土佐犬の病気・ケガ・性格を解説

土佐犬がかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

土佐犬の特徴

土佐犬の歴史

ニホンオオカミに似た姿の中型犬の四国犬は、かつて土佐犬と呼ばれていました。

現代では土佐犬といえば大型の問う犬種である土佐闘犬を指しますが、実は土佐闘犬にも四国犬の血が流れており、外貌では全く似つかない2つの犬種ですが、飼い主に対しては徹底的に忠実で、負けん気の強い犬であることは同じです。自分より獰猛なイノシシに勇敢に立ち向かっていく四国犬のその気質を尊重し、闘犬として育種を進めたのが現在につながる土佐犬の姿です。

高知・土佐藩が闘犬を始めたのは14世紀頃、この当時はまだ土佐犬は今のような大きな姿をしていなかったものと推定されています。

土佐犬の大型化は江戸時代末期から明治頃、海外から犬を輸入するようになってから始まりました。交配に使われた犬はオールドイングリッシュマスティフやブルドッグ、セントバーナード、ジャーマンポインター、ブルテリア、グレート・デーンなど、外国でも闘犬としての歴史があったり、大きな体をしていたりというこせいの犬たちでした。中でも、マスティフは現在の土佐犬にもその容姿を色濃く残していることから、海外での土佐犬は「ジャパニーズ・マスティフ」との別名もあります。現在はレッドの毛色が圧倒的に多い土佐犬ですが、昭和の始めまでは虎毛も少なくなく、白が入った犬もいたそうです。虎毛や黒毛は現在も標準の毛色になっていますが、出征数自体は少ないとされています。

闘犬はイギリスをはじめとする動物愛護の先進国では19世紀に禁止となりましたが、日本では禁止されていません。そのため、土佐犬は繁殖犬の選定において、ペットとして飼いやすいかどうかではなく、強い性質であるかどうかを考慮に入れて行われます。闘犬の是非については日本国内でも議論が続いていますが、闘犬の素質を残そうとする限り、一般家庭での飼育は難しく、実際に飼い主の力不足や不注意から重大な咬傷事故もたびたび起きています。このままでは闘犬である以前に犬種の保存が難しくなりかねない側面があり、危機感を抱いた愛好家や育種家、関係者によって、正しい飼育管理方法の啓蒙が行われるようになりました。

強い犬を作るためにも現在も他犬種との交配をする人がいるようですが、純血種として土佐犬の保存を念頭に置いている団体ではピットブルなどとの交配を禁止しています。また、異種交配が行われている犬を3代以内にもつ血統では、血統書が発行されることはありません。歴史的な混血ないきさつからも、現在の土佐犬は純粋な日本犬とは認められないのです。

なお、土佐犬は特定犬種として、区市町村に対して犬舎の大きさや飼育場所などの届け出が必要となる場合が多くあります。

土佐犬の大きさ・見た目

筋肉質な骨格で、皮膚は噛まれてもいいようにと大きなしわができるほどたるみ、頭部は大きく、ストップははっきりして、角張ったマズルをしています。垂れ耳で、尻尾も太く垂れており、断尾はしません。

毛色はレッド(赤色)、アプリコット(淡赤毛)、フォーン、ブラック、ブリンドル(虎毛)があり、胸や足に白い部分が多少出ることがあります。

体長はオス60cm、メス55cm、体重は90~91㎏、平均寿命は10歳~12歳ほどです。

土佐犬の性格

風貌から攻撃的な性格をしていると思われがちですが、飼い主など主従関係をしっかり築いている相手に対しては忠誠心が強く、大人しい犬種です。しかし、心を開いていない相手に対しては言うことを聞かないので、ほかの犬と仲良くなることは難しいようです。

また、少しの刺激などで闘犬としての本能を表すことがあるので飼育時は最新の注意が必要になります。

土佐犬を飼うときの注意点

土佐犬は闘犬としての素質を優先して繁殖させているので一般家庭での飼育は難しいとされています。

覚悟の上で飼育する場合、大前提としてお住まいの地域で土佐犬自体の飼育が禁止されていないかの確認が必要となります。

土佐犬を飼うにあたり、準備するものは他の犬種を飼うときとさほど変わりはありませんが、絶対的な条件として頑丈なもの選び、広い犬舎や人除けの柵のほか、散歩の際につける口輪も用意しましょう。

力も大変強く、一度興奮状態に陥ると丸腰の人間で太刀打ちできる犬種ではありません。リードや首輪もその力に耐えうるような丈夫な物を用意すべきです。

土佐犬は大型~超大型に分類される犬種なので、体に見合った運動量が必要です。散歩では最低でも1回1~2時間、1日2回以上求められます。また、警戒心が強く防衛意識があるので、通りすがりの人や動物に大きく反応することがあるため、散歩は人の少ない場所や時間帯を選んで行いましょう。また、そのような環境にない場合は飼育を考えた方がいいかもしれません。

また、土佐犬を初めて犬を飼う人にはオススメできません。甘やかしがちな人では飼い主自身や家族が危険にさらされる可能性が十分にあります。

しつけはしっかりと行う必要があり、特にリードを引かないことや、、飼い主の命令一つでどんなに興奮しているときも抑えられるように訓練が必要です。しかし、虐待的な訓練では犬との信頼を損ね、かえって扱いにくい犬となります。なので、土佐犬の飼育は非常に難しく、犬のために十分な時間と経済力、マナーや倫理観など高い意識が求められます。

様々なリスクや責任などを理解し、覚悟ができたうえ、周りの理解などの飼育条件が満たされている人のみ飼うべき犬種と言えます。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演