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犬のニキビダニ症(毛包虫症)は、ニキビダニと呼ばれる寄生虫が原因で発症します。
症状としては、2タイプあります。頭部と四肢に良く見られる部分的なタイプは、円形の脱毛とふけがでて、皮膚が赤くなりますが、かゆみはあまりありません。全身に症状があらわれるタイプでは、皮膚がかたく厚く、黒くなり、激しい吹け、かさぶたなどが見られ、かゆみも強くなります。かきむしることで、二次的な細菌感染を起こすこともあります。
ニキビダニは健康な犬の皮膚にも少数は寄生していますが、普通は共生しており病気の原因にはなりません。
生後まもなく母犬から子犬に感染することがあり、その場合、最初は鼻の頭の部分に症状が見られるので、哺乳する際に母親と直接接触して、ニキビダニをもらうのだろうと考えられています。
3~12ヶ月齢で発症する若年性の病気と、5歳以降で発症する成犬のニキビダニ症があります。成犬で発症する場合には、甲状腺機能低下症、腫瘍など、免疫が低下する重大な病気が引き金となっていることが多いので、その他の病気の検査も受けることが大切です。
毛刈りと殺ダニ剤の薬浴または内服薬で治療します。脂漏症や膿皮症があれば同時に治療を行います。また、成犬や老犬の場合、基礎にある疾患を発見し治療することが重要です。