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犬がかかる病気は、神経系疾患、消化器系疾患、泌尿器系疾患、内分泌系疾患など、種類はさまざまですが、犬の犬種などによっても、かかりやすい病気があります。
こちらでは、小型犬に多くみられる病気を紹介します。
目次
膝蓋骨は、犬の後ろ足の膝のお皿の骨のことです。
その、膝蓋骨が、外れてしまった状態を膝蓋骨脱臼といいます。
こちらは、犬の脱臼のなかでも多くみられる脱臼です。
先天的に生まれた時から外れやすい犬もいますし、加齢とともに脱臼していまう犬もいます。
膝蓋骨脱臼は、グレードが4段階に分かれていて、押すと外れる段階から、常に脱臼した状態で元に戻らないグレードにまで、細かく分かれています。
犬が脱臼してしまったら、お家の中をフローリングではなく、カーペットなど、滑りにくいものにしてあげる必要があります。
若い犬ですと、整復手術を受けることもできます。遺伝することが考えられるので、重症の犬には、繁殖させないなどの対策があります。
チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、トイプードル、パピヨンなどの小型犬に多くみられます。
僧帽弁は、心臓の左心室と左心房の間にある弁のことです。
この弁は、血液の逆流を防いでいます。
僧帽弁閉鎖不全症になると、弁が厚くなり、完全に閉じることができなくなってしまいます。
そのため、血液が隙間から逆流してしまい、肺における血液がうっ滞してしまいます。
初期はほとんど症状かみられませんが、心臓の音をきくと、心雑音が聴こえます。
進行していくと、すぐに疲れたり、咳をするようになります。
重度になると、肺に水が溜まり、肺水腫がひどくなり、呼吸困難や、舌が青くなるチアノーゼなどを起こします。
僧帽弁閉鎖不全症は、早期発見が大切です。具合が悪くなくても、健康チェックに、心臓の音を聞いてもらっていると、早く気付くことが出来ます。毎年行うワクチン前の、聴診も大切です。
プードル、キャバリア キング チャールズ スパニエル、シーズー、などの小型犬に多くみられます。
脳室の中の、脳脊髄液が多く貯まり、脳室が拡張して脳の組織が圧迫されてしまう病気です。
遺伝や脳の奇形による先天的なものや、頭蓋の外傷や腫瘍によって後天的に生じることもあります。
脳の組織が圧迫されることによって、体に障害がみられます。
発作や斜視、下半身麻痺、目がゆらゆら揺れる眼球振盪などがみられます。
先天的に水頭症の犬は、頭頂部の骨が薄く、穴が空いているのが触るとわかることもあります。
ですから、健康な犬を選ぶときも、ここのチェックが大切です。
チワワ、トイプードル、ヨークシャーテリアなどの小型犬や、パグやペキニーズ、ボストンテリアなどの短頭種にも、多くみられます。
気管は、空気を肺に運び、再び外へ送り出す管です。正常な犬の気管は、C型の軟骨で出来た靭帯が繋がってパイプのようになっています。
この靭帯が弾力がなくなってきたり、軟骨がC型ではなく潰れてしまったりすると、気管も潰れてしまいます。
気管虚脱になった犬は、うまく呼吸が出来なくなり、呼吸困難になってしまいます。
ガーガーと、アヒルのような音を出したり、舌が青くなりチアノーゼを起こしてしまうこともあります。
息を吸った時と吐いた時の、2種類のレントゲン写真をとり、診断します。
ポメラニアン、ヨークシャーテリア、トイプードルなどの小型犬に多くみられます。
乳歯がすべて抜けて永久歯に生え変わる時期になっても、乳歯が残っている状態のことをいいます。
小型犬の犬達は、小さい犬を何度も掛け合わせ、人間によって小さく作られた犬です。
ですから、小さな顎に、たくさんの歯が生えています。
残存乳歯をそのまま残しておいてしまうと、噛み合わせにも影響しますし、歯と歯の間隔も狭いので、歯垢がたまりやすく、歯周病の原因にもなります。
残存乳歯は、6〜7ヶ月頃に去勢手術や避妊手術を行う際、同時に抜去することが出来ます。
ヨークシャーテリア、トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアンなどの小型犬に多くみられます。
こちらの5種類は、小型犬に多くみられる病気の一部です。
事前に、自分のうちの犬が、どんな病気にらかかりやすいのか、知っておくと、気をつけてあげることがわかります。
小型犬だからといって、必ずこれらの病気にかかるわけではないですが、定期的に健康チェックをしてもらいましょう。