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ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。
「ヨーキー」という愛称で親しまれているヨークシャー・テリアは、19世紀中ごろ、イギリスのヨークシャー地方の工業地帯の行員の家屋を荒らすネズミを捕えるために関節狩猟犬として作出されました。
1862年に「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャーテリア」という大変長い犬種名で命名され、イギリスのヨークシャー州・スコットランド州のワイヤー・ヘアのテリアといったような意味になりますが、長すぎたためにヨークシャー・テリアと呼ばれるようになりました。現在のヨークシャー・テリアはワイヤー・ヘアどころか絹のようなすべすべした直毛ですが、作出された時期は様々な犬を交配に用いてたこともあり、毛質だけでなくサイズも今と異なって5㎏以上ある個体も多かったようです。
当時、交配に使われていた犬は、、スカイテリアやマンチェスターテリア、ウォーターサイドテリアやマルチーズほか、更に数種類あったとされています。しかし、交配を進めて犬種を安定化していく過程で、ヨークシャー・テリアは小型化され、滑らかな直毛の毛質となりました。
ヨークシャー・テリアは愛玩犬ではなく、作物や人間の食べ物を荒らすネズミを捕るための犬として作出され、倉庫や工場などの室内でネズミを追えるほど小さく活発なテリアとして、労働者階級の市民に飼われていましたが、サイズの小ささ、被毛の美しさ、活発で明るい性格が評判となって、次第に貴族など上流階級でも飼われるようになりました。
1861年にイギリスのドッグショーに初めて出店され、1870年には「ヨークシャー・テリア」の名称が広がり、1872年にはアメリカにも入ったほか、1886年にはイギリスのケンネル・クラブで公認の犬種となりました。
この犬の魅力に取りつかれた欧米の繁殖家によって、ヨークシャー・テリアたちはさらに小さく、より美しい被毛を与えられるようになります。
日本に入ってきたのは昭和初期の頃で戦争のどさくさで一時姿を消していましたが、その後1965年(昭和40年)、日本では日本万国博覧会が大阪で開催されることが決まり高度経済成長期と呼ばれる豊かな時代になると、代表的な「お座敷犬」として注目を集め、犬の御三家「マル・ポメ・ヨーキー」という言葉が流行るようにこの3種が日本国内で人気の犬種となりました。日本では第3グループのテリアとして分類されていますが、海外では愛玩犬として分類されている国もあるようです。
なお、ヨークシャー・テリアとよく似た外見のシルキー・テリアは、オーストリアンテリアとヨークシャー・テリアの後輩によって作られましたが、それぞれ別の犬種として扱われています。
JKCによる日本国内の登録件数調査では、1位にはならないものの、1970年代から現在まで3~6位程度を維持し続けており、流行り廃りのない人気犬種となっています。
ヨークシャー・テリアは左右対称に伸びる、しなやかな長毛で、スチールブルーといわれる犬種独特の青灰色の毛と、タン色の毛で構成されています。
日本の犬種標準では、体重は3.1㎏までとされており、チワワ同様最も小さい種類の犬としてギネスブックに登録されたことがあるほどです。しかし、犬種作成の過程で中大型のテリアの血が入ってること、犬種の作出からあまり時間が経ってないことで性質の固定が不十分であるため、標準より大きなヨークシャー・テリアが生まれる場合もあるようです。平均体高20~23cm、平均体重3㎏、超小型犬に分類されます。
幼い頃の体毛はブラック・タンですが、成長するにつれスチール・ブルーやゴールド、シルバーなど毛色が7回ほど変化することと、その美しい絹のような毛質から「動く宝石」と言われています。
平均寿命は13~16歳ほどです。
ヨークシャーテリアは小型のわりにとても活発で、ネズミを追わせるというその成り立ちからもわかるように、大変勇敢で、負けん気が強く、頑固で自己主張が強い「テリア気質」です。
社交的で人見知りをしない性格のヨークシャー・テリアは、初めて会った人にもすぐに慣れます。また、人が好きなので遊んでもらうととても喜び、飼い主を主人と認めると深い信頼を寄せ、その飼い主と離れてしまうと食欲がなくなったり不活発になってしまうこともあります。
オスはメスに比べて甘えん坊で好奇心も旺盛、人に懐きやすく活発で服従してくれる犬が多いです。メスは子犬の時は雄と同じく活発でエネルギッシュですが、年齢とともに精神的な落ち着きが生まれ、情緒豊かでよく考えてから行動するようになる犬が多いです。
ヨークシャー・テリアは比較的抜け毛が少ないとされるシングルコートですが、毛量が多い時はよく抜けるように感じることもあります。
毛は細く絡まりやすいので、ブラッシングは毎日してあげましょう。また、口回りの毛は食事や水を飲むたびに丁寧に汚れを拭き取りましょう。耳の後ろも汚れが溜まりやすい場所なので、注意してケアを行いたい箇所です。
ヨークシャー・テリアのカットにはいくつか種類がありますが、例としていくつかあげると、定番人気の「ライオンカット」、顔や体も全ての毛を丸くカットした「もこもこカット」、シュナウザーのような「テリアカット」などのカットがあります。季節や生活環境に合わせて快適に過ごせるように、色々なスタイルに挑戦してみてください。
ヨークシャー・テリアはメリハリあるしつけが大切になります。トイレトレーニング、ケージトレーニング、待てや来いなどの支持を覚える躾やトレーニングを行い、失敗しても叱りつけないようにし、もし失敗してしまった場合はアイコンタクトでサインを送るなどして必要以上に反応しないことがポイントとなります。
頭がよく活発な性格をしているので、主従関係がうまく作れないと我儘に育ってしまう可能性があるので注意が必要です。忠誠心が高く、飼い主に甘える面も時折見せますが、可愛さあまって愛犬の誘いに応えてしまうと主従関係がうまく築けません。躾やトレーニングでは飼い主が主導権を握り、しっかり生活のリズムを作るようにしましょう。
動き回ることを好むヨークシャー・テリアは、体を動かせないとストレスが溜まってしまい、家中走り回って部屋を荒らしてしまうことがあるため、ケージ内で生活できるようにしつけ、日ごろから運動を欠かさずストレス発散をさせるようにしましょう。
ヨークシャー・テリアをしつける上で、飼い主がしっかりとリーダーシップを発揮し、育てることがとても大切になります。賢く、忠誠心が高い犬種なので、しっかり時間をかけてトレーニングしていけばよい関係を築いていけるでしょう。