ダックスフンドが吠える原因、しつけの方法とは?

ダックスフンドはよく吠える犬種なの?性格や特徴を解説!

ダックスフンドは狩猟犬として活躍していた犬種でアナグマやうさぎなどの穴の中で暮らす動物を狩るを目的で選択交配されながら小型化された歴史があります。

純粋なダックスフンドはスムースコートであった事からアナグマからの反撃を受けて怪我をする事もあり、他犬種と交配する事でロングコートやワイアーコートなどの被毛のダックスフンドが作出された過去があります。

そのためスムースコート、ロングコート、ワイアーコートの3種類の被毛を持つダックスフンドはそれぞれ個性的で性格も異なります。

まずはミニチュアダックスを参考にして被毛別に性格の違いを紹介します。

スムースコートの性格

スムースコートのミニチュアダックスはスタンダードダックスを小型化させた犬種でダックスフンドの純粋な性格と被毛を受け継いでいます。

狩猟犬らしさが強く残っていて機敏で活発的な性格で遊ぶのが大好きです。警戒心が強く、強気な特徴があり無駄吠えが多い犬種です。

ロングコートの性格

長くサラサラした被毛を持つロングコートは穏やかな性格を持つスパニエル系の犬種と交配させる事で作出された犬種です。

この交配によってスパニエル系の従順で大人しい性格を受け継ぎ、愛玩用として重宝される結果となりました。

警戒心が強いダックスフンドですが、ロングコートの場合は人に友好的で甘えたがる特徴を持ちます。

ワイヤーコートの性格

固く長い被毛を持つワイヤーコートはアナグマからの爪の反撃から身を守るために作出された犬種で、テリア系の犬種と交配する事で生まれました。

勇敢な狩猟犬であるテリア犬種は強気で怖いもの知らずで頑固な点から、吠えやすくしつけは根気が必要な犬種です。

ダックスフンドが吠える原因、理由とは?

被毛によって性格が異なるダックスフンドですが、吠える原因はそれだけではありません。

飼い主は近隣の住民や生活環境を良好に保つために原因を知り、対策を立てていかなければなりません。

また、ストレスや体調不良などのアピールをしている事もあるので愛犬のためにも改善させる努力が必要です。吠えている事を叱るだけでは問題を解決する事は出来ません。

ここではダックスフンドが吠える主な原因や理由を説明します。

狩猟犬としての歴史から

元々は狩猟犬だった歴史を持つダックスフンドは害獣に対して吠えて知らせるように教育されてきました。

そのため、ダックスフンドの血が濃く残るスムースコートや同じ狩猟犬として活躍したワイヤーコートは吠える事が多くなります。

飼育環境の影響

警戒心が強いダックスフンドは落ち着いたスペースを設けないと常に周囲に気を張った状態が続いてしまいます。

そのためゲージやサークルなどのパーソナルスペースを設けて、愛犬の居場所を与える必要があります。

また、幼少期の暮らし方も成犬になってから性格にも影響されやすく、積極的に人と触れ合ったり他の犬と遊んだ経験が少ないことは人見知りや吠える原因となります。

飼い主の性格にも愛犬の性格は反映されやすく、情緒不安定な飼い主の性格は犬に影響を与えてしまいます。

病気による体調不良の訴え

今まで吠えなかった愛犬が急に吠えたり唸ったりする事に気付いたら、体調不良を訴えているかもしれません。

犬は言葉に発して知らせる事が出来ない為、吠えたり唸ったりする事で飼い主に体調不良を知らせます。

いつもと様子が違う場合は動物病院で検査を受けて病気の早期発見を心掛けてください。

ダックスフンドの吠えを改善するしつけの方法とは?

狩猟犬だった歴史や生活環境の質によって、吠える事が癖になってしまいがちなダックスフンドですが、無駄吠えや警戒心を緩和させる事で問題を未然に防ぐ事も可能です。

ここでは、無駄吠えを改善するために必要なことをまとめています。

飼い主の信頼関係

飼い主と愛犬の間に主従関係が無ければ、愛犬から信頼を得られなくなり自分を群れのリーダーとして判断して手に負えない状況となります。

未然に防ぐためには愛犬の要求に簡単に応えず、メリハリをつけたしつけが重要です。

コミュニケーションやご褒美は愛犬と飼い主の関係を維持するためには必要不可欠です。

叱る事も重要ですが、過剰な罰は愛犬にストレスを与えて信頼関係を崩してしまうので避けるようにしましょう。

子犬の社会化期におけるハンドリング

犬の社会期は生後4〜13週例と言われていて、この期間に愛犬が他人や他の犬と触れ合う事で社交性を学ぶ事が出来ます。

他人であれば身体の部位を触ったり、一緒に遊ぶ事で社交性を身につけられる必要不可欠な時期です。

また、腹部や股下などの触って嫌がる部位を触って慣れさせると、ブラッシングを落ち着いた状態で行う事ができるようになります。

他の犬と交流を深めるためにもこの時期にドッグランで遊ばせてあげましょう。

無駄吠えをやめたらご褒美を与える事を習慣にする

無駄吠えを叱るだけで止めさせようとすると愛犬は叱られた理由が理解出来ません。

その結果ストレスを溜めてしまい、無駄吠えの悪化やストレスによって病気を引き起こしてしまいます。

無駄吠えを止めるとご褒美が貰えると認識させるしつけを繰り返し行ないましょう。習慣化すると愛犬が大人しくすれば良い事があると覚えてくれるようになります。

もちろん、吠えている時だけではなく大人しく留守番をしていたり家の中のルールを守っている時にもご褒美をあげましょう。

ご褒美は無駄吠えだけではなく飼い主の信頼関係を築くためにも必要な物です。

アルファシンドロームとは?

アルファシンドロームは別名、権勢症候群と呼ばれる症状で1歳前後から表れます。

この症状になってしまうと愛犬が飼い主よりも上の立場と認識してしまう事によって、問題行動を起こし生活に悪影響を与えます。

犬は権勢本能と服従本能を持ち、群れの中心になる事を望む傾向があります。

パピートレーニングを適切に行わなかった場合、愛犬と飼い主の主従関係が崩れてしまいます。

甘やかしによって飼い主と愛犬の立場が逆転してしまうため、子犬の頃の間違った過ごし方は成犬になるとトラブルを招きます。

アルファシンドロームになってしまうと叱られた際に間違った事を認識出来ないため、今後の生活やしつけに問題が生じます。

アルファシンドロームによる問題行動とは?

主従関係が崩れる事によって他人だけではなく、飼い主にも問題行動を起こします。

ここではアルファシンドロームによる問題行動について説明します。

無駄吠えが多くなる

ダックスフンドはよく吠える犬種とされていますが、アルファシンドロームの吠え方は異常です。

要求に応えなかった事で無駄吠えが増えてしまい、オヤツを与えて静かにさせようとしても当たり前と認識してしまい逆効果になってしまいます。

また、一番身近な飼い主に過剰に吠えるという場合には他人や他の犬に対しても同じ行動をとるため、近隣住民からの苦情や通行人に対してトラブルを起こす危険性があります。

噛む、飛びつくなどの危害

主従関係の乱れは吠えるだけではなく、噛む、飛びつく等の問題行動を引き起こします。

それによって生活の乱れや他人へ危害を加えてしまう事になるため、飼い主にとって大きな負担を抱える結果を招きます。

体格の小さいダックスフンドが大型犬に対して危害を加えようとした場合、怪我や命に関わってしまい外出も思い通りに行かなくなってしまいます。

散歩の時に引っ張る

散歩をする際に犬は興味のある物に近寄って調べたがる事がありますが、信頼関係を健全に築いている飼い主と一緒ならば執着せずに済みます。

しかし、アルファシンドロームの場合は飼い主の事を下だと思い込んでしまい、引っ張って過剰な反応を見せることがあります。

ドッグランやリードを使わない散歩をする事が出来なくなり遊びも限られてくるため、ストレスを抱え込んでしまいます。

穴を掘る

ミニチュアダックスの問題行動で1番多いのが穴を掘る事です。

本来、アナグマの狩猟をしていたダックスフンドは本能で穴を掘る事が多い犬種でアルファシンドロームではなくても掘ってしまう事もあります。

アルファシンドロームの場合、穴を掘っている事を叱っても反抗的になり、止める事が難しくなります。

散歩の際に穴を掘っても迷惑にならない場所を選び、掘った後の処理を忘れずに行なってください。

様々な恐怖症

社会化期に外界の情報を得られなかったダックスフンドは新しい物に対して恐怖感やストレスを感じてしまいます。

例えば車で外出する際に慣れていない時、暴れまわったり吠えたりしてしまうのも慣れていない事が原因の恐怖症です。

子犬の頃に他人や他の犬だけではなく、飼い主と健全なコミュニケーションを取り他の物に慣れさせると、恐怖を感じる事が無く社会性に富んだ成犬になります。

飼い主を信頼するために必要な事とやってはいけない事

成犬の社交性は幼少期の過ごし方によって左右される事を紹介してきましたが、主従関係を保つために飼い主がやってはいけない事も忘れてはいけません。

ここでは愛犬と生活をする上で飼い主がやってはいけない事をまとめました。

わがままに簡単に応える

幼少期のダックスフンドは飼い主の食べ物や身の回りの物に強い興味を持ち、美味しそうな匂いがする食べ物や飼い主が普段食べている物を欲しがります。

この要求に簡単に応えてしまうと、勝手に食べてしまっても問題ないと愛犬が認識してしまい、要求に応えなかった飼い主に対して反抗する原因を作ります。

そういった場合にはすぐに与えず我慢する事を習慣化して、主従関係をはっきりと認識させてあげましょう。

ご褒美を与える事を習慣化しない

どんなしつけでも犬にはご褒美をあげる事を忘れてはいけません。

ハンドリングやしつけを初めて行う時には愛犬は飼い主が何をしているのか理解していないため、ご褒美を与える事で愛犬が良い印象を持つ行動として学習できます。

正しい行為にご褒美を与える事を習慣化しないと愛犬は飼い主が何に対して喜んでいるか理解出来なくなります。混乱を防ぐために必ずご褒美をあげる事を忘れないでください。

間違った負の効果によるしつけ

正の効果はご褒美を与える手段で愛犬が学習するには有効な手段ですが、負の効果によるしつけもあります。

負の効果は罰を与える事で愛犬に悪い印象を与える学習ですが、正の効果と組み合わせる事で効果を発揮できます。

しかし、負の効果は適度なバランスが必要でしつけに慣れていない飼い主には向いていません。

その結果、信頼関係を崩してしまったり問題行動を引き起こしてしまい、愛犬だけではなく飼い主にも大きな負担になります。

アルファシンドロームを改善する方法はある?

アルファシンドロームは飼い主の生活だけではなく愛犬や他人、他の犬にも悪影響を及ぼしてしまい、この問題に悩まされている飼い主も少なくありません。

アルファシンドロームは改善できる症状で主従関係を回復する事が出来ます。

ここではこの症状の改善する方法を紹介します。

車や通行人に吠える時の改善方法

散歩をしている時に吠えたり、引っ張るなどの問題行動が表れたら、すぐに愛犬と目を合わせて悪い事と認識させます。

吠えようとする前におやつをあげて気を逸らす事も効果的で、車や通行人に対して吠える必要が無いと認識させ、無駄吠えを未然に防ぐ事が出来ます。

散歩の際はおやつを持ち歩いて、吠えなかったらご褒美を与える習慣を付けましょう。

おやつ、散歩、遊びなどの要求吠えの改善方法

要求の吠えは簡単に応えてしまうと、吠えればおやつが貰えると学習してしまうため無視が必要です。

もちろん、無視だけでは同じ事を繰り返したりストレスを貯める原因になってしまうので、落ち着いたらご褒美をあげて正しい事と認識させてあげましょう。

ダックスフンドは被毛によって性格が違います!

純粋なダックスフンドであるスムースコートやテリア系の交配によって生まれたワイヤーコートは狩猟を目的にしていた歴史から吠えやすく、性格にも違いが見られます。

ロングコートはスパニエル系の血を受け継いでいて性格が比較的に穏やかでしつけのしやすさが人気の犬種です。

先天的な吠える原因は被毛によって違いますが、どの犬種でも生活環境によって成犬になってから違った性格が表れます。

愛犬と健全な生活をする為にも正しい知識を持ってしつけを行いましょう!

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演