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ソマリがかかりやすい病気はこちらです。病気の発見が遅れると、仮に治療が成功したとしても高額の治療費がかかります。病気は早期発見・早期治療を意識しましょう。
ソマリはアビシニアンの長毛種ですが、現れ始めたのは1950年頃からと言われています。
古い起源を持つ、アビシニアンは19世紀後半から純血種としての繁殖がはじまり、20世紀初頭には世界中の猫血統管理団体に登録されていました。
第二次世界大戦までに世界中の純血種のペットたちが激減し、戦後は種の復活のために様々な異種交配が行われていた時期がありましたが、アビシニアンの長毛種もその経過として生まれたものと考えられていたため、繁殖者のあいだでは長毛のアビシニアンが生まれることは純血の育成に反するものとして否定的でした。アビシニアンから生まれた長毛の猫は、ペルシャのような一般的な長毛種より被毛が短く、セミロングよりもやや短いというあまりない長さの被毛であることも、中途半端な印象を与えていたようです。
アビシニアンの繁殖をするブリーダーは、長毛タイプが生まれるとショーに出せないと考え、ペットとして一般の飼い主に譲ることが多くありました。1963年、カナダの血統登録団体CCAが主催するキャットショーで、繁殖者メアリー・メリングはちょっとし悪戯を思いつき、価値の低いと考えられていた長毛種を審査用のケージに入れて、ほかのショーキャットたちのケージと混ぜておきました。
これを発見した審判員ケン・マッギルが感嘆の大きな声をあげたため、アビシニアンのブリーダーたちは面白がっていましたが、マッギルはこの長毛のアビシニアンの魅力に驚いて声をあげており、メリングに長毛のアビシニアンをオーダーし、ソマリの育種が始まったとされています。
ソマリの育種には、もう一つ逸話が残っています。
カナダでケン・マッギルが長毛のアビシニアンを見初めたその頃、アメリカでは繁殖家のイブリン・メイグが長毛の遺伝子を持つ2頭のアビシニアンをそうとは知らずに交配していました。生まれた子猫「ジョージ」をメイグは友人を通じて、ペットとして一般の飼育者に譲渡しましたが、譲渡した相手は猫アレルギーのために飼い続けることができなくなり、猫を保護施設に譲り渡していました。メイグは繁殖をしながら猫の保護活動も行っており、持ち込まれた長毛のアビシニアンを見てその美しさに驚きましたが、その猫が自ら繁殖し譲ったジョージだと知ると大変ショックを受けました。
ジョージを取り戻したメイグは、自分の繁殖していたアビシニアンたちとの評価の差に悲しみ、やがてジョージと同じロングヘアのアビシニアンを猫愛好家に受け入れてもらうべく決意して、育種を始めたのでした。
なお、近年の遺伝子解析による研究や繁殖者の経験から、ソマリが長毛になったのは異種交配が原因ではなく、突然変異であることがわかり、ソマリは現在、カナダやアメリカ以外の世界中で猫種として登録され、アビシニアン同様に世界中で愛されています。
ちなみに「ソマリ」という名の由来は、アフリカのエチオピア(旧アビシニア)の隣国「ソマリア」からきていますが、血統とソマリアとは直接の関係はありません。
ソマリは小さく緩やかなV字型の頭に大きな耳がついていて、アーモンド形の大きな目をしています。
目はアビシニアン同様にグリーンまたはゴールド(琥珀色)で、尾は長く、体の被毛よりも長めの毛でおおわれてふさふさとしているため、愛好家からは「キツネのような猫」と呼ばれることもあります。やや小さめで、筋肉質のフォーリンタイプです。
毛色はルディー、レッド、ブルーおよびフォーンで、アビシニアン同様にティックドタビーです。
体重は2.5~5.5㎏、平均寿命は12歳前後といわれています。
ソマリはアビシニアン同様、好奇心が強く、活発で甘えん坊です。
賢く洞察力があり、好奇心の強さも相まって、人間のすることをよく見ています。
犬のような猫といわれるほどにコミュニケーションが取りやすく、しつけが入りやすい猫です。
ソマリは長毛種なので、夏の暑さが苦手です。日本の夏の暑さには湿度が高いこともあり、熱中症にも気を付けなくてはなりません。
個体差はありますが、暑がる様子や寒がる様子があれば、その都度注意して室温を設定するようにしましょう。熱中症予防は大切ですが、冷えすぎると体調を崩してしまうため、設定温度は低くし過ぎないようにするとよいでしょう。
万が一、停電などによってエアコンが消えてしまった時のために、冷房マットなどを敷いて体を冷やせる場所を作っておくのもオススメです。
また、冬は寒さを防ぐために暖房を使って室温管理をすることも大切ですが、部屋の乾燥にも気を付けましょう。
ヒーターなどを使う場合は火傷に気を付けたり、コンセントによる事故に十分注意し、こまめに掃除をして衛生面にも注意しましょう。
ソマリは元気いっぱいで遊び好きなので室内でも活発に走り回ったり、大ジャンプをすることがあります。その際、何かの拍子に滑って関節を傷めたり、骨折の原因となってしまうことがあるので注意が必要です。
床がフローリングの場合、滑りやすさが高くなるので可能な限りカーペットやマットなどを敷いて滑りにくい環境を整えるようにし、リビングなどでも家具を上手く配置して運動ができるようにスペースを設けましょう。
キャットタワーなどを設置する場合には突っ張り棒タイプのものを選び、思いっきりかけ上ることができるようにしておくと安心です。
また、運動の他にも爪とぎの設置も欠かせません。爪とぎの設置をしないと猫が床や壁を傷つけてしまう可能性があるため、いくつか爪とぎのスペースを作り、設置をするとよいでしょう。
ソマリは長毛種ですが、比較的手入れは楽な方だといわれています。
オーバーコートとアンダーコートの上毛と下毛のダブルコートで、長さはセミロングなのでブラッシング時に引っ掛かりに痛がったり、切れ毛も本とんど無いようです。
ブラッシングは1日に1回、コミュニケーションとしてコーミングなども一緒に行うことで部屋を舞う抜け毛に悩まされることはほぼ無くなり、信頼関係も築くことができるので行っていきましょう。
シャンプーは2ヵ月に1度程度が理想的だといわれています。ソマリの毛は脂っぽい方なのでシャンプー前にしっかりと脂落としを行うなどの手間は多少かかります。特に、背中から尾にかけて脂っぽさが濃くなりがちなので丁寧にケアしてあげましょう。
また、シャンプー後はきちんとドライ作業を行うことで、毛玉に苦労することがだいぶ減ります。
ソマリの祖先であるアビシニアンは食いしん坊が多いようで、食べ物への執着心が強く出る個体も多くいるようです。
必ずしもソマリにその要素が出るわけではありませんが、暴飲暴食は肥満に繋がるため、きちんと食べ物の管理や一回の食事の際に与える食べ物の量を把握して与えるようにしましょう。
飼い主に従順な性格なので、しつけは比較的簡単で、覚えも早いといわれています。ですが、大人になってからではなかなか習慣化されないので、子猫のうちからしっかり覚えさせてあげましょう。
トイレのしつけに関しては、ほかの猫同様にそわそわしたりもじもじしたりとトイレに行きたそうな様子が見られたら連れて行ってあげるようにしましょう。
また、ソマリは綺麗好きで神経質な面があるので、トイレは静かな場所に設置し、こまめに片づけたり、砂を変えたりすることを怠らないようにしましょう。
叱り方に関しては、できれば誤った行動をしているさ中に「コラ!」などの注意をするようにし、叩くのは逆効果になるため控えるようにしましょう。