バセット・ハウンドの病気・ケガ・性格を解説

バセット・ハウンドがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

バセット・ハウンドの特徴

バセット・ハウンドの歴史

バセット・ハウンドはフランス原産の嗅覚ハウンド犬で、16世紀頃から存在したことが記録されています。

ベルギーの寺院で飼育、繁殖されていたセント・ヒューバード犬の子孫が、のちにバセット・ハウンドの基礎犬となったと考えられていますが、その基礎犬が短足胴長になったのは選択繁殖の結果なのか、突然変異でそうなったのか、それはいつ頃のことなのか等、詳しいことはよくわかっていません。

セント・ヒューバード犬を基礎に作られた犬種はいくつかあり、多くの猟犬たちの基礎になったブラッド・ハウンドもその一つです。19世紀初めの頃にはバセット・ハウンドにもブラック・ハウンドが交配されましたが、2つの犬種には類似点が多くあります。

18世紀後半から19世紀になると、それまで貴族のスポーツだった猟が庶民のあいだでも行われるようになり、馬に乗って従者と多数の犬を引き連れて優雅に狩りを楽しむ貴族と違って、庶民の猟は生活のためであり、足を使って歩いて山野へ入り、同じスピードで歩く猟犬を求めました。

バセット・ハウンドはそんな猟にマッチした犬として歓迎されました。

逃げた獲物が残した匂いを鼻で嗅ぎ取りながら猟師である飼い主と同じスピードで歩き、獲物の居場所に近づくと早足になって追跡し、見つけた獲物にはむやみに襲い掛からずに油断させて、猟師が到着するまでその場にとどめるというスタイルのうさぎ狩りの良きパートナーでした。

1870年になると、バセット・ハウンドはイギリスに持ち込まれるようになり、イギリスの繁殖家の手によって洗練されて、1882年にはイギリスケネルクラブに犬種登録されました。

イギリス国内で「バセット・ハウンドの父」と呼ばれているヴェレット・ミレイ卿は1874年に「モデル(Model)」という名の犬をフランスから輸入して計画繁殖を開始し、翌年にはドッグショーデビューを飾っています。1880年代に入ると、ブラッド・ハウンドの血統が混じってサイズが一回り大きくなり、様々なドッグショーに登場するようになり、その結果、アレクサンドラ女王の目に留まり、王室の犬舎に迎えられるという栄誉に浴しています。

アメリカにおける初期の所有者としては、初代合衆国大統領ジョージ・ワシントンが有名です。この犬はアメリカ独立革命後、ラファイエット公爵から与えられたものだと言われています。1884年にはアメリカ国内でドッグショーデビューを飾り、翌85年にはAKCの公認を受けました。

また、国内では映画やテレビドラマ、CMやバラエティに出演し、漫画やアニメなどのキャラクターにと、たびたび使われるようになりましたが、中でも、靴メーカーの商標となったジェイソンという名前のオスは、アメリカのみならず世界中でも有名なバセット・ハウンドとなりました。

犬名は、フランス語で「bas(短い・低い)」という言葉が由来しているという説が有力とされています。

バセット・ハウンドの大きさ・見た目

足が短く胴長、脚が短いため、体高は低いですが、骨太でしっかりした体型で、足が短いので足が長い犬種に比べて速く走ることは得意ではありません。

バセット・ハウンドは足も大きく、大きな頭を支えるために少し外側を向いています。

皮膚にしわが寄り、垂れ下がっているため、垂れ目で少し物悲しい表情に見えることもありますが、この表情にユニークさを感じた人々からの人気のポイントとなっています。

耳が大きく垂れ耳で、嗅覚がとても優れており、垂れた皮膚や耳がさらに匂いを追跡するのに役立っているのだそうです。

バセット・ハウンドの被毛は様々な色がありますが、ブラック&タホワイト&タンのトライカラー、ブラウン&ホワイト、レッド&ホワイトやレモン&ホワイトのバイカラーがよく知られています。レバーやチョコレートなど、そのほかの毛色とホワイトの組み合わせもあります。

体高はオスメス共に33~34cm、体重も20㎏、平均寿命は10歳~12歳ほどです。

バセット・ハウンドの性格

バセット・ハウンドは温厚な性格で人懐っこく、子どもたちにも優しく接することができます。

また、マイペースでのんびりした性格の個体も多く、遊び回るなど活発に動くことが少ない犬種で、唯一興奮するのは何か普段感じない特別な匂いがした時だけです。

賢いのですが頑固な性格でもあるので、しつけには忍耐が必要になってきます。

穏やかに過ごすことができる犬ですが、他の犬種と同様に愛情をかけられず孤独に過ごすと問題行動が出てしまうこともあります。

バセット・ハウンドは元々狩猟のために集団で飼育できるように改良された犬のため、孤独はあまり得意ではありません。

家族と一緒にいることが大好きで、他の犬やペットとも仲良くできる性格です。

ほったらかしにされてしまうと、破壊的になったり吠えたりしますので、室内飼育でいつも一緒にいられる環境がベストです。

他の動物とも仲良く過ごすことはできますが、もともとが猟犬だったので、うさぎやフェレットなどと一緒に飼う際には注意が必要になります。

バセット・ハウンドを飼うときの注意点

バセット・ハウンドは猟犬ではありますが、スポーティに脚力を遣うタイプではないため、多くの運動量は必要ありません。

1日1時間程度の散歩で十分です。

しかし、胴長の体型によりヘルニアになりやすい傾向にあるため、体づくりをする若犬の時期はしっかりと運動をして、筋肉をつけておきましょう。

賢く温厚ですのでしつけは難しくありませんが、自分が気に入ったことや熱中している場面では、飼い主の言うことを無視しても自分の世界に入り込むことがありますので、しつけは根気よく行いましょう。

独立心が強く、飼い主に依存し過ぎない傾向があるため、しつけにおいては的確な指示を出せなければコマンドを無視してしまうことがあります。

指示することをきちんと決め、して良いことと悪いことの区別は一貫性をもって教えていきましょう。

その場その場で曖昧な態度で支持を出していると飼い主のコマンドに対して信頼を損なってしまい、バセット・ハウンドは自己判断で無視してしまうようになります。

自分でしつけることに自信がない場合などは、しつけ教室に参加することもおすすめです。

バセット・ハウンドとの信頼関係を築くためにも預けっぱなしは良くないですが、一緒に参加できるしつけ教室を選ぶなどすることをオススメします。

ある程度の知識がないと、的確な指示を犬に出して理解してもらうのは難しいものですが、人間は犬に対する接し方を学ぶことができ、バセット・ハウンドは他の人や犬がいる場でのコマンドに従ういい経験ができます。

短毛で被毛の手入れは楽ですが、定期的なブラッシングをしてあげるようにしましょう。

また、顔や体の大きなしわには汚れがたまりやすいので、しわの間の汚れは綺麗な布でこまめに拭き取ってあげるとよいでしょう。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演