冬でも油断禁物!愛犬・愛猫を守るノミ・マダニ予防の重要性

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はじめに:冬のノミ・マダニ予防の必要性

寒い冬になると、ノミやマダニの心配が減ると思われがちです。しかし、実はこの考えは大きな誤解です。ノミやマダニは寒さをものともせず、さまざまな環境で活動を続けるため、愛犬や愛猫を守るための対策が必要不可欠です。

冬の感染リスクが軽視される背景には、「寒いから虫は死ぬ」という誤った認識があります。しかし、ノミやマダニは温暖な室内や特定の屋外環境で活動を続けます。例えば、暖房の効いた部屋、日当たりの良い公園、あるいは動物が集まる場所などが感染の温床になり得ます。

この記事では、冬でも感染のリスクがある理由、実際の感染例、効果的な予防方法、そして当院が提供するサービスについて詳しく解説します。これを読むことで、ノミやマダニ予防の重要性を再認識し、大切なペットを守るための正しい知識を身につけられます。

冬でも感染リスクがある理由

ノミ・マダニは本当に冬眠するの?


冬になるとノミやマダニの活動が停止すると思われがちですが、実際にはそうではありません。ノミやマダニは寒さに対して適応力を持つ生物で、暖かい環境があれば冬でも活発に活動します。例えば、暖房が効いた室内、飼い主が散歩で訪れる日当たりの良い場所、あるいは庭やベランダに隠れた落ち葉の下などが彼らの隠れ家となります。このように、冬でもノミやマダニは決して冬眠するわけではなく、活動の場を変えて生存を続けます。

ペットを通じた室内感染のリスク


冬場は室内で過ごす時間が増えるため、外から持ち込まれたノミやマダニが感染の原因になることがあります。例えば、散歩中に草むらで付着したマダニがペットの毛に潜み、そのまま室内に持ち込まれるケースが典型的です。さらに、ノミはわずか1匹でも繁殖力が非常に高いため、短期間で家全体に広がる危険性があります。室内感染のリスクを軽視すると、ペットだけでなく飼い主の健康にも影響を及ぼす可能性があります。ノミが媒介する感染症には猫ひっかき病やマダニが媒介する重篤なバベシア症などがあり、予防策が極めて重要です。

これらのリスクを理解することで、冬場の予防がなぜ必要なのかが明確になるでしょう。

冬に感染した実例:治療ケースから学ぶ

ケース1:冬の暖房室内で発症したノミ感染


猫の飼い主さまから、「冬場なのに猫が体をかゆがる」という相談を受けました。室内で飼育している猫で、外に出すことはないとのことでした。しかし、お話を聞くと、冬でも暖房が効いた部屋で繁殖していたノミが原因であることが判明。
この猫はノミが原因で「ノミアレルギー性皮膚炎」を発症しており、症状として激しいかゆみや脱毛、皮膚の赤みが見られました。治療にはまず、ノミを駆除するためのスポット滴下薬を使用し、同時に環境中のノミを完全に除去するために室内の防虫と掃除を徹底して行いました。飼い主さまには予防薬を通年で使用するよう指導しました。

ケース2:公園散歩で持ち帰ったマダニ感染


冬の愛犬の散歩中に感染した事例も報告されています。公園の落ち葉の中で遊んだ後、マダニに咬着されていたことがわかりました。マダニはその後、犬の血液を吸うだけでなく、バベシア症などの感染症を引き起こす可能性があります。
バベシア症は、マダニが媒介する寄生虫による感染症で、貧血、元気消失、食欲不振といった深刻な症状をもたらします。飼い主さまには散歩後に毛をチェックする習慣をつけるよう指導をします。また、万が一バベシア症になると治療費が高額になり、飼い主の経済的負担も大きくなるため、定期的な予防の重要性です。

冬でもノミやマダニが原因でこれほど深刻な事態になることを知ると、予防の大切さが一層明確になります。これらのケースから学び、同じような状況を回避するためにしっかりと対策を取りましょう。

ノミ・マダニの冬場の予防法

通年予防の重要性


ノミやマダニの予防は、夏場だけ行えば良いというものではありません。冬場も適切な予防を続けることで、感染リスクを大幅に減らすことができます。特に、温暖化の影響でノミやマダニの活動期間が長くなっている現代では、通年予防が推奨されます。予防薬を季節ごとに中断するのではなく、獣医師の指導のもとで継続的に使用することが重要です。

おすすめの予防薬とその選び方


予防薬には、内服薬、スポットオンタイプ、首輪タイプなどがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ペットの性格や生活スタイルに合わせた選択が必要です。

  • 内服薬: 味付きで投与が簡単なものが多く、全身のノミやマダニを駆除します。特に、皮膚が敏感なペットに適しています。
  • スポットオンタイプ: 首の後ろに滴下するタイプで、直接皮膚に浸透します。投与後の触れ合いに注意が必要ですが、皮膚表面で広く作用します。
  • 首輪タイプ: 近年では主流の予防方法ではありませんが、長期間効果が持続するため、忙しい飼い主に便利です。ただし、装着時のサイズ調整が必要です。

予防薬の使用時には、ペットの体重や健康状態に応じた製品を選び、指示された用法用量を守ることが大切です。また、多頭飼育の場合、全てのペットに同時に使用することで感染拡大を防げます。

家庭でできる環境管理


ノミやマダニの感染を防ぐには、家庭環境の清潔さを保つことも欠かせません。以下の対策を日常的に行いましょう。

  • 寝床やカーペットの洗浄: ペットが頻繁に過ごす場所は、最低でも週に1回は洗濯や掃除を行いましょう。高温乾燥が効果的です。
  • 落ち葉や庭の整理: 屋外飼育のペットの場合、庭やベランダの落ち葉を片付け、ノミやマダニの潜伏場所を減らします。
  • 防虫スプレーの使用: 市販のペット用防虫スプレーを使用して、感染リスクの高い場所を定期的にケアします。ただし、ペットの皮膚に直接かける場合は獣医師に相談しましょう。

家庭環境を整えることで、ノミやマダニの発生を未然に防ぎ、大切なペットの健康を守ることができます。

ノミマダニ予防のQ&A

「冬でも予防薬は必要?」への答え
冬でも予防薬は必要です。多くの飼い主は、寒い季節にノミやマダニのリスクがないと誤解していますが、先述した通り、ノミやマダニは暖かい環境で冬を越します。室内飼育のペットや外から帰宅後に侵入した虫が感染源となるケースもあります。予防薬を年中使用することで、感染のリスクを最小限に抑えられます。

「安全に使える予防薬は?」
多数の予防薬があり、安全性においても確認されたものが多く存在します。。ただし、ペットの種類、年齢、健康状態によって適切な予防薬が異なるため、獣医師に相談することをお勧めします。また、犬用と猫用の薬は成分や容量が異なる場合が多いため、誤使用しないように注意しましょう。

「ペットが薬を嫌がるときは?」
薬を嫌がるペットには、いくつかの対策が考えられます。内服薬の場合、好きなおやつやウェットフードに混ぜる方法が効果的です。また、スポットオンタイプが苦手なペットには、皮膚への刺激が少ない製品を選ぶと良いでしょう。どうしても薬の投与が難しい場合は、獣医師が適切なアドバイスを行うので相談してください。

「散歩後にチェックすれば予防薬はいらない?」
散歩後に毛や皮膚をチェックする習慣は重要ですが、それだけでは完全な予防とは言えません。ノミやマダニは毛の奥深くに潜むことがあるため、肉眼では見つけにくい場合があります。さらに、1匹でも見逃すと繁殖が広がる可能性があります。したがって、日常のチェックに加え、予防薬を使用することが推奨されます。

「環境対策をしていれば薬は不要?」
家庭環境の清潔さを保つことは非常に重要ですが、それだけで感染リスクを完全に排除することはできません。外出中や他の動物との接触を通じてノミやマダニが持ち込まれる可能性があるため、環境対策と予防薬の併用が最も効果的です。

獣医師への相談を通じて、ペットに最適な予防方法を選択し、ノミやマダニの脅威を完全に防ぎましょう。

アニホック動物病院のノミ・マダニ予防

当院で行うノミ・マダニの予防・治療の流れ
アニホック動物病院では、ノミ・マダニの予防と治療に関して、ペットの健康状態や飼い主様のご希望に合わせた最適な方法を提案します。初診時には、ペットの生活環境や活動状況を詳しくお伺いし、感染リスクを評価します。その上で、適切な予防薬を選択し、使用方法や注意点を丁寧にご説明します。
治療が必要な場合は、症状や病状に応じた対応を迅速に行います。例えば、ノミアレルギー性皮膚炎であれば、痒みを和らげる薬の処方と同時に、ノミを駆除する薬を使用します。さらに、室内環境を清潔に保つための具体的なアドバイスも提供しています。

定期的な予防ケアプラン
当院では、飼い主様の負担を軽減するため、定期的な予防プランを用意しています。このプランでは、年間を通じて適切な予防薬の投与を管理し、季節ごとのリスクに応じたケアを提供します。定期的な健康診断を含むプランもあり、ノミやマダニの感染だけでなく、その他の健康問題も早期発見できる体制を整えています。

ペットの健康を守るために、冬場も含めた通年予防を検討されている方は、ぜひアニホック動物病院にご相談ください。

おわりに:通年予防でペットと快適な冬を

冬場はノミやマダニが活動を控えると考えがちですが、実際にはそうではありません。暖房の効いた室内や日当たりの良い場所では、ノミやマダニが活動を続けることが確認されています。大切なペットをこれらの感染リスクから守るためには、通年予防が欠かせません。

この記事を通じて、冬のノミ・マダニの感染リスクやその対策についてご理解いただけたと思います。感染症は予防することで多くの問題を未然に防げます。特にノミやマダニによる疾患は、ペットの健康だけでなく、飼い主様の生活にも影響を与えることがあります。

ペットを健やかに過ごさせるためには、適切な予防薬の使用や環境管理を徹底することが大切です。そして、分からないことや不安があれば、ぜひアニホック動物病院にご相談ください。当院では、ペットの健康を第一に考えた最適なプランを提供しています。

大切な家族であるペットと、快適で安心できる冬をお過ごしください。通年予防を実践し、冬でもノミ・マダニに負けない健康な生活をサポートしていきましょう!

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演