ヒマラヤンがなりやすい病気・ケガ、性格も解説

ヒマラヤンがなりやすい病気・ケガ

ヒマラヤンがかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。

  • 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
  • 流涙症(りゅうるいしょう)
  • 熱中症(ねっちゅうしょう)

ヒマラヤンの特徴

ヒマラヤンの歴史

スウェーデン人の研究者が、シャム猫のポイントカラー(耳、顔、足の先端、しっぽだけが濃い毛色)とペルシャ猫の長毛といった二つの特徴をもつ猫を作出しよう考え、その際に作出された猫がヒマラヤンだと言われています。

しかし、この交雑は思ったようにはいかず、ペルシャ猫のような体系にならない、目の色がきれいに出ないなどイメージ通りの猫が生まれてくることはありませんでした。交雑がここまで困難であった理由は、ペルシャの長毛とシャムのポイントカラーの遺伝子は両方とも劣性遺伝だったためです。そのことを聞いたイギリスとアメリカの愛好家や繁殖家たちは、自らの国でそれぞれ育種を手がけることとなります。

そして作出されたのが、丸々とした体型、つぶれた顔、ふさふさの長毛に温和な性格をペルシャから受け継ぎ、シャムからはその特徴的なポイントを受け継いだヒマラヤンです。ヒマラヤンが作出されるまでにおよそ30年の月日がかかったとされています。

イギリスでは、比較的早いうちからシャムとペルシャの交雑猫が作出されており、「クメール」という名前で呼ばれていたようです。ただ新しい猫種として本格的に育種されるようになったのは遅く、GCCFに登録されたのは1955年になってからのことでした。

アメリカでは、ペルシャの純血ではない長毛のクロネコとシャムを交配させ、さらにペルシャ、シャムとの交雑を行うことで育種が進められました。その結果、1957年にヒマラヤンのような理想的な猫が誕生し、「デビュタント」と名付けられました。これが現在のヒマラヤンの基礎猫となります。デビュタントは、1957年にTICA、CFAに公認されました。しかしこの当時は、ヒマラヤンという独立した品種ではなく、ペルシャのバラエティのひとつという分け方になっていました。なぜならCFAでは、独立した猫種とするには同じ特徴の子孫が少なくとも3世代に続いて確認できることを条件としていたからです。毛色はポイントが入るようになったものの、顔立ちがシャム寄りでペルシャよりも鼻が高いなど、独立した猫種として安定していませんでした。

このような課題を踏まえて改善を重ねることにより、ペルシャにより近い容姿となり、1970年代になってようやく理想に近いスタイルとなりました。

ヒマラヤンは1957年以降、CFAだけで34万頭以上が登録され、長年にわたってキャットショーで数々の賞を獲得するような人気猫種なります。

しかし現在もCFAではヒマラヤンを「ヒマラヤン・ペルシャ」と名づけており、いまだにペルシャ猫の一種とみなされています。ヒマラヤンはいまでも愛好家や繁殖家によって改良が続けられている猫種なのです。

ヒマラヤンの大きさ・見た目

平均体重は、オスが4.0kg~6.1kg、メスが3.2kg~5.0kgとなっています。

ペルシャ猫のような短い首、短い足、丸い体系、長い被毛を持つ中型の猫です。一見ぽっちゃりしているように見えますが、筋肉質でがっちりとした体型です。

顔・耳・四肢・尻尾にはシャム猫の特徴であるポイントカラーを持っています。ヒマラヤンのポイントカラーは、ポインテッドカテゴリーの全ディビジョン・全カラーが認められています。毛のカラーにはシール、ブルー、ライラック、チョコレート、クリームなどがあります。

ヒマラヤンの顔には2種類のタイプがあります。ひとつは「トラディショナル」です。トラディショナルは一般的な猫と同じような顔立ちで、鼻筋が通っています。もうひとつは「エクストリームフェイス」です。エクストリームフェイスは、つぶれた鼻が特徴的な顔立ちをしています。

ヒマラヤンの性格

ヒマラヤンの性格はペルシャ猫に似て、温和でおっとりしていると言われています。基本的にはとてもマイペースな猫種です。

人間だけでなく、ほかのペットとも仲良くできるような友好的な面があります。

運動はあまり得意ではありませんので、激しく動き回るようなことは好きではありません。お気に入りの場所でのんびり床を転げるような、おとなしい遊び方を好みます。

めったに鳴くことがなく、おとなしい猫種です。マンションなどの集合住宅向きと言えるでしょう。

ヒマラヤンはペルシャ猫のおっとりとした性格と、シャム猫の友好的な性格を併せ持っている猫種です。そのため初心者の方でも飼いやすい猫種だといえます。

ヒマラヤンを飼うときの注意点

ヒマラヤンの大きな特徴のひとつである、長くてふわふわな被毛にはこまめなお手入れが必要不可欠です。朝晩2回のブラッシングは欠かせません。さらに、2〜3週間に一度はシャンプーしてあげるとなおいいでしょう。

毛が繊細なのでもつれやすく、もつれると切るほかありません。しっかり丁寧にお手入れをする必要があります。

また、ふさふさで長い被毛であるがゆえに体温調節が苦手です。室温調節には気をつけてください。冬場の乾燥にも注意が必要です。乾燥のせいで静電気が起こり被毛がもつれたり、感染症にかかりやすくなったりします。

ヒマラヤンはお気に入りの場所でゆっくり休むことが多いので、夏はお気に入りの場所に冷感マットを敷いてあげたり、冬はペット用カーペットなどを敷いて温かく過ごせるようにしてあげましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演