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皆様こんにちは。
アニホック動物医療センター新横浜病院の工事もある程度終わり設備搬入が始まります。少しずつ「病院らしく」なってきました。開院まであと約1か月、しっかり準備を進めていきます。さて、寒さがピークを迎えるこの時期、ワンちゃんやネコちゃんの体調管理には特に注意が必要です。寒暖差が大きいと体調を崩しやすくなるため、室内の温度を一定に保ち、外出時には防寒対策をしっかりしましょう。特に小型犬や短毛種は冷えに弱いため、散歩の際には防寒着を活用するのもおすすめです。
さて今回は「内視鏡(ないしきょう)」についてお話しします。みなさんは「内視鏡」という言葉を聞いたことがありますか?もしかすると、家族の誰かが健康診断で内視鏡を使った検査を受けたことがあるかもしれません。
内視鏡とは、細長いチューブの先にカメラがついている機械で、体の中を直接見ることができる医療機器です。人間では、胃カメラ検査として使われることが多く、口や鼻からカメラを入れて、食道(しょくどう)、胃(い)、そしてその先の十二指腸(じゅうにしちょう)までの様子を観察することができます。
動物病院でも、この内視鏡はとても役に立ちます。例えば、犬や猫が誤って異物を飲み込んでしまったとき、お腹を切らずに取り出すことができるのです。また、胃や腸の病気を調べるために使われることもあります。
もし内視鏡がなかったら、体の中を見るためには手術をしなければなりません。例えば、胃や十二指腸の中に炎症(えんしょう)やできものがあるかどうかを確認するには、お腹を切らないといけないのです。しかし、手術には大きな負担がかかりますし、動物の場合は入院期間も長くなってしまいます。
そこで内視鏡を使えば、体を切ることなく、消化管(しょうかかん)の内部を直接観察できます。さらに、もし胃や十二指腸に問題があれば、内視鏡を使って少しだけ組織を取ること(生検〈せいけん〉)も可能です。その結果、どんな病気なのか、手術が必要なのかを詳しく調べることができます。
動物病院で内視鏡が特に活躍するのは、犬や猫が何か食べてはいけないものを飲み込んでしまったときです。たとえば、おもちゃやビニール、ひもなどを誤って飲み込んでしまうことがあります。こういったものを「異物(いぶつ)」と呼びます。
もし異物が胃の中にある場合、内視鏡を使って異物を取り出すことができます。内視鏡を使えば、お腹を切る必要がないので、動物への負担が少なく、回復も早くなります。異物が取り出せたら、その日のうちか翌日には退院できることも多いのです。
しかし、内視鏡がない動物病院では、胃を切って取り出す「胃切開手術(いせっかいしゅじゅつ)」をしなければなりません。この場合、動物は1週間ほど入院しなければならず、体への負担も大きくなります。内視鏡は、動物にとっても飼い主さんにとっても、とても優しい選択肢なのです。
実は、内視鏡を持っている動物病院はそれほど多くありません。その理由の一つは、内視鏡の機械がとても高価だからです。そして、内視鏡を使う場面はそれほど頻繁にはないため、導入していない病院も多いのです。
しかし、アニホック動物医療センター新横浜病院では、動物たちに質の高い医療を提供するために、開院当初から内視鏡を導入しました。私たちは、内視鏡が動物にとって負担の少ない治療や検査を実現できる、大切な機械だと考えています。
もし、みなさんの大切なわんちゃんや猫ちゃんが異物を飲み込んでしまったり、胃や腸の中を詳しく検査する必要がある場合は、ぜひご相談ください。内視鏡を使った検査や治療について丁寧にご説明し、動物たちが一日でも早く元気になるようサポートします。
また、胃や腸の病気が疑われる場合も、内視鏡で検査をすることで、より正確な診断が可能になります。例えば、慢性的な胃腸炎、ポリープ、腫瘍(しゅよう)などの病気を発見し、治療方針を決める手助けになります。
内視鏡を活用することで、動物たちの負担を少なくし、より良い治療を提供することができます。これからも、わんちゃんや猫ちゃんたちが健康で元気に過ごせるよう、私たちは最新の医療技術を取り入れながらサポートしていきます。
動物たちの健康を守るために、最新の医療機器を活用し、安心して治療を受けられる環境を整えることがとても大切です。これからも、皆さまの大切な家族である動物たちの健康を守るために、最善の方法を考えていきます。
何かご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。