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疥癬(かいせん)は、強い痒みを引き起こす皮膚疾患です。ヒゼンダニ症とも呼ばれます。イヌセンコウヒゼンダニという、顕微鏡を使わないと見えないような、とても小さなダニが原因で炎症を引き起こす皮膚疾患です。
この病気に罹患すると、初期は肌にかさぶたや発疹が確認できるようになります。耳やお腹など、体のあらゆる部分に症状が表れることもあります。数週間が経つと、犬には強い痒みを伴います。そのため、何度も肌を掻きむしったり噛んだりすることで、皮膚を傷つけてしまいます。
主にすでにイヌセンコウヒゼンダニが寄生している犬との接触により感染するといわれています。稀に落下しているダニからも感染することもあります。
犬同士で触れ合うことで直接感染したり、ブラシやバリカン、タオルなどを共用で使うことでも間接的に感染します。
また犬に寄生したダニは、犬の皮膚に穴を掘り、そこで産卵を繰り返します。強い痒みを伴うのは、犬の皮膚にトンネルのような穴を掘り角質の中に入り込んでいくためです。
痒みが生じるなど症状だけでは他の皮膚疾患の疑いもあるため、動物病院ではまずどの皮膚病なのかを診断するための、特別な検査をします。ただし仮にその検査をしても、必ずダニが発見できるとは限りません。
運良くダニが見つかれば、治療に移ります。主にダニを駆除する薬を使用します。すでにダニが卵を産んでいる場合もあるため、治療期間は1ヶ月ほど必要になることもあります。
予防方法としては、イヌセンコウヒゼンダニを愛犬の周りに近づけないことが必要です。部屋をこまめに掃除したり消毒するなど、清潔な生活環境を維持することが有効です。
多頭飼いしている場合にある犬が感染したら、その犬は他の犬とは隔離して感染の拡大を防ぐことも重要です。