2025年3月開業！新横浜病院プロジェクト④ 医療機器のご紹介「顕微鏡」
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皆様こんにちは。
アニホック動物医療センター新横浜病院は現在、病院の工事は順調に進んでおり、外観の形がだんだんと見えてきました。内装工事も少しずつ進んでおり、診察室や処置室の配置が決まってきたところです。完成が待ち遠しいです！さて、この時期はペットの乾燥対策も大切です。空気が乾燥すると、人間と同じようにワンちゃんやネコちゃんの皮膚や呼吸器にも影響を与えることがあります。適度な湿度を保つために、加湿器を活用したり、水分補給を意識することが重要です。特に皮膚が敏感な子は、保湿ケアを取り入れるのもおすすめです。
さて今回は動物病院で非常に重要な役割を果たしている「顕微鏡」についてお話ししたいと思います。
顕微鏡は、どこの動物病院でも必ず設置されている検査機器の一つです。意外に思われるかもしれませんが、その基本的な機能は何十年も変わっていません。私が獣医師として働き始めた頃から、顕微鏡の構造や操作方法はほぼ同じです。しかし、最近では技術が進歩し、画像をモニターに映し出せるタイプや、AIを活用して診断を補助するような高性能な顕微鏡も登場しています。それでも、基本的な原理は昔から変わらず、完成された検査機器としての今もなお活躍しています。
動物病院で顕微鏡が使用される場面は多岐にわたります。最も多いのは以下の3つの用途です。
ペットの飼い主さんも経験があるかもしれませんが、犬や猫は下痢をしやすい動物です。動物病院に来院するペットの2～3割は、下痢症状を伴う病気が原因で受診しています。特に、生後3ヶ月程度の子犬や子猫は、寄生虫に感染していることが多いため、便の検査が欠かせません。
顕微鏡を使うことで、肉眼では見えない寄生虫の卵や細菌の動きが確認できます。例えば、回虫や鉤虫（こうちゅう）などの寄生虫の卵を特定し、適切な駆虫薬を使用するための重要な情報が得られます。この検査を通じて、ペットの健康を守るための早期対応が可能になります。
次に顕微鏡が活躍するのは尿検査です。動物病院では、採取した尿を遠心分離機にかけ、尿の中に含まれる沈殿物を顕微鏡で観察します。この沈殿物には、尿結石や血球、細菌などの成分が含まれることがあり、これらを確認することで病気の診断につながります。
例えば、尿結石症や膀胱結石は、尿中の結晶や沈殿物を観察することで診断がつきます。さらに、膀胱内の感染症や細菌性膀胱炎の診断にも顕微鏡が大きく役立ちます。このように、顕微鏡による尿検査はペットの健康管理において欠かせない検査方法の一つです。
顕微鏡は、腫瘍やがんの診断にも重要な役割を果たします。例えば、ペットの体にできた「しこり」を検査する際、細胞診や組織検査が行われます。この検査では、採取した細胞や組織を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無や種類を特定します。
さらに、外科手術で摘出した腫瘍組織を顕微鏡で詳しく調べることで、腫瘍の性質や進行具合を把握することができます。この情報は、適切な治療方針を決定する上で非常に重要です。
このように、顕微鏡は動物病院において多岐にわたる検査に使用されており、ペットの健康を守る上で欠かせない存在です。新人の獣医師からベテランまで、幅広い診療場面で使用される顕微鏡は、まさに「医療の基盤」といえるでしょう。
また、最近では、AIや画像処理技術を活用した次世代型顕微鏡が登場しつつあります。例えば、顕微鏡画像を解析して、感染症やがんの診断をより正確かつ迅速に行える技術が開発されています。こうした進歩は、ペットの診療においても今後ますます重要になることでしょう。
この記事を読んで、顕微鏡の役割について少しでも理解を深めていただけたら幸いです。ペットの健康を守るために、動物病院での検査を積極的に活用していきましょう！
