シャム猫がなりやすい病気・ケガ、性格も解説

シャム猫がなりやすい病気・ケガ

シャム猫がかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。

  • 眼球振盪(がんきゅうしんとう)
  • 角膜黒色壊死症(かくまくこくてんえししょう)
  • 進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)
  • 慢性腎不全(まんせいじんふぜん)
  • 先天性難聴(せんてんせいなんちょう)

シャム猫の特徴

シャム猫の歴史

「シャム」というのはもともとタイ王国の呼び名です。詳細な原産地は解明されていませんが、タイに古代から伝わる猫だとされています。

シャムネコを買うことが許されていたのは富裕層や支配階級、寺院のみで、庶民には飼うことが許されていない猫でした。

18世紀、タイでは「Tamra Maew」という名前の猫の詩集が記されています。当時から紀元1300年頃までに遡って存在した23種類の猫たちの詩を集めたものです。その中でシャム猫は「”幸運を呼ぶ猫”ウィンチアンマート」として紹介されています。この詩集で紹介された猫のうち、現存するのはシャム猫などの5頭のみで、ほかの猫については絶滅していると考えられています。

シャムという名前で呼んでいるのは日本だけで、海外ではサイアミーズ(Siamese)と呼ばれています。地元のタイでは「Wichien-maat」と呼ばれており、これは「月のダイヤモンド」を意味しています。

タイから西欧にシャムが渡ったのは1878年、タイ・バンコクのアメリカ領事から当時のアメリカ大統領ヘイズに贈られたものが最初とされています。

また、シャム猫がタイ国外で広く知られることとなったのは1885年のことです。タイ・バンコクのイギリス総領事館に勤めていたエドワード・ゴールドが帰国する際に、「フォー」と「ミア」という名前のつがいのシャム猫を購入しました。イギリスに渡ったシャム猫は、翌年の1885年に開催されたキャットショーで数々の賞を総なめにし、一躍人気の猫種となりました。

その当時のシャム猫は、ブルーポイントの毛色だったと伝えられています。その美しい毛色と透き通った瞳から、猫愛好家の間で大変人気となりました。

そして1890年代になると、イギリスではシャム猫の繁殖が行われるようになり、海外へと輸出されていきます。

第1次・第2次世界大戦の時代になると、食糧難などの影響もあり、絶滅の危機に瀕してしまいます。ペルシャ猫の人気が増えていたこともシャム猫減少に拍車をかけることとなりました。

戦後、絶滅の危機に瀕していたシャム猫を復活させるため、交雑が行われました。この交雑の結果、シャム猫は大きく2つのタイプに分かれることとなります。V字型の頭と細身の体というプロポーションが以前よりもより一層協調されたものをモダンスタイル、交雑前の丸みを帯びたプロポーションに近いものをトラッド(オールド)スタイルと呼びます。

キャットショーではモダンスタイルばかりが評価される時代がありましたが、その状況に危機感を持った繁殖家たちがトラッドスタイルの繁殖も行うようになりました。これは1980年ごろから始まります。熱心な繁殖家たちにより、オールドスタイルのシャム猫は「タイ」という新しい名前で、2009年にTICA(猫の世界最大の血統登録機関)に登録されることになりました。

シャム猫の大きさ・見た目

体重は2.5~5kgが標準とされています。

手足や尻尾は細く、洗練された美しさを持つオリエンタルタイプです。

シャム猫の一番の特徴は顔・耳・手足・尻尾の色が濃くなっているポインテッドカラーとサファイヤブルーの瞳です。高貴で優雅な美しさが感じられます。

被毛は短毛で、毛色はシール・ブルー・チョコレート・ライラックの4色が認められています。

シャム猫の性格

一見クールに見えるシャム猫ですが、実際は社交的で甘えん坊の猫種です。信頼関係を築きあげることができれば、甘えん坊な面を見せてくれるでしょう。

一方で、警戒心が強く、わがままな性格の持ち主でもあります。飼い主さんには甘えていても、初対面の相手には警戒心をむき出しにすることがあります。また、自分がほしいタイミングで餌をくれなかった、遊んでほしいときに遊んでくれなかった、長時間の留守番が寂しかったなどの理由で拗ねてしまい、飼い主さんの言うことを聞かなくなることがあります。そんな時には、しかるのではなく愛情を持ってたくさん構ってあげてください。

いたずら好きな面もあります。壁や家具をひっかいたり、めがねを隠したりします。かわいらしいイタズラもありますが、中には困ったイタズラをするときがあるので、その際はしっかりとしつけを行いましょう。

猫の中でも特に運動が大好きな猫種です。部屋中を駆け回ったり、高いところに上ったりと非常に活発です。してはいけないことや入ってはいけないところなどはしっかり教えましょう。

シャム猫を飼うときの注意点

シャム猫の平均寿命は10~13歳と一般的な猫の寿命である15歳と比べると少し短いです。また、シャム猫は病気になりやすい猫種でもあります。元気で長生きできるよう、健康管理や体調管理には気をつけましょう。

先ほども述べた通り、イタズラ好きで運動大好きな猫種です。そのため、怪我をすることが多くなります。遊び場の家具の配置を変更するなど、配慮が必要です。

シャム猫は短毛種であるため、そこまでブラッシングに熱心にならなくても問題はありません。1日1回程度ブラッシングしてあげるだけで十分でしょう。

シャム猫は甘えん坊で可愛らしい性格ではありますが、気難しい面も持ち合わせています。そのため、初心者向けの猫種というよりは、どちらかというと中・上級者向けの猫種だと言えるでしょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演