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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。
「ウェスティー」という愛称で、日本でも親しまれているウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアですが、黒いスコテッシュテリアとともにスコッチウイスキーのキャラクーとしても知られ、その歴史は意外に新しく、犬種として登録されたのは20世紀になってからのことでした。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの先祖にあたるのは、スコティッシュテリア、ダンディ・ディンモントテリア、スカイ・テリア、ケアーン・テリアやその交配から生まれた犬たちだったようです。
第16代ポルタロック領主E.Dマルコム氏は、逸話によると、赤毛の猟犬をキツネと間違えて撃ち殺してしまったことをきっかけに、白い猟犬を育種しようと決意したといわれています。現在、この犬種の代名詞ともなっている真っ白な被毛は、マルコム氏がスコティッシュテリア、もしくはケアーン・テリアの中からたまたま生まれた白い個体だけを選択繁殖することで作り上げられたと考えられています。
こうして生まれたスコットランド産の白いテリアは、育種に務めたマルコム氏にちなんで「ポルタロックテリア(Poltalloch Terrier)」という名で呼ばれるようになりましたが、同氏が「ポルタロック」という名での登録を拒否したため、1903年からは「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(West Highland White Terrier)」という現在の名で呼ばれるようになっています。
アメリカでは当初、ケアーン・テリアとウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの交配が行われていましたが、本来は別の色の犬から生まれてくる白い犬は、虚弱体質のものも多く、犬種の健全性を保つために必要な措置でした。しかし、1917年には犬種が固定され遺伝疾患のリスクが低下したと判断されたので、以降は完全に別の犬種として扱われるようになり、ケアーン・テリアとの交配も禁じられました。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは原産国のイギリスだけではなく、アメリカでも大変人気のある犬種で、人気ランキングベスト10入りの常連でもあります。
日本では、同じ白い犬でもサイズが小さく、比較的扱いやすいマルチーズの人気が高いようですが、気の強さと甘えん坊な性格のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアも愛好家たちに根強く支持されて続けています。
短い手足に短い胴、体高より体長が長いスクエア型の体型をしており、頭は大きめで立ち耳でとがった形をし、目はアーモンド形であごは短くシザーズ・バイトの咬み合わせとなっています。
被毛は剛毛のダブルコートで、保温目的というよりは、猟で獲物と向かい合った際に怪我をしないようにするためだと考えられています。
毛色は名前の通りホワイトに限りますが、わずかに黄みがかっている個体もいます。
きりっとした姿勢で立ち、ピンと張ったしっぴがテリアならではの勇敢さを感じさせてくれる容姿です。
体高はオス26~28cm、メスは24~26cm、体重はオス7~10㎏、メス6~9㎏、平均寿命は12歳~16歳ほどです。
本来は猟犬なだけあって、活発で好奇心旺盛ですがその反面、気性が荒い面も持ち合わせており、独立心が強く頑固な面ももっている犬種です。
普段は落ち着いた性格なのですが、勇敢で負けず嫌いの典型的なテリア気質のため、どうしても気に入らない相手に対しては喧嘩をかってしまったり攻撃的になってしまうこともあります。
信頼できる飼い主に葉強い忠誠心を持ちますが、とにかくやんちゃで、飼い主にかまってほしいがためにいたずらをしたりすることもある可愛らしい一面をもっており、そこを魅力としてこの犬種を愛好する飼い主も多くいるようです。
明るい性格で元気があり、活発ないたずらっ子なので、散歩や遊びの時間は十分にとるようにしましょう。
散歩は1回30分を1日2回程度行い、散歩中は唐突に猟欲を見せることがありますので放し飼いは決してしないよう、リードに繋いで行うようにしましょう。
警戒心が強く、興奮しやすい面も持っているため、子犬の頃からできるだけ社会性を身に着けるようにすることで飼いやすい性格になっていきます。散歩で出会う犬とあいさつをさせたり、ドッグランで他の犬と遊ばせるなどして、警戒心や攻撃性を弱めていけるようにしましょう。
寒さに強く暑さに弱い犬種なので、真夏の日差しや炎天下の散歩などは控え、朝夕などの涼しい時間に行うようにしましょう。
長毛のダブルコートですが、剛毛なので、皮膚炎に悩まされやすい特徴といえます。1~2日に1度はブラッシングをし、2~3ヵ月に1度は定期的なカットなどでしっかり予防してあげましょう。ブラッシングの際には皮膚に異常がないかチェックしてあげるとなお予防に繋がります。
賢く物覚えがよい犬種なのですが、独立心が強い面もあるので、しつけの際になかなか言うことを聞いてくれないこともあるかもしれません。ですが、根気よく行うことがポイントになります。
やってはいけないことをした場合は、毅然とした態度で接し、逆にきちんとできた場合は少し大げさなくらい褒めてあげることで犬も理解してくれるようになります。
途中で諦めず、無理にルールを押し付けるようにはせず、遊びやスポーツなどを取り入れながらきちんと適切なしつけを心掛けるようにしましょう。