犬の肛門周囲腺炎を解説!症状・原因・治療・予防を知る

犬の肛門周囲腺炎の症状

犬の肛門周囲腺炎(こうもんしゅういせんえん)とは、犬の肛門付近にある肛門周囲腺と呼ばれる小さな分泌腺に炎症が生じていることです。

主な症状として、犬がお尻部分を気にして舐める、床などに肛門部分を擦り付けるといった行動が多く見られるようになり、悪化するとお尻の周辺で炎症が起こって赤く腫れ、肛門周辺の臭いがきつくなるなどの症状が見られるようになります。

また、排便の際に痛みを伴うので泣きわめいたり、便そのものが出にくくなるなどの症例もあります。

犬の肛門周囲腺炎の原因

主に遺伝、肛門筋の発達不足、肛門部の不衛生などが原因ではないかと考えられており、遺伝の具体的な犬種例としてジャーマンシェパードでの発症例が多く確認されています。

シェパードは肛門のアポクリン腺が他の犬種に比べやや多く、直腸炎にかかりやすいことから遺伝の要素として関連性が高いようです。

また、原因の特定が難しいケースもいくつかあり、ストレス、便秘や下痢、肥満、高齢などの多くの要因が絡み合って発症する場合もあると考えられます。

犬の肛門周囲腺炎の治療・予防

治療法として、浣腸で排便を促す対症療法、繊維質を豊富に取り入れたフードを与えて腸の蠕動を助ける食事療法、細菌の繁殖を抑えるために抗生物質を投与する投薬治療、肛門の炎症が酷く、肛門周囲瘻や肛門嚢炎を発症してしまっている場合に炎症部ごと菌を切除する外科手術による治療などが挙げられます。

予防策としては、肛門部分の汚れがないかチェックし、ウェットティッシュで拭く習慣を作る、肛門腺の詰まりを防ぐ為に定期的に肛門腺絞りを行うなどがあります。

肛門周囲腺炎は早期発見・治療が必要になるので、症状が見られた場合はかかりつけの動物病院につれていき、適切な処置を受けるようにしましょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演