どうして狂犬病ワクチンを受けないといけないのか

犬を飼ったら、犬の登録と狂犬病のワクチン接種が法律上義務付けられています。 日本は、狂犬病が発生していない国なのに、どうしてワクチンを打つ必要があるのでしょうか?

狂犬病ってどんな病気?

狂犬病は、ヒトを含むすべての哺乳類に感染します。

狂犬病にかかった動物に咬まれると、唾液に含まれたウイルスが体内に侵入して感染します。 治療法はなく、発病するとほぼ100%死に至る怖い病気です。

発生地域

アジア・アフリカではイヌ、北米・南米及びヨーロッパではコウモリ等が狂犬病の媒介動物として知られています。 現在、狂犬病が発生していないとされる地域は、日本、オーストラリア、北欧の一部の地域などに限られています。

日本にいつ入ってきてもおかしくない

発生していない国が少ないということもあり、狂犬病をもっている動物が海外から入ってくる可能性があります。 通常、海外から動物が入ってくる場合は検疫を受けることになりますが、船で許可なく入ってきてしまう場合や船に野生動物が紛れ込んでしまう場合もあり、いつ日本に狂犬病が入ってきてもおかしくない状況です。

登録と予防接種の義務

犬を飼った日から30日以内に、市町村長に登録を申請することが法律で義務付けられています。 また、犬の所有者は狂犬病の予防接種を毎年1回受けさせることも法律で決められています。

全ての哺乳類に感染する狂犬病ですが、何故犬だけが予防接種の対象なのでしょうか? その理由は、狂犬病が人に感染する場合、感染源となる動物の9割が犬であると言われているためです。 そのため、飼い犬に狂犬病の予防注射を接種することで犬間でのまん延が予防され、人への被害を防ぐことができると考えられます。

万が一日本に狂犬病が侵入した場合に備えて、飼い犬の登録と狂犬病予防注射が義務づけられているというわけです。

飼い主さんとワンちゃんの命を守るためということは勿論のこと、日本に狂犬病を蔓延させないためにも、ワクチンを打つことはとても大切です。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演