エキゾチックショートヘアがなりやすい病気・ケガ、性格も解説

エキゾチックショートヘアがなりやすい病気・ケガ

エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。

  • 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
  • 流涙症(りゅうるいしょう)
  • 水頭症(すいとうしょう)
  • 短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
  • シュウ酸カルシウム結石(しゅうさんかるしうむけっせき)
  • 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
  • レーベル先天黒内障(れーべるせんてんこくないしょう)

エキゾチックショートヘアの特徴

エキゾチックショートヘアの歴史

エキゾチックショートヘアは、作出が始まってから60年程度という、比較的新しい猫種です。

1950年に、2つの異なる目的において、繁殖が始まりました。その1つはペルシャにアメリカンショートヘアの毛色を与えようという計画でした。

この異種交配はなかなかうまくいかず、アメリカの繁殖家ジェーン・マーティンは、ペルシャとアメリカンショートヘアのあいだに生まれた短毛の子猫たちの魅力に着目して、新しい猫種として登録されるように働きかけ、1966年CFA(アメリカン・キャットファンシャーズ協会)に登録されました。

当初は銀の毛色のみにするとして「スターリング」という名前が付けられていましたが、ほかの毛色も生まれることから、エキゾチックショートヘアという名前に変更されました。

もう1つ、同じ時期のアメリカで、キャロライン・バッセイという繁殖家が、茶色い毛のペルシャを作出しようと計画して、ペルシャとバーミーズを交配させていました。生まれた子猫は黒っぽ毛色ばかりでこの計画は失敗に終わりましたが、短毛に潰れた丸い顔のその子猫たちの予想外の可愛らしさに、バッセイはもしかしたらこの個性が多くの人に愛されるのではないかと考えていました。

この時代、ペルシャの短毛化やアメリカンショートヘアとの交配で銀の毛色を作出する目的で、多くのブリーダーが異種交配を試みていましたが、好ましくない繁殖や血統書の事実と異なる交配相手による作出など、不実な繁殖が横行していたともいわれています。

バッセイは新しく生まれた子猫たちを、倫理的にも正当に新しい品種として登録したいと考え、エキゾチックショートヘアとしては、バーミーズとペルシャから生まれた子にアメリカンショートヘアを掛け合わせること以外は認められないと考えて広めました。

こうして1975年まで、エキゾチックショートヘアは、この猫種を品種として確立させながら、同時に多様な遺伝子を保存することができました。

作出が始まって比較的新しい猫種であり、現在もまだ劣性遺伝子同士の交配で長毛のエキゾチックが生まれてしまうことがありますが、この場合は「エキゾチックロングヘア」とする団体や、ペルシャとして認定する団体など、血統登録団体により規定が異なっています。

エキゾチックショートヘアの大きさ・見た目

丸くて大きい目と低い鼻、耳が離れていて丸い頭をしています。また、短くてしっかりした脚、短めの丸い尻尾を持ち、やや大きめのコビーで、筋肉質でずんぐりむっくりしています。これはペルシャの特徴そのものですが、エキゾチックショートヘアは名前の通り短毛のダブルコートです。

毛色はホワイト、ブルー、クリーム、レッド、各色のタビー、バイカラーやキャリコ(三毛)、スモークなど、あらゆる毛色があります。

体重2.5~6.5㎏、平均寿命は10歳~13歳ほどです。

エキゾチックショートヘアの性格

エキゾチックショートヘアの性格はペルシャ譲りで、基本的には穏やかで落ち着いていますが、アメリカンショートヘアの影響でペルシャよりも活発な面が見られます。ペルシャがあまりしないハンティングを、不器用ながらも精力的に行おうとするのはアメリカンショートヘアの影響のためだといわれています。

家族が好きで、常にそばにいたがり、抱かれるのも大好きです。甘えん坊ではありますが、そこまで依存心が強くないため、くどくない性格です。

他の猫や犬などのペットとも上手に付き合っていけます。

エキゾチックショートヘアを飼うときの注意点

スキンシップで信頼関係を

エキゾチックショートヘアは臆病な面もあるので、警戒心を抱いてしまうこともあります。しかし、信頼関係が出来上がってくれば甘えてくることも多い猫です。甘えてきたときや構ってほしいと感じた際は、コミュニケーションをとるような飼い方をしましょう。遊びを取り入れつつ、スキンシップをするのもいいです。健康管理にも繋がり、寿命を延ばすこともあるので、少々忙しくてもエキゾチックショートヘアとの時間は大切にするように心掛けましょう。

手入れはほどよく

エキゾチックショートヘアは短毛種なのでブラッシングは1週間に1~2回で大丈夫です。年に2回の換毛期には、シャンプーをして抜けた毛を取り除いてあげると良いでしょう。エキゾチックショートヘアはシャンプーも嫌がらない穏やかな性格の子が多いので、一般的な猫よりは手入れがしやすいといえます。

もちろん個体差があるので、嫌がる猫は無理にお風呂に入れる必要はありません。シャンプー後はきちんとドライヤーで乾かすことで毛の絡まりなどを防いであげつつ、温風による火傷には十分気を付けながら行いましょう。

洗顔は優しく

エキゾチックショートヘアのような短頭種は、鼻や涙がつまりやすいため、毎日優しく、洗顔してあげましょう。濡らしたコットンや猫用のウェットティッシュで、こすらないよう、優しく拭き取ります。

室内環境を整えて

エキゾチックショートヘアは短毛ですが、筋肉質な体と被毛自体がとても密集しているため、暑さにはとても弱いです。

室内にいても熱中症になってしまうので、人が快適に過ごせる温度、冷房を使って普段から室温管理に注意するようにし、室温は27℃前後に設定しておくと良いですが、猫が休む環境を季節ごとに見直すようにしましょう。

また、エアコンが停電などで切れてしまった時のために冷感マットなどを敷いて涼む場所を作ってあげるのもよいでしょう。

鼻が短いエキゾチックショートヘアにとって、熱中症や呼吸の乱れは命の危険につながります。温度管理には十分に気を付けると同時に猫は室温が下がりすぎることも苦手とするので慣れてもらうためにも徐々に温度を下げるなどして合わせてあげましょう。

肥満に気を付ける

エキゾチックショートヘアは太りやすい体質なので食事には気を付ける必要があります。

元々が小食なのでガツガツ食べるということはありませんが、運動が得意でないという面も相まって食事管理が悪いとあっという間に肥満になってしまいます。

キャットフードはライフステージに合ったものを与え、同時にカロリーコントロールもしてあげるようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演