを気にしない性格をしています。そのため他の猫や犬との同居も比較的抵抗無く受け入れることができます。

メインクーンの子猫に合うエサは?

メインクーンはエサにおいても気配りが必要です。

メインクーンは大型の長毛種のため、抜ける毛の量が他の猫種より大変多いです。グルーミングによって飲み込んだ抜け毛は多くの猫種が上手に排出できる一方、メインクーンは胃や腸等の消化管内に詰まらせる個体も居ます。

これは毛球症(もうきゅうしょう)という病気で、長毛種の猫には特に多いです。主に薬や食事療法により便と共に体外へ排出する方法を図りますが、毛玉が腸で完全に滞ってしまった場合は除去手術をすることがあります。

そのため日頃のブラッシングに加え、毛玉ケア用のフードを与えることが推奨されます。

また毛球症を防止するため、ブラッシングはできれば毎日行って下さい。ブラッシングが嫌いな子の場合は、濡れたタオルで体を拭いたりグローブ型のブラシを用いたりしましょう。

ブラッシングによってグルーミングによる抜け毛の誤飲を少しでも減らすことで、毛球症は未然に防ぐことができます。

メインクーンの子猫を選ぶうえでのポイントは?

まずはメインクーンを家に迎え入れた後の生活をイメージして下さい。

メインクーンと一緒にゆっくりとした日々を過ごしたいのであれば、大人しい個体を選びましょう。そしてメインクーンと一緒に遊びたいのであれば、元気で活発な個体を選ぶと良いでしょう。

メインクーンは犬のように従順な猫種のため、飼い主さんが求める性格によって子猫を選ぶと最良のパートナーとなってくれます。そのため気になる子猫が居たら、まずはブリーダーやショップ店員に性格を尋ねましょう。

また、飼い主さんのライフスタイルも考慮する必要があります。仕事等で家を長時間空ける家庭の場合、甘えん坊な個体には耐えがたいことです。このような場合は、自立した性格の個体を選ぶと良いでしょう。

このように、飼い主さんのライフスタイルに合わせて猫の性格を選ぶことも大切です。

メインクーンはどう入手すればいいの?

メインクーンの入手方法は、大きく分けて3種類あるのでご紹介します。

入手方法1. ペットショップ

まずはペットショップです。猫の飼育に無縁な人にとっても、最も身近なメインクーンの入手先です。

ペットショップの利点は、購入後の保証やサポートが整っている点です。そのため生体価格に加えてサポート費用や短期保険費等の費用が必要となります。

生体価格の相場は20~30万円ですが、上記以外にもワクチン料やマイクロチップ料等、その他の費用も必要となるため、生体価格に5~10万円が上乗せされます。

但し、生後2~3ヶ月の時期に売れずに生後5ヶ月前後まで成長した子猫や、先天性の疾患を抱えている可能性がある子猫は、上記の目安より安価になることもあります。

入手方法2. ブリーダーの猫舎

メインクーンは人気がある猫種のため、全国各地にブリーダーが点在しています。

ブリーダーから直接入手する利点は、血統が決まっているので性格が予測しやすく、ペットショップに比べると格安であることです。

しかし中には悪質なブリーダーも居るため、ホームページ等で気になる子猫を見つけたら、まずは見学を希望している旨を伝えましょう。稀に感染症等を理由に猫と対面しての見学を断られる場合があります。

その場合はガラス越しでの見学をお願いされることがあります。但し、見学事態を断るブリーダーは注意して下さい。疾患を抱えた子や狂暴な子を売られることがあります。

ちなみにブリーダーからメインクーンの子猫を購入する場合、生体価格の相場は8~25万円と開きがあります。しかし年齢や毛色による差なので心配無用です。

入手方法3. 里親募集

里親募集は、シェルター型の猫カフェや掲示板、里親募集サイト等で行われています。扱われているのは捨てられて保護された猫達や、やむを得ない事情で手放されることになってしまった猫達です。

里親募集でメインクーンの子猫を入手する利点は、安価もしくは無料であることです。また生後6ヶ月を過ぎた子猫の場合はしつけが完了しており、性格も完成しているため、迎え入れてからのしつけが楽です。

但し、飼い主さんが変わることによる猫へのストレスは大きいので、新しい飼い主さんとそのご家族によるメンタルケアが必須となります。初めて猫を飼われる場合はそのケアに苦労されるので、それ相応の覚悟が必要です。

また里親募集で扱われている猫の多くは成猫ですが、稀に子猫もいます。メインクーンの子猫が欲しい場合は日頃からホームページ等をよく確認しておきましょう。

メインクーンは穏やかで寛容な性格をしており、しつけは比較的簡単に行えるので、猫の飼育が初めての人でも飼いやすい猫です。

子猫を迎えた後にスムーズに飼育が始められるように猫との生活を事前にイメージし、どういう性格の猫が欲しいかよく考えておきましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演