ポメラニアンの病気・ケガ・性格を解説

ポメラニアンがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

ポメラニアンの特徴

ポメラニアンの歴史

ポメラニアンの起源はスピッツ系に属する他の犬種と同じく、サモエドであるといわれており、ポメラニアンという名称については、原産地のバルト海南岸の、3つの川に囲まれた低地であるポメラニア地方にちなんでいます。

現在、ポメラニア地方は大部分がポーランドに、一部がドイツに属しており、この地方では古来より様々なタイプのスピッツ系の犬種が飼育されていましたが、その中でもポメラニアンは体躯の小ささから愛玩犬に分類され、この大きさになるまでジャーマン・スピッツのような中型のスピッツから品種改良を重ねられて誕生したといわれています。

国際畜犬連盟からもジャーマン・スピッツの一品種に分類されており、多くの国でツヴェルク・スピッツ(小さなスピッツ)として知られています。

ポメラニアンが流行犬種となったきっかけは、17世紀以降多くの王族が飼育を始めたためだといわれており、中でも1767年にイギリス国王ジョージ3世の王妃シャーロットが2頭のポメラニアン、ファービーとマーキュリーをイングランドへと持ち込んだことだとされています。

その後シャーロットの孫であるイギリス女王ヴィクトリアもポメラニアンを愛好し、大きな繁殖犬舎を所有していました。ヴィクトリアお気に入りのポメラニアンの中に、体重5.4㎏で小柄なレッド・セーブルの毛色をした「ウィンザー・マルコ」という名前のポメラニアンがおり、ヴィクトリアが1891年にウィンザー・マルコを展覧会に出陳したことによってポメラニアンに注目が集まり、繁殖家たちがより小型のポメラニアンの作出を目指すきっかけを作りました。その後もヴィクトリアはヨーロッパ各地から様々な毛色のポメラニアンを輸入して自身で繁殖し、ポメラニアンの改良と人気の高まりに一役買うことになりました。

また、ヴィクトリアのほかにポメラニアンを飼育していた当時の王族には、フランス皇帝ナポレオンの王妃ジョセフィーヌ・ド・ボアルネやイギリス王ジョージ4世などがいます。

ポメラニアンの愛好クラブがイングランドに設立されたのは1891年のことで、1898年にアメリカのアメリカンケネルクラブに最初のポメラニアンが登録され、1900年には犬種として公認されることとなります。

日本にポメラニアンが最初に来たのは明治初期だといわれています。その後、1913年4月24日に東京都上野公園で開催された、日本初の犬の展覧会にポメラニアンが出陳され、見事入賞を果たしたことから新聞などで話題になり、一気に日本での認知度が急上昇していくこととなりました。

1955年後半になると、本格的に家庭でのポメラニアンの飼育が盛んになり、今日に至ることとなります。

ポメラニアンの大きさ・見た目

ポメラニアンは小さな頭に大きな目、手足も小さく、尻尾は背中に向けて巻いており、独特の豪華な毛吹きが特徴です。

体高13~28cm、体重1.9~5.0㎏の小型犬で、小さいながらも丈夫な犬種であり、毛並みはダブルコートで、顔の周りや胸元の毛は長く、尻尾の飾り毛は扇のように広がっています。

最初期のポメラニアンの毛色はホワイトがほとんどで、稀にブラックが見られる程度でしたが、現在のポメラニアンはホワイト、ブラック、ブラウン、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラック&タン、ブラウン&タン、スポット、ブリンドル(虎毛)などあらゆる犬種の中でも多様な毛色を持つ犬種として知られるようになりました。

また、近年になって被毛をベースにブルー、グレーの斑模様が点在するパターンであるマールの被毛を持つポメラニアンが作出され、ベースとなる被毛はレッド、ブラウン、ブラックが多いものの、その他の毛色もみられるようになります。ただし、プリンドルマールとレバーマールはスタンダードとしては認められておらず、さらにマールの被毛の場合、瞳、鼻先、肉球の色が他の毛色のポメラニアンとは異なり、人見はブルーで鼻先と肉球はピンクとブラックの斑模様となっています。

平均寿命は12~16歳ほどです。

ポメラニアンの性格

人間が大好きでとても友好的な犬種なため、人に懐きやすく仲間の保護意識も旺盛、活発で良く動き、遊びも大好きな性格です。

ですが、繊細な面もあるため、飼い主に過度に依存したり、よく吠えてしまうなどの面もみられます。

ポメラニアンを飼うときの注意点

ポメラニアンの特徴である豪華な毛並みを維持するために、ブラッシングやトリミングなどのこまめなお手入れが必要になります。抜け毛を放置してしまうと通気性が悪くなり、皮膚病の原因となることがあるため、健康管理のためにもブラッシングは欠かさず行いましょう。

手足の裏の毛は伸びると滑りやすくなり、関節に負担をかけてしまう場合があるので、こまめにカットしてあげるようにしましょう。また、夏場はお尻周りや胸元など汚れやすい部分を短くするサマーカットを行うことで涼しげな雰囲気になるほか、手入れをしやすくなります。ただ、夏の直射日光や地面からの照り返しによる熱などから皮膚や体を守ってくれる被毛を短くしてしまうため、注意が必要となります。

シャンプーは月に1回(夏場は2回程度)を目安に30~35度のお湯で犬用シャンプーをしてあげると良いですが、水を嫌がる場合は、お湯で濡らしたタオルなどで拭いてあげましょう。

ポメラニアンの犬種の特徴で手足の骨格が細い犬もいるので、活発で運動が好きなポメラニアンですが、関節に負担をかけすぎないよう、散歩の量は体調を見ながら行うようにしましょう。毎日朝夕2回、10~15分程度の散歩が望ましいです。

繊細な性格なので、玄関のチャイムに反応したり、留守番をさせられると吠えるなど、人が好きなだけに甘やかし過ぎると分離不安症になってしまうことがありますが、ポメラニアンは学習能力が高く躾が入るの早いので、子犬の頃からきちんとしつけ、我慢を教えるようにしましょう。

ドッグフードには様々な種類がありますが、小型犬で活発なポメラニアンには高タンパク質のドッグフードがオススメです。また、ポメラニアンは健康的な犬種ですが、年齢にあった食事を与え、肥満を防ぐために適切な量を与えるようにしましょう。

食事とともに気を配りたいのは歯磨きです。ポメラニアンの歯は隙間なく密集しているため、歯石がたまりやすく、「歯周膿漏」や「歯肉炎」などの歯周病に繋がるため、歯磨きは欠かせませんが、デンタル効果のある犬用ガムの併用も効果があるとされているので活用してみるのもよいでしょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演