ベンガル猫がなりやすい病気・ケガ、性格も解説

ベンガル猫がなりやすい病気・ケガ

ベンガル猫がかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。

  • 猫伝染性腹膜炎(FIP)(ねこでんせんせいふくまくえん)
  • ピルビン酸キナーゼ欠損症(ぴるびんさんきなーぜけっそんしょう)
  • 子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)
  • ベンガル網膜症(べんがるもうまくしょう)
  • 多発ニューロパチー(たはつにゅーろーばちー)
  • 白内障(はくないしょう)
  • 胸壁の奇形(きょうへきのきけい)

ベンガル猫の特徴

ベンガル猫の歴史

ベンガルはイエネコとヤマネコの交配によって誕生した品種です。

それは、1963年にアメリカ人繁殖家ジーン・サグデン・ミルズの一つの試みから始まりました。

ミルズは一頭のヤマネコ、アジアン・レパード・キャットを手に入れ、自らの黒毛のオス猫と交雑を行いました。交配が成功して生まれた子猫(F1世代)は最初のうちはヤマネコ同様の柄があったものの、成猫になると父猫の黒毛に覆われてしまいました。ところが、黒毛のメスの子猫(F1世代)が産んだ猫たち(F2世代)は、ヤマネコのようなスポットを持っていたとされています。

しかし、事情によりミルズは、F3世代を見ることなく、繁殖を一時中止することになりました。

その後、1970年代になると同じカリフォルニアのロマ・リンダ大学のウィラード・センターウォール医師は、猫白血病に対して先天的な免疫力を持つヤマネコ(アジアン・レパード・キャット)の研究をし、ワクチンを作るために野生のヤマネコとイエネコのハイブリッド種を育成していました。この時生まれた生まれた子猫は育種を再開したミルズに渡され、このF1世代を基礎に改めて繁殖と育種の途につくことになりました。

1983年に、ミルズはTICAにベンガルの登録を申請し、予備登録が認められて、育種のために観察期間が開始されました。2年後の1985年、初めてキャットショーに出陳されたベンガルたちは、猫好きの飼い主や繁殖家たちから大絶賛を受け、野性的な美しさと個性に魅了された繁殖家が次々と交配に乗り出し、アビシニアン、アメリカンショートヘア、エジプシャンマウ、シャムや世界各地の短毛の土着ネコなどと育種を進めました。この時の交雑により、ベンガルは十分な遺伝子プールを持つことができたため、純血の猫種として確立することになりました。

21世紀の現代では、ベンガルを基礎にオシキャットやシャムなどを交配し、新しい猫種の作出も行われるようになりました。

TICAでは今日までに6万頭以上のベンガルを登録しています。イギリスの団体であるGCCFもベンガルの登録を受け付けてます。しかし、野生ネコの交雑を禁じているCFAではベンガルの登録を認めていません。

TICAでは3世代の中にアジアン・レパード・キャットがいる時は、その子猫のショーへの出陳を禁じています。F1やF2など祖先に近いほど野性味が強く、家庭で飼いやすくなるのは4世代目のF4以降と言われています。

なお、現在はアジアン・レパード・キャットの輸出や飼育は、法律の制限により難しくなっています。

ベンガルにはロングヘアが生まれることがしばしばあります。ロングヘアの種は別猫種として登録をするため、一部の血統登録団体で予備登録が行われています。また、そのロングヘアのベンガルは「カシミア(Cashmere)」と呼ばれることもあります。

ベンガル猫の大きさ・見た目

やや幅の広いくさび型の頭で幅の広い鼻筋、ややつり目のアーモンド形の目をマスカラと呼ばれるアイラインが縁取っています。

イエネコより背骨が一節多いベンガルは胴体が長く、がっちりとした筋肉質で、中型からやや大きめのロング&サブスタンシャルタイプです。

ベンガルの毛色はブラウン、シルバー、ホワイトの3色の毛色に、2つの模様の組み合わせが基本となります。模様は、ロゼットと呼ばれる特徴的なヒョウ柄以外に、タビーやマーブルような縞があり、シルバーにはスモークが出ている場合と、公認色ではありませんが、ブルーやブラックも存在しています。

体重は3.5~8㎏、平均寿命は14歳~16歳ほどです。

ベンガル猫の性格

ベンガルは野性的な見た目からは想像できないですが、温和で甘えん坊な性格です。運動量が多く、遊び好き、ハンティングも好きで、猫としては珍しく水遊びも好きな性格をしています。

視覚や聴覚、嗅覚が発達しており、敏感に反応を示しますが、神経質なわけではありません。

また、ベンガルはこちらが話しかけると応えるように鳴いたり、かまってほしい時やごはんが欲しい時に鳴くなど、会話をしているように鳴く、言葉でのコミュニケーションが取れる猫です。

ベンガル猫を飼うときの注意点

動き回る場所の確保

ベンガルはとにかくよく動く猫です。そのため、走り回るための十分なスペースが必要となり、狭い場所での飼育は運動量が多いベンガルにとってストレスになってしまいます。しかし、走り回れる広さがあってもぶつかって怪我をしてしまうようなものがあっては危険ですので、なるべく角を保護して怪我をさせないような工夫をしましょう。

また、ジャンプで上下運動ができるようにすると運動量も増えるので、高さのあるキャットタワーの設置がベンガルの飼育には必要になります。ベンガルは色んな所にジャンプしたがるので、壊れると困るものやイタズラされたくないものは出しっぱなしにせず、しまっておくようにしてください。

一緒に遊ぶ時間を作る

遊び好きのベンガルは人に遊んでもらうのも大好きです。できる限り飼い主がたくさん遊び相手になってあげることが必要になります。

遊ぶ時間が足らずに運動不足になると、ストレスが溜まってしまう上、ストレスから病気になるリスクを高まります。その予防のためにも遊び相手になってあげましょう。

また、忙しくて一緒に遊ぶ時間がとれない飼い主は、猫の多頭飼いをオススメします。ベンガルは社交的な猫なので、ひとりで留守番をするよりは複数の遊び相手がいる環境の方がストレスを感じにくいため、可能であれば検討しましょう。

しかし、家で過ごせる時間がある場合は、ベンガルと一緒に遊んでコミュニケーションを取るようにしましょう。ベンガルと遊ぶことは運動不足の解消に繋がるだけでなく、猫と飼い主の関係をより深くしますので、積極的に遊んであげるようにしましょう。

手入れはほどほどで十分

ベンガルはシングルコートの短毛種なので、抜け毛が少なく、手入れがしやすい猫です。

普段のお手入れは毎日する必要はなく、ブラッシングを週に1~2回してあげる程度で十分です。ブラッシングはベンガルとのコミュニケーションにも繋がるので、お手入れ目的だけでなく、積極的にしてあげるようにしましょう。

また、室内飼いの場合は被毛が汚れることも少ないはずなので、シャンプーの目安も年に1~2回程度で問題ありません。しかし、外に出していて泥が付いて戻ってきたり、室内での別の要因で汚れてしまった場合などはシャンプーをしてあげましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演