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チョコレートやネギなどは犬に与えると良くないとご存知の方も多いかと思いますが、私たちが普段食べている果物のぶどうも実は犬に与え過ぎるのは良くないといわれています。
ぶどうにもチョコレートやネギ同様に与え過ぎると中毒症状を起こす成分が含まれているということががわかってきており、犬に与えすぎると最悪の場合、命の危険に関わる食べ物として注意が必要になってきました。
ではぶどうはどのように犬の身に危険が及ぼすのでしょうか。
犬にぶどうを与え過ぎてはいけない理由は、含まれる成分によって与えすぎると腎不全を起こし、重症化が進むと死亡してしまうという危険性にあります。
特にぶどうの中でも成分が濃縮されている「干しぶどう(レーズン)」には要注意です。
一粒の量が小さいため、大量に食べてしまうリスクが強く、動物病院に運ばれてくるぶどう中毒の症状の犬の診断をしするとその原因がレーズンを食べたことによる中毒症状だったということが稀にあります。
しかし、実のところ現在の研究成果ではぶどうのどの成分が急性腎不全や腎不全を起こすのかそのメカニズムが明らかにされていない状況です。
現在の研究成果では、ぶどうの何の成分が急性腎不全や腎不全を起こすのか、そのメカニズムはまだ明らかになっていません。
具体的に症状が発症しやすいぶどうの種類や差などは確認されておらず、危険性の高さも具体的な結果は得られていない状況ですが、実際にぶどうを食べて症状を発症した報告がされているのは事実です。ぶどうやレーズンをむやみに与え過ぎるようなことはチョコレートやネギなどを与えるのと同じくらい危険なことだと認識しておきましょう。
もし犬がぶどう中毒になってしまった場合、ぶどうを接種してから2~3時間程で以下の症状が現れるといいます。
また、ぶどうを食べて急性腎不全を引き起こしたという例もあり、この病気は腎機能が急激に低下することで尿が出なくなり、体の中の老廃物を体外に出すことができなくなるため、「高血圧」「だるさ」「すぐ疲れる」などの症状も起こってきます。
そして、急性腎不全は数時間から数日といった短期間で急激に悪化することも特徴の大変危険な秒でもあります。
など
急性腎不全が疑われる場合は早急に動物病院での適切な治療が必要となり、もしも対処が遅れてしまうと命に係わることも大いに考えられるので、どのような症状が引き起こされるのか把握しておくとよいでしょう。
また、急性腎不全の初期段階はあまり症状が出ないことがあるようですが、急性腎不全が引き起こさ絵た時点ですでに腎臓機能の75%が失われている深刻な状態となっているので大変危険です。
更に、発症してから少し時間が経つと下記のような症状も見られるようになります。
など
上記の症状に加え、深刻になると痙攣、昏睡状態となることもあります。
このように深刻な症状がみられるようになるため、愛犬がぶどうを食べてしまった場合は急性腎不全の可能性を考慮しておくことも大切になります。
前述しておりますが、ぶどうやレーズンを誤って食べてしまった際のはっきりとした許容量はわかっていない状況です。
これまでに中毒症状や急性腎不全などを起こしたと報告されているぶどうの量は、体重1㎏あたり3~57gと範囲がかなり幅広くなっています。また同じように干しぶどうでは体重1㎏あたり11~30gで症状が現れたとの報告もあります。
いくつか表にまとめたので参考にしていただけたらと思います。
レーズン・干しぶどう(1粒約0.6g) | 約11〜30g(18粒~) |
巨峰(1粒約17g) | 体重1㎏あたり約3〜57g(1粒~) |
デラウェア(1粒約2g) | 体重1㎏あたり約3〜57g(2粒~) |
マスカット(1粒約6g) | 体重1㎏あたり約3〜57g(1粒~) |
チワワなどの小型犬(体重1.5~2㎏程度) | 巨峰1粒~、デラウェア3粒~ |
トイ・プードル、ポメラニアン、パピヨン、ミニチュア・ダックスなどの小型犬(3~4kg程度) | 巨峰1粒~、デラウェア5粒~ |
パグ、柴、フレンチ・ブルドッグ、コーギーなど中型犬(8~12kg程度) | 巨峰2粒~、デラウェア15粒~ |
ボーダー・コリー、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬(体重20~30㎏程度) | 巨峰5粒~、デラウェア37粒~ |
ボーダー・コリー、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬(体重20~30㎏程度) | 巨峰5粒~、デラウェア37粒~ |
秋田、グレート・ピレネーズ、シェパードなどの大型犬(体重30~50㎏程度) | 巨峰7粒~、デラウェア60粒~ |
犬が少量のぶどうを食べてしまった場合は、様子を見ながら可能な限り動物病院へ行くようにしましょう。もし中毒量に達するほどの量を接種していた場合は、異変を感じなくてもすぐに病院へ連れて行った方が良いでしょう。
中毒を起こす犬はぶどうを食べてから2~3時間後に嘔吐するケースが多く、早い段階で受診して治療を受ければ回復も早くなります。
動物病院での検査方法は複数ありますが、代表的なものとしては犬にぶどうを吐かせる催吐処置や胃洗浄、中毒を引き起こしている有害物質の血液中の濃度を薄めたり、嘔吐・下痢などで失われた水分を補うための点滴(輪液)などが挙げられます。犬の状態をみて一刻を争うと判断される場合は各種血液検査を行い、今後の対処法を見極めていく作業も欠かせません。下記はその一例です。
検査の結果、これらの値の上昇が認められ、腎臓がダメージを受けていると判断される場合には前述の処置や対症療法のみで回復することは難しくなってきます。そのため、点滴治療や対処療法を入院や長期通院を繰り返し回復をはかる措置が取られます。
急性腎不全を発症した場合の治療費は、重症度によっても多きっく子となりますが入院費用を含めると5万円~10万円前後とされていますが、治療費は各動物病院によって異なるため、この金額はあくまで目安の金額だと考えておきましょう。
いかがでしたでしょうか。
果物や野菜は加工食品ではないので犬に与えても大丈夫だと思ってしまいがちですが、人が食べても大丈夫なものでも犬が食べてしまうと危険なものはいくつかあります。
犬にとって必要な栄養が含まれているという食材ではない上に、体に害を及ぼす恐れがあるという食べ物の場合、愛犬の健康のためにも飼い主がしっかりと注意を払い、与えないようにしましょう。