日本猫の病気・ケガ・性格を解説

日本猫がかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

日本猫の特徴

日本猫の歴史

日本猫の歴史は古く、弥生時代の遺跡である長崎県壱岐市に所在するカラカミ遺跡からイエネコの遺骨の出土事例があったことから、紀元前から日本に猫が存在していた可能性が考えられています。

一般的には、奈良時代頃に、経典などの大事な書物をネズミから守る益獣として、中国から輸入されたことが日本猫の始まりとも言われており、本物のネコの描写が記録として現れるのは899年の宇多天皇による黒猫の飼育日記でした。

そこには「唐土渡来の黒猫」と断り書きがあり、それに加えてそれからおおよそ100年後、花山天皇が三條の皇太后に猫を贈った際、その猫を「唐猫」と詠んでいることから見ても、舶来でない在来の猫が当時の日本に既に存在していたことが伺えます。平安時代の様々な和歌や物語に登場し、人々に親しまれていましたが、その後も中国と交易するたびに猫が日本を訪れ、戦国時代にはシャム(タイ)などの東南アジアとも交易したことから、これらの猫とも関係ができたと考えられています。

現在の日本の猫の形は江戸時代に固定されたもので、日光東照宮の「眠り猫」(伝・左甚五郎作)は、日本猫の姿をよく表す好例とされています。

日本に伝来してから長きにわたり、猫は貴重な愛玩動物として扱われていましたが、鼠害防止の益獣としての使用は限定され、猫は繋いで飼育する動物であったともいわれており、絵巻物などには魔除けの猿同様に紐・綱等で繋げて逃げないように飼育されている猫の様子が多数描かれていました。そのため、鼠害対策として1602年には、洛中の猫の綱を解き放つことを命じる高札が出されたという名内容が、西洞院時慶の日記である「時慶記」に記録されています。禁制はかなりの効果があり、鼠害が激減したと言われています。

一方、日本猫は元々愛玩用ではなく鼠狩りの益獣として輸入されたため、家で飼われるより外で暮らす方が多かったという見解もあり、室町時代の幸若舞には京都で猫が自由に外を徘徊している模様が記述されていましたが、猫が広く繁殖するまでには至っておらず、江戸時代には鼠を駆除するための呪具として猫絵を描いて養蚕農家に売り歩く者もいたとされています。

日本猫の種の揺籃は1945年頃まで安静に続いてたものの、第二次世界大戦が終結した頃から進駐軍など外国人の手によって外来種が日本国内に大量に持ち込まれるようになり、特に日本国内に巻き起こったシャム猫の流行期を過ぎてからは、外来種との混血が急速に進み、20世紀も後半を迎えた頃には絶滅寸前と言われるまでの状況になりました。これに危機感を抱いたことから1971年、「日本猫の標準」の試案を作成したうえで「日本猫」の保存を平岩米吉が呼びかけていったことにより、今日の日本猫という種の存続に繋げていくことに成功しました。

日本猫の大きさ・見た目

顔の特徴として、額が広く鼻筋がしっかり通っていること、体を覆う被毛はそれほど長くなく、耳の毛は短いです。

毛は独特な配色をしていて、白、黒、ぶち、三毛猫、トラ、サビなどにわかれ、尻尾は細長いものと短いものがおり、尾が短い事は世界中他の猫と比べても大きな日本猫の特徴とされています。

体重はオス4.3㎏~5.5㎏、メス3.1~4.2㎏、平均寿命は13歳~16歳ほどです。

日本猫の性格

初対面の相手に対しては警戒心を見せますが、気を許すと愛嬌ある仕草を見せます。

毛色によっての個体差はいくらかありますが、白猫は気難しく向こうから寄ってくることはありませんが、飼い主に対する独占欲が強く、ほかの人や猫が近づくと敵意を見せて追い払おうとするいじらしさがあり、黒猫は慣れれば穏やかで飼い主思いで気持ちを察してくれる賢さがあり、茶トラは明るくフレンドリーかつ甘えん坊なのでとても飼いやすく、キジトラは活発で警戒心が強いために特定の相手にしか気を許さず、サバトラは陽気で人懐っこいか警戒心が強く神経質かの両極端なものがおり、ブチ猫は優しくて我慢強さがある反面、人懐こく陽気かと思えば孤独を好む二面性があり、サビ猫はマイペースで穏やかですが構いすぎると嫌がる短気な面があり、三毛猫はプライドが高く独立心が強いうえに気まぐれさが目立つなど、毛色によっても性格が異なるといわれています。

日本猫を飼うときの注意点

食事は一日に何度か小分けに

毎日の餌は栄養バランスなどを考え、キャットフードなどが無難だといえます。ドライフードと缶詰がありますが、ドライフードは扱いやすく猫が歯周病になりにくいという特徴がありますが、缶詰は猫が好むのでよく食べますが、水分が多いことから泌尿器科の病気になりにくい良さがあるため一長一短です。ただし、餌はあげ過ぎると太ってしまうため、注意しましょう。

しつけは叱りつけない

犬のように叱られたからといって誤った行動をやめるというわけではないので、むやみに叱るのではなく、環境を整えつつそれができないような状況を整えるのがになりま大切す。

室内で飼う場合はトイレの場所を覚えさえることが必須になりますので、その猫自体の排泄物をトイレにあらかじめ置いておくなど猫が自分の場所だと認識できるようにしておくと習慣化できます。

信頼関係は距離感を大切に

できるだけ猫の目線に合わせて様子を見て、甘えたそうな時には構い、ほっといて欲しそうな時にはそっとしておくなど、猫に合わせると信頼関係が徐々に築かれていきます。

最初の内こそはもどかしいかもしれませんが、根気よく向き合っていきましょう。

運動のできるスペースを

室内飼いだと運動不足にならないような工夫が必要になります。猫は駆け回る以外にも高い場所へよじ登ろうとするので、キャットタワーやキャットウォークなどを設置してあげるとよいでしょう。

気が向いた時にいつでも高いところへ登り、歩くなどの移動ができるので運動不足になりにくいほか、おもちゃも用意してあげると飼い主も一緒に遊べるうえに猫がストレスを溜めにくい環境づくりができます。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演