ペルシャ猫がなりやすい病気・ケガ、性格も解説

ペルシャ猫がなりやすい病気・ケガ

ペルシャ猫がかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。

  • 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
  • 猫伝染性腹膜炎(ねこでんせんせいふくまくえ)
  • 下部尿路症候群(かぶにょうろしょうこうぐん)
  • レーベル先天黒内障(れーべるせんてんこくないしょう)
  • 流涙症・短頭種気道症候群(りゅうるいしょう・たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
  • 皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)
  • 肥満(ひまん)
  • 水頭症(すいとうしょう)
  • 眼瞼内反(がんけんないはんしょ)
  • α-マンノシドーシス(あるふぁまんのしどーしす)
  • 進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)

ペルシャ猫の特徴

ペルシャ猫の歴史

ペルシャは、様々な純血種の猫の中でも最も古い品種の一つとされており、はっきりとした起源は判明していません。

象形文字で書かれた古代の文書にさえ、ペルシャを想像させる長毛猫の記述があるほどで、16世紀頃にはトルコ経由でイタリアに入った長毛の猫があり、これがペルシャまたはターキッシュアンゴラであると考えられてきました。

ペルシャの祖先として文献上に登場する猫は2頭おり、1頭は1620年、ピエトロ・デラ・ヴァレという人物がペルシャからイタリアに持ち込んだ猫で、もう1頭は同じ時期にニコラス・クリード・ファブリ・ド・ペイレスクという人物がアンゴラ(現在のアンカラ)からフランスに持ち込んだとされる猫です。

前者の猫が灰色だったのに対し、後者の猫は白かったと文献には残っており、これらの猫とアフガニスタン、ビルマ、中国、ロシアなどから輸入された長毛の猫とが交配し、今のペルシャの原型が作られたと考えられています。

1871年にロンドンで開かれたキャットショーに初登場してから品種改良が重ねられ、現在では「猫の王様」という異名を持つほど人気を博しています。

18世紀頃にはヨーロッパ各地の上流家庭で飼育される人気のペットとなり、イギリスで初めて行われたキャットショーに出陳され、19世紀にはアメリカに輸出されることになりました。

19世紀以降、長い間にわたって、安定した人気を得ていたペルシャですが、20世紀以降、より鼻が短くなることを目的にした選択交配がされました。特に、犬のペキニーズを真似てレッド系の毛色を使って短頭化したものは「peke-face(ペキフェイス)」と呼ばれ、一部に愛好家がいましたが、1958年から1995年までわずかに98頭が登録されただけとなり、原因は極端な短頭で涙道が短くなり常に涙があふれる、また鼻腔狭窄により呼吸困難になるなど、健康上の問題がクリアできなかったものと考えられています。

欧米の一部では、鼻の低いエクストリームタイプがキャットショーなどで好まれていますが、家庭では健康上の問題がより少ないトラディショナルタイプのペルシャに人気があるようです。

ペルシャは他の様々な猫種の基礎となり、あるいは近親交配による弊害を避けるための異種交配の相手としても使われてきました。ペルシャが基礎となった猫種としては、シャムとペルシャの交配で生まれたヒマラヤンや、ブリティッシュショートヘアとの交配で生まれたエキゾチックショートヘア、特定の顔立ちと毛色の傾向を選択交配したチンチラなどが知られています。

ペルシャ猫の大きさ・見た目

ペルシャ猫は全身を豊かな長毛に覆われ、脚は短く、金銅色の大きくて丸い目と低い鼻、耳の間が離れているという特徴があります。

短い体長に筋肉もしっかりついている中型コビータイプの代表的な猫です。

潰れた鼻の高さによって、古くからのタイプであるトラディショナルと、より鼻がつぶれているエクストリームの2つのタイプが存在します。

毛色は単色ならばホワイト、クリーム、ブルー、レッド、各色のタビー、またはバイカラーやキャリコ、スモークなどがいます。また、ヒマラヤンを単猫種として認めていない団体では、ヒマラヤンのカラーパターンもペルシャとして認めているようです。

体重3.2~6.5㎏、平均寿命は12歳~17歳ほどです。

ペルシャ猫の性格

ペルシャは穏やかで落ち着きのある性格で、上品という表現がふさわしいほど、人との距離を取るのが上手な猫です。

甘え過ぎず、神経質でもなく、我が強いわけでもない、子ども相手に撫でられるのは許すものの、一緒に遊ぶのは拒否したりします。

足が短いこともあり、高い場所に登りたがったり、大きな声で鳴いたりすることもほとんどないので、いるかいないのかわからないほどの静かさもまた、品の良さを感じさせてくれます。

ペルシャはゆったりとくつろぐことが好きで、あまり興奮することもありません。

留守番をしていても寂しがることはありませんが、家族のことはきちんと認識している賢い猫です。

ペルシャ猫を飼うときの注意点

きつく叱らない

温厚で争いごとを好まない性格の猫なので、何か失敗をしてしまった時やイタズラをしてしまった際に、きつく怒ってしまうと、飼い主を敵とみなして怖がってしまうことがあります。強く起こりすぎないようにしましょう。

環境の管理は大切

ペルシャはつぶれた鼻が特徴的な猫ですが、犬のパグやブルドッグ同様に短頭種は呼吸がしづらい鼻の形をしているため、夏の暑さに弱く、運動後も熱が体内にこもりやすく呼吸がしづらくなりやすいです。暑くなり過ぎない環境にするため、温度管理はしっかりとしましょう。

また、ペルシャは眠るのが好きな猫で、1日16時間は眠っているといわれています。少し長い気もしますが、これは病気というわけではないのでそっと寝かせてあげましょう。眠っているペルシャがゆっくり休めるような環境を作ってあげると良いです。

どの猫にもいえますが、トイレの場所を覚えるまでいろんなところで粗相をしてしまいます。トイレに行きたいサインが見えたら、ペルシャを抱っこしてトイレまで連れていき、そこがトイレだと覚えるまで繰り返し教えましょう。また、その際に粗相をした場所を綺麗に掃除せず臭いが残ってしまうと、その場所をトイレだと勘違いしてまた粗相を繰り返してしまいかねないので、後始末はきちんとするようにしましょう。

肥満に気を付ける食事

美しい被毛を保つために栄養バランスの良い食事は重要となりますが、ペルシャは運動を好まない猫なので食事量に気を付けないとすぐに肥満になってしまいます。

餌の与えすぎをしないよう、適量を与えるようにしましょう。

運動は適度に

ペルシャはあまり運動を好まないうえ、マイペースな猫なので、構いすぎもストレスに繋がってしまいます。ペルシャの方からかまってほしそうな行動をとらない限りは放っておくようにし、遊びたがった場合は相手をしてあげるような程よい感覚で遊んであげるようにしましょう。

また、通常のキャットタワーは上下運動をしてストレス解消のために用意するものですが、ペルシャは寝ることを好む猫なので運動用というよりは低めで快適に眠れるようなものを選んで設置するとペルシャも喜んで使ってくれるでしょう。

手入れはしっかりと

ペルシャは毛並みだけでなく、様々な手入れが必要になります。

ペルシャの被毛は上毛と下毛のダブルコートで毛量も多く、長さもあるのでもつれやすくなっています。そのため、手入れを怠るとすぐに毛玉になってしまうので、ブラッシングとコーミングは1日1回、換毛期は1日2回はするようにし、シャンプーは月1~2回の頻度でしてあげましょう。

ぺちゃ鼻が特徴であるペルシャは鼻に関する病気になりやすいため、鼻も定期的にお手入れしてあげると良いでしょう。濡れたガーゼで鼻の穴やその周辺を優しく拭き取ってあげることで清潔に保つようにします。

ペルシャの鼻の構造上、目と鼻を繋ぐ鼻涙管という涙が通るための管が曲がってしまっているため、常に涙や目ヤニが出ている状態です。なので、こまめに目のあたりを拭いてあげないと涙やけになり、被毛が変色してしまうこともあるので、清潔に保つようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演